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歯のクリーニングに副作用はある?安全性と知っておきたい注意点

歯のクリーニングに副作用はある?

梅田クローバー歯科クリニック 歯科医師 久野 喬

歯のクリーニングに副作用はあるのでしょうか?

「大きな副作用はほとんどなく、安全性が高い処置ですが、一時的に違和感や知覚過敏のような症状が出ることはある」です。

歯のクリーニングは歯垢や歯石を取り除き、口腔環境を健康に保つために欠かせない処置ですが、副作用の可能性も知っておくことで安心して受けられます。

この記事はこんな方に向いています

  • 歯のクリーニングで副作用があるか不安な方
  • クリーニング後にしみる、痛いと感じたことがある方
  • 今後クリーニングを受ける予定があり、安全性を知っておきたい方

この記事を読むとわかること

  1. 歯のクリーニングで起こる可能性のある副作用
  2. 副作用が起きる理由と対処法
  3. 副作用を予防するための工夫

 

歯のクリーニングに副作用はあるの?

クリーニングに副作用はある?

歯のクリーニングは歯科医院で行う標準的な処置であり、安全性が高く、ほとんどの患者さんが安心して受けられます。ただし一部の方には、一時的に「歯がしみる」「歯茎が腫れる」「出血する」といった軽い副作用が出ることがあります。これらは数日以内に自然に治まることが多く、深刻な健康被害になることは稀です。

副作用はまれに起こりますが、軽度で一時的なものがほとんどです。

なぜ歯のクリーニングで副作用が起こることがあるの?

歯のクリーニングでは専用の器具や超音波スケーラーを使って歯垢や歯石を取り除きます。このとき歯の表面や歯茎に刺激が加わるため、一時的にしみたり、歯茎から出血することがあります。また、歯石が長期間付着していた場合、それを除去すると「今まで歯石で覆われていた部分が露出し、知覚過敏が出る」ことがあります。

原因は器具による刺激や、歯石除去後の歯面の露出です。

どんな副作用が起こりやすいの?

どんな副作用が起こりやすいの?

歯のクリーニング後に見られる副作用は大きく分けて以下のようなものがあります。どれも一時的で数日以内に治まることが多いです。

代表的な副作用は「知覚過敏」「歯茎の腫れ・出血」「口内の違和感」です。

  • 知覚過敏 → 歯石を取った後の歯面が露出し、冷たいものや甘いものにしみることがあります。
  • 歯茎の腫れ・出血 → 歯茎に炎症がある場合、器具の刺激で一時的に出血や腫れが出やすくなります。
  • 軽い痛みや違和感 → 施術直後に歯が浮いたような感覚を覚える方もいます。
  • 歯の表面がザラつく感じ → 歯石除去後に一時的に違和感がある場合があります。

これらの副作用は、体がクリーニングに適応する過程で起こる一時的な反応であり、心配する必要はほとんどありません。

エアフローでのクリーニングに副作用はあるの?

エアフローは従来のスケーラーによるクリーニングに比べて歯や歯茎への刺激が少なく、副作用のリスクも低いのが特徴です。ただし「まったく副作用がない」というわけではなく、一部の患者さんでは一時的な違和感や知覚過敏のような症状が出ることがあります。

エアフローとは?

エアフローは、 超微細なパウダーと水、空気をジェット噴射して歯面を清掃する機械 です。従来の超音波スケーラーが歯石や歯垢を機械的に削り取るのに対し、エアフローは歯面を「磨き洗う」イメージに近く、歯や歯茎を傷つけにくい点がメリットです。

エアフローで起こりうる副作用の例

  1. 一時的な知覚過敏
    → パウダーで歯の表面を清掃する際、歯茎が下がっていて象牙質が露出している部分に刺激が伝わり、一時的に「しみる」症状が出ることがあります。
  2. 歯茎や粘膜の軽い刺激
    → パウダー噴射が歯茎や頬の内側に当たると、一時的に赤くなったり、軽く腫れたように感じることがありますが、多くは数時間〜1日以内に治まります。
  3. 飲み込みによる不快感
    → パウダーや水をうまく吸引できなかった場合、のどの奥に流れ込み、不快感やむせることがあります。これは施術時の姿勢や吸引の工夫で予防可能です。
  4. 呼吸器系への影響(まれ)
    → 喘息など呼吸器に持病がある方は、エアフローの細かいパウダーが刺激になる可能性があるため、事前に歯科医師へ申告することが大切です。

副作用を軽減するためにできること

  1. 知覚過敏のある方は事前に相談
    → 専用の薬剤を併用してもらうことで刺激を抑えられます。
  2. 施術中に違和感があれば伝える
    → 水が多い、吸引が不十分などの場合は、体勢や器具の調整で改善できます。
  3. 呼吸器系の病歴を伝える
    → 喘息や慢性気管支炎などの既往がある方は、エアフローではなく他のクリーニング法を選択する場合もあります。

エアフローは従来のクリーニング方法よりも 副作用のリスクが低く、快適に受けられる処置 です。副作用が出ても軽度かつ一時的で、多くは自然に治まります。ただし持病や口腔の状態によっては注意が必要な場合もあるため、歯科医師と相談のうえで適切に受けることが安心につながります。

副作用が出た場合はどう対処すればいいの?

副作用が出た場合も落ち着いて対応すれば問題ありません。例えば知覚過敏が出たときは知覚過敏用の歯磨き粉を使う、冷たい飲食物を避けるなどで改善が期待できます。出血や腫れがある場合は口腔内を清潔に保つことが重要です。数日以上続く強い痛みや腫れがある場合は、歯科医院に相談してください。

一時的なら自宅で対応可能。長引く場合は歯科医院に相談を。

  • 知覚過敏が出たら → 知覚過敏用歯磨き粉を使用し、冷たいものを避ける
  • 出血や腫れがある場合 → 優しく歯磨きを続けて清潔に保つ
  • 痛みが強い場合 → 我慢せず歯科医院に連絡して確認する

総括すると、副作用の多くは一時的でセルフケアで改善しますが、症状が長引くときは必ず歯科医院へ相談することが大切です。

副作用を防ぐために普段からできることは?

副作用を完全にゼロにすることは難しいですが、日頃のケアでリスクを減らすことができます。特に「日常的に丁寧な歯磨きを行う」「定期的に歯科健診を受ける」ことが重要です。歯石や歯垢が溜まりすぎなければ、クリーニング時の刺激も軽く済み、副作用も出にくくなります。

毎日のケアと定期健診が副作用予防につながります。

  • 毎日の丁寧な歯磨き → 歯垢をためないことが最も重要です。
  • フロスや歯間ブラシの使用 → 歯と歯の間の清掃で歯石の沈着を防ぎます。
  • 定期健診でのチェック → 早めに小さな歯石を取ることで刺激を最小限にできます。
  • 生活習慣の改善 → 喫煙や砂糖の多い食生活は歯茎を弱らせ、副作用を強める要因になります。

これらを続けることで、歯のクリーニング時の副作用を最小限に抑え、快適に受けられるようになります。

歯のクリーニングは受けない方がいいの?

「歯のクリーニングで副作用があるなら、受けない方がいいのでは?」と心配する方もいます。しかし結論から言うと、歯のクリーニングは避けるべきではありません。むしろ、虫歯や歯周病の予防、口臭対策、歯の寿命を延ばすために非常に有効な処置 です。副作用は一時的かつ軽度であり、数日で自然に治まることがほとんどです。

一方で、クリーニングを長期間受けずに放置すると、歯石や歯垢が蓄積して歯周病が進行し、抜歯につながるリスクが高まります。長期的な健康を考えれば、受けない方がいい理由はなく、むしろ受けた方がいい処置 といえます。

受けない方がいい理由はなく、むしろ積極的に受けるべきです。

歯のクリーニングを受けない場合に考えられるデメリット

  1. 歯石や歯垢が蓄積しやすくなる
    → 歯磨きだけでは完全に落としきれない歯垢は、時間とともに硬くなり歯石となります。歯石は自分で除去できないため、歯周病の原因になります。
  2. 歯周病の進行リスクが高まる
    → 歯石の表面はザラザラしており、細菌が付着しやすくなります。放置すると歯茎が腫れ、出血や口臭の原因となり、最終的には歯が抜けることもあります。
  3. 口臭の悪化
    → 口臭の多くは歯周病や歯垢の細菌が原因です。定期的なクリーニングで口臭予防が可能ですが、受けないと臭いが強くなる傾向があります。
  4. 見た目の問題
    → 着色汚れ(コーヒー、紅茶、たばこなど)は日常の歯磨きでは落としにくく、クリーニングで除去する必要があります。受けないと歯の黄ばみや黒ずみが進み、見た目の印象が悪くなることがあります。

歯のクリーニングは「一時的にしみる」「歯茎が腫れる」といった軽い副作用がある場合もありますが、それ以上に 歯の健康を守る大きなメリット があります。歯を失う原因の多くは歯周病であり、その予防には定期的なクリーニングが欠かせません。したがって、受けない方がいいという選択肢はなく、むしろ受けた方が良い処置 だといえます。

まとめ

歯のクリーニングは安全性が高く、副作用はあっても一時的で軽度です。しみる・出血するといった症状が出ても数日で落ち着くことが多く、長引く場合は歯科医院に相談するのが安心です。普段から歯磨きや健診を心がけることで副作用を予防しつつ、定期的にクリーニングを受けることが健康な歯を守る最善の方法です。

この記事の監修者
医療法人真摯会 梅田クローバー歯科クリニック
院長 久野 喬

2014年 松本歯科大学卒業卒業。日本障害者歯科学会 認定医。ACLS講習終了。日本口腔インプラント学会。日本小児歯科学会。日本接触嚥下リハビリテーション学会。

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梅田クローバー歯科クリニック

大阪矯正歯科グループ大阪インプラント総合クリニック

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