歯と口のトラブル

口臭がなかなか治らないのですがどうしたらいいの?

口臭がなかなか治らないのですがどうしたらいいの?

口臭で悩んでいる人はとても多く、様々なデンタルケアグッズを試してみても一度気になりだしたらなかなか改善せず、口臭が精神的なストレスになってしまいます。なかなか治らない口臭の原因は一体どこにあるのか、ご説明します。

口臭の3つの原因

口臭の原因は主に3つあります。

生理的口臭

空腹時や食事後には口臭が強まることがありますが、これらは「生理的口臭」と呼ばれており、誰にでもあるものですので治療の必要がありませんし、気にしすぎる必要もありません。

心因性口臭

実際には殆どにおっていないのに臭いがあると思い込む方がおられます。このような口臭は「心因性口臭」と呼ばれており、悪臭と呼べるほどの口臭は殆どありません。そのため治療はカウンセリングなどの精神面へのアプローチになります。

病的口臭

周囲の殆どの人が感じる程の悪臭を放つ場合は「病的口臭」と呼ばれ、口腔疾患などの病気が原因でにおいが発生します。虫歯があったり、食べ物が歯に詰まって腐敗したり、入れ歯の汚れが悪臭を放ったり、歯周病で歯茎から膿が出てにおったりと、様々な原因が考えられます。

歯や歯茎を治療して原因を取り除けば、ひどい口臭はかなり改善されます。

口臭は歯周病のせいかもしれません

病的口臭に含まれる歯周病は、病気が進行してくると特有の口臭が発生します。歯周病の代表的な衆生は歯茎の腫れなどの炎症ですが、細菌が繁殖した歯垢や歯茎から膿が出ると、悪臭の原因となります。

病的口臭を治療するには、原因となっているお口の中の疾患を治療しなければなりません。歯肉炎で歯茎が腫れているだけで他の症状がない場合は、ご自身では気づきにくいですが、そのまま放っておくと炎症が強くなって歯周ポケットがどんどん深くなり、やがて歯を支えている歯槽骨が溶かされて歯が抜けてしまいます。

重度の歯周病になると、失われた歯茎の組織や骨は元に戻りませんので、病気の進行を食い止めるだけで精一杯になってしまいます。そうなる前に、治療を開始しましょう。

歯科医院で行う治療

歯科医院では虫歯や歯周病などの治療を行い、その後は定期健診を受けていただくことで口臭の改善につとめます。

歯周病の治療について

歯周病によって口臭が発生するのは、歯周病の症状がかなり進行して、歯茎に膿がたまり、それが歯茎の外に出て臭っているということが考えられます。

歯周病治療ではまず歯茎の炎症をとるために、歯に着いた歯垢や歯石を徹底的に除去します。それだけでもお口の中の歯周病菌の数はかなり減りますので、それに加えて毎日のご自宅でのセルフケア(歯磨き)を丁寧に行っていただくと、軽度の歯周炎でしたら歯茎が健康な状態に戻ります。

もう少し症状が進んでいる場合は、歯肉の炎症だけでなく、歯を支えている歯槽骨の吸収がみられるようになり、歯茎が下がって歯の根元が露出した状態になります。歯科医院で歯周病治療を受けるようになると、歯茎の吸収を止めることは可能ですが、失った歯周組織や骨は元には戻りません。

しかし歯の根元の歯垢や歯石を除去することによって歯茎の炎症がおさまり、歯茎から膿が出るということはなくなって、口臭は改善されていきます。

虫歯の治療について

虫歯の穴が深くなると、食事をする度にそこに食べ物が詰まってしまい、詰まったものが腐敗してにおいを発します。虫歯をきれいに削って詰め物や被せ物で治療すると、口臭はかなり減ります。

また、歯の根にひびが入ったり、割れている場合は歯の根の先に炎症が起こり、そこに膿が溜まる場合があります。膿が溜まると歯茎が腫れ、そこから表面に膿が出てくるとにおいがします。

歯の根にひびが入ったり割れている場合の治療は、抜歯になるケースが多いため、早めに歯科を受診しましょう。

定期健診について

虫歯や歯周病の予防や早期発見のために、年に2~4回程度、定期的にメンテナンス(クリーニング)を受けましょう。歯垢や歯石を専用の器械を使って徹底的に除去し、お口の中の細菌を減らします。

セルフケアだけでは歯と歯の間や歯と歯茎の間の溝(歯周ポケット)の部分に溜まった歯垢を全て落とすことが出来ません。また、歯石は歯磨きでは落とせませんので、定期健診で除去する必要があります。

歯ぐきの腫れや出血が改善すると、口臭も改善します。また、入れ歯のプラスチックの部分は汚れや臭いを吸着しますので、口臭の原因になることがありますので、気になる方は歯科医院にご相談ください。口臭で悩んでおられる方は、まず定期健診を受けてみませんか。

口臭予防のためにしっかりと唾液を出しましょう

日頃から口呼吸の癖のある方は、お口の中が乾いて唾液の分泌が減っている状態です。お口の中が乾くと細菌が増えますので、口呼吸を行いがちな人は、口臭が強くなっているかもしれません。

唾液の働き

唾液には様々な作用があります。唾液を出すと食べ物の消化を良くなることは良く知られていますが、他にもお口の中の汚れを洗い流したり、食後にお口の中が酸性に傾くのを中和したり、口臭対策にもなる様々な働きをしてくれます。

唾液の分泌量が減ってしまうと、唾液の働きが低下して、お口の中の細菌が増えたり、ウイルスや細菌が体内に侵入するのを許してしまったりと、口臭だけでなく、身体の健康を損なう原因になります。

唾液は本来無臭ってご存じですか?

唾液は臭いと思っておられませんか?実は唾液そのものは無臭で、口臭を抑える働きをしてくれます。

唾液に臭いがするとしたら、それはお口の中に増殖した細菌によるもので、細菌が作り出すメチルメルカプタン、硫化水素、ジメチルサルファイドなどのガスが、腐敗臭のようなくさい臭いを発生させます。

唾液をたくさん出すためには?

  1. 良く噛んで食べる
  2. 水分を補給する
  3. 唾液腺マッサージをする
  4. 口の中で歯に沿って舌を回すエクササイズをする
唾液腺マッサージ

口臭がなかなか治らないに関するQ&A

口臭の治療にはどのようなアプローチがありますか?

口臭の治療は、生理的口臭や心因性口臭の場合は治療の必要はありませんが、病的口臭の場合は口腔疾患の治療が必要です。口腔疾患や歯周病などの治療を歯科医院で行い、定期健診を受けて口臭の改善に取り組みます。

定期健診の目的や頻度はどのくらいですか?

定期健診は虫歯や歯周病の予防や早期発見のために重要です。年に2~4回程度、定期的にメンテナンス(クリーニング)を受けることで、歯垢や歯石を除去し口臭の改善につとめます。

唾液の分泌量を増やすためにはどうすればいいですか?

唾液の分泌量を増やすためには、良く噛んで食べることや水分を補給することが効果的です。また、唾液腺マッサージや口の中で舌を回すエクササイズも試してみると良いでしょう。これらの方法で唾液の分泌が促され、口臭の予防にも役立ちます。

まとめ

歯のキャラクター

口臭の原因は様々ですが、お口の中に原因があるものに対しては、歯医者での定期健診で虫歯や歯周病にかかっていないかチェックし、歯のクリーニングを受けることが効果的です。まずお口の中の病気の有無を調べ、その上で入れ歯など口臭が発生する原因を探り、口臭対策を効果的にすすめていきましょう。

この記事の監修者
医療法人真摯会 梅田クローバー歯科クリニック
院長 久野 喬

2014年 松本歯科大学卒業卒業。日本障害者歯科学会 認定医。ACLS講習終了。日本口腔インプラント学会。日本小児歯科学会。日本接触嚥下リハビリテーション学会。

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梅田クローバー歯科クリニック

大阪矯正歯科グループ大阪インプラント総合クリニック