通常、歯の定期健診は約3~4ヶ月に一度のペースです。定期健診が必要な理由や目的についてご説明します。
歯の定期健診が必要な理由
虫歯や歯周病の治療が終了した際「定期健診にご来院くださいね」と言われても「もう痛みもないし治った」と疑問に思われる方もおられるでしょう。定期健診が3~4ヶ月ごとという間隔には、様々な要因があります。
歯石がたまらないようにするため➾虫歯・歯周料の予防
細菌が出したプラーク(歯垢)が歯石になり、歯周組織の腫れにつながります。その状態を放置すると口腔状態が悪化し、むし歯や歯周病など細菌感染によるお口のトラブルが悪化します。歯周病になれば歯茎の中の骨が溶けてしまい、重度の場合は抜歯に至ってしまいます。
歯石はセルフケアで除去できず、歯石が歯周組織に沈着するのがおおよそ4ヶ月前後と言われています。歯科衛生士によるクリーニングを行わなければ、歯石のない歯肉に戻せません。
正しいブラッシング方法を継続するため
習慣づいている歯みがきの仕方を、いきなり改善することは難しいです。歯科衛生士にブラッシングの指導を受けても、自宅に帰られてからすぐに正しいブラッシング方法が出来る方は少ないですし、継続できない方も多いです。
歯の表面や歯間、歯肉に正しい角度で歯ブラシを当て、歯間ブラシやフロスをきちんと使用しないと、再度虫歯や歯周病になってしまうケースがあります。3~4ヶ月くらいの間隔でクリニックに通院し、歯磨きを再度指導をしてもらえれば、口腔内の改善は望めます。
歯の定期健診では何をする?
一般的に歯科医院が行っている定期健診は、文字通りお口の状態が健康かどうか確認をします。歯や歯肉の状態をチェックし、歯周ポケットの深さを検査し、歯のクリーニング及び歯茎や歯間にフロスを通すなどのケアを行います。
歯科衛生士は口腔衛生のプロですので、必要なメインテナンスを行い、歯ブラシが当たっていないと思われる部分には、患者様に歯磨きの方法を教え、原因からの解決を図ります。
歯の定期健診の必要性に関するQ&A
歯の定期健診は口腔の健康状態を確認し、歯や歯肉の問題を早期に発見するために必要です。定期健診により歯周ポケットの深さや歯石の除去が行われ、虫歯や歯周病のリスクを軽減します。また、歯科衛生士による適切な指導でブラッシング方法やケアを学び、予防効果が期待できます。
3~4ヶ月ごとの定期健診は、歯石が歯周組織に沈着するサイクルや虫歯・歯周病の進行に関係しています。歯周病の治療後も再発防止のために、プラークや歯石の蓄積を定期的に取り除く必要があるからです。この間隔での定期健診が予防効果を最大化し、口腔内の健康を維持する助けになります。
定期健診を怠ると、口腔内の問題が放置され、さまざまなリスクがあります。例えば、歯周病が進行し歯茎の中の骨が溶けることで歯を失う可能性が高まります。さらに、歯周組織の腫れや炎症が進行し、全身への影響も考えられます。定期健診を受けることで、早期に問題を発見・治療し、口腔の健康を維持することが重要です。
まとめ
お口の中は、自覚症状がないままトラブルが進行するケースが多くあります。歯科が行う定期健診やメンテナンスにしっかり通われている方と、通われない方を比較すると、歯の本数が将来的に大きく違います。虫歯という病気の予防的観点からも、定期的に歯医者に通院されることは大切です。
歯がなければ食事で食べ物を噛むことや、人前で大きく口を開けることをストレスに感じることがあります。噛めなければ義歯やブリッジ、インプラントなどの処置が必要になり、そのための費用も発生します。定期健診を受け、その他に歯並びや噛み合わせなど気になる場合は、歯科医やスタッフに相談してみましょう。