歯周病

歯周病を悪化させないために!避けた方がいい食べ物とは?

歯周病を悪化させないために!避けた方がいい食べ物とは?

梅田クローバー歯科クリニック 歯科医師 久野 喬

歯周病を悪化させないために避けた方がいい食べ物とは?

実は、普段何気なく食べている食品の中にも、歯ぐきの炎症を助長し、症状を悪化させてしまうものがあります。この記事では「歯周病の進行を防ぐには、どんな食べ物を避けたらいいのか?」という疑問に歯科医院の専門的な視点から答えます。

この記事はこんな方に向いています

  • 歯周病や歯ぐきの腫れ、出血などが気になる方
  • 歯科で定期的に指摘を受けている方
  • 食生活と口腔ケアについて具体的な対策を知りたい方
  • 「頑張って歯磨きしているのに治らない」と悩んでいる方

この記事を読むとわかること

  1. なぜ特定の食べ物が歯周病を悪化させるのか
  2. 歯周病の人が控えるべき代表的な食べ物と、その理由
  3. 意外と見落としやすい食習慣や“健康食”に潜むリスク
  4. 日常で気をつけたい食生活改善のポイントと実践例

“何をどう食べるか”を工夫することで、歯周病コントロールはぐっと身近なものになります。自分の健康な歯ぐきと笑顔のために、ぜひご活用ください。

 

歯周病の人は「食べ物選び」に注意が必要です

「食べ物選び」に注意が必要

歯周病の進行を抑えるには、日々の食事内容も大切です。特に歯垢を増やしやすい食べ物や、歯茎に刺激を与えるような食品は、症状の悪化につながります。

歯周病の悪化を防ぐには、食べ物選びも大切です。

歯磨きや歯科での処置だけでなく、毎日の食生活が歯周病の進行に大きく影響します。とくに「歯茎の炎症を助長する食べ物」や「歯垢を増やす原因となる食品」は、可能な限り避けるべきです。

なぜ特定の食べ物が歯周病に悪影響を与えるのか?

食べ物が悪影響を与える理由

歯周病は歯垢中の細菌が原因で進行します。特定の食べ物はその細菌のエサとなったり、歯茎を直接刺激して炎症を悪化させることがあります。

一部の食べ物は歯垢を増やし、歯茎の炎症を進行させます。

  1. 砂糖を多く含む食品や、噛みづらい・刺激の強い食材は、以下のような理由で注意が必要です。
  2. 細菌のエサになる:糖分は歯垢内の細菌の栄養源となり、歯茎への炎症を引き起こしやすくなります。
  3. 歯茎に刺激を与える:硬い食べ物や辛すぎる食品は、炎症を起こしている歯茎に負担をかけます。
  4. 口内を乾燥させる:唾液の分泌を妨げる食品や飲料は、自然な洗浄作用を弱めてしまいます。

その結果、歯周病が進行するリスクが高くなります。

歯周病の人が避けた方がいい代表的な食べ物

避けた方がいい食べ物

歯周病を悪化させるリスクのある食品は、糖分や添加物を多く含むもの、歯茎への刺激が強いものなどがあります。

歯周病の方は、糖分や刺激物を含む食べ物を控えましょう。

以下のような食品は、歯周病の悪化につながる可能性があります。

  1. 甘いお菓子・ジュース類
    → 砂糖が多く含まれ、歯垢の増加と細菌の活性化を促します。
  2. スナック菓子・加工食品
    → 塩分や添加物が多く、口内環境の悪化を引き起こしやすくなります。
  3. 硬いおせんべい・フランスパン
    → 炎症を起こしている歯茎を傷つけるおそれがあります。
  4. 唐辛子やカレーなどの刺激物
    → 歯茎に強い刺激を与え、炎症を助長する可能性があります。
  5. アルコール・コーヒーの過剰摂取
    → 口腔内を乾燥させ、唾液の抗菌作用を低下させます。

これらの食品は歯茎にとって過酷な環境をつくり、炎症や出血の原因となります。完全に禁止する必要はありませんが、頻度や量を調整することが重要です。

歯周病の人が避けた方がいい代表的な食べ物

歯周病の人が避けた方がいい食べ物一覧表

 

食品カテゴリ 具体例 注意点・理由
甘いもの ケーキ、クッキー、チョコレート、ジュース 歯垢の栄養源となり、細菌が繁殖しやすくなる
加工食品・スナック ポテトチップス、カップ麺、ハムなど 添加物や塩分が多く、口腔内のバランスが崩れやすい
硬い食べ物 煎餅、ナッツ類、フランスパンなど 歯茎を物理的に刺激し、炎症や出血を引き起こす恐れがある
刺激物 唐辛子入り食品、カレー、辛口ラーメン 歯茎に強い刺激を与え、炎症を悪化させる可能性がある
酸性の強い食品 柑橘類、酢の物、100%果汁ジュース 歯の表面(エナメル質)を溶かし、歯周組織を弱らせる
口を乾燥させる飲料 アルコール、コーヒー 唾液分泌を減少させ、自然な自浄作用が働きにくくなる
ねばつきやすい食品 ドライフルーツ、キャラメルなど 歯に残りやすく、歯垢の温床になりやすい

この表を活用すれば、「どの食べ物がリスクになるのか」を視覚的にすぐ把握できるため、食生活を見直すときの参考になります。

食べ物すべてを禁止するのではなく、「頻度を減らす」「食べ方を工夫する」「食後にしっかり歯磨きする」といった柔軟な対応も可能です。患者さんの生活スタイルに合った改善から少しずつ始めてみてください。

控えた方がいい食習慣とは?

歯周病の予防には、食べ物だけでなく「どう食べるか」も大切です。だらだら食べや就寝前の間食など、悪習慣を見直しましょう。

歯周病対策には、食習慣の改善も必要です。

以下のような食習慣は注意が必要です。

  1. 間食が多い
    → 口の中が常に酸性になり、歯垢が増えやすくなります。
  2. 就寝前に甘いものを食べる
    → 唾液の分泌が少なくなる就寝中は、虫歯や歯周病が進行しやすくなります。
  3. 早食いや片側噛み
    → 咀嚼が偏ると、歯茎や歯への負担が一部に集中してしまいます。

こうした習慣を改めるだけでも、歯周病のリスクは確実に下がります。

意外と見落としがちな“健康食”にも注意を

体に良いと思われている食品でも、歯周病には逆効果なことがあります。選び方や食べ方を工夫することが大切です。

“健康食”も食べ方次第で歯周病に悪影響です。

以下のような食品も注意が必要です。

  1. ドライフルーツ
    → 繊維が歯にくっつきやすく、歯垢の温床になりやすいです。
  2. 100%果汁ジュース
    → ビタミンは豊富でも、糖分が多く含まれています。
  3. 酢の物・柑橘類
    → 酸性が強く、歯の表面を弱くすることで歯周病を進行させる可能性があります。

体に良いとされる食品でも、口腔内にとってはリスクとなることもあります。摂取の頻度やタイミングを見直しましょう。

食生活の見直しで歯周病の進行を防ぐために

歯周病を防ぐには、バランスの取れた食事・正しい食習慣・定期的な健診が大切です。自己管理と歯科医院でのサポートを組み合わせましょう。

正しい食事と歯科のケアで、歯周病はコントロールできます。

日常生活でできる予防のポイント:

  1. やわらかすぎず、よく噛める食事を選ぶ
    → 咀嚼を増やすことで唾液が出やすくなり、歯茎も刺激されます。
  2. 歯磨きを怠らない
    → 毎食後の丁寧な歯磨きが、歯垢の除去に効果的です。
  3. 歯科医院での健診を定期的に受ける
    → プロの視点で歯茎の状態をチェックし、必要なケアを受けましょう。

日々の積み重ねが、歯周病の進行を抑える最も確実な方法です。食べ物・食べ方・ケアの3つを見直して、健康な口腔環境を目指しましょう。

まとめ

少しの工夫で、歯ぐきの健康は守れます

「また歯ぐきが腫れてきた」「毎日歯磨きしてるのに…」
そんな不安を感じながら、頑張ってケアを続けている患者さんも多いことでしょう。

歯周病は、確かに一度かかると長く付き合っていくことになる病気です。
でも、決してあきらめる必要はありません。

今回ご紹介したように、

  • 甘いお菓子やジュースを控える
  • 刺激の強い食べ物を減らす
  • 間食の回数を見直す

といった小さな心がけでも、歯ぐきの炎症を和らげ、歯周病の進行を防ぐ助けになります。

さらに、歯科医院での定期的な健診とプロフェッショナルケアを組み合わせれば、より安心して過ごせるでしょう。

「何を食べるか」ではなく、「どう生きたいか」を意識することが、口の健康と日々の笑顔につながります。あなたの歯と歯ぐきは、今日からでも守れます。焦らず、自分のペースでケアを続けていきましょう。

この記事の監修者
医療法人真摯会 梅田クローバー歯科クリニック
院長 久野 喬

2014年 松本歯科大学卒業卒業。日本障害者歯科学会 認定医。ACLS講習終了。日本口腔インプラント学会。日本小児歯科学会。日本接触嚥下リハビリテーション学会。

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梅田クローバー歯科クリニック

大阪矯正歯科グループ大阪インプラント総合クリニック