矯正歯科

その歯並び、大丈夫?矯正治療が必要な噛み合わせや歯並びの特徴とは

その歯並び、大丈夫?
その歯並び、大丈夫?

「歯並び、ちょっと気になるけど…まあ困ってないし大丈夫かな?」
そんなふうに思っている方、実はけっこう多いんです。でも、見た目にはわからなくても、噛み合わせや歯並びの乱れがじわじわとお口の健康に悪影響を与えているケースは少なくありません。

食べにくいけど慣れちゃってる
口を閉じづらいけど、そんなもんだと思ってる
歯磨きしにくいけど、仕方ないと思ってる

これ、実は「矯正治療が必要なサイン」かもしれません。
このコラムでは、どんな噛み合わせや歯並びに矯正治療が必要なのか、そして放置するとどうなるのかを、やさしく丁寧に解説していきます。

気になる歯並び、放置していませんか?

放置していませんか

歯並びや噛み合わせの問題に気づいていても、「見た目だけの問題だから」と思って放置している人は少なくありません。しかし実は、噛み合わせの乱れは全身の健康にも関わる大きな問題となることがあります。

歯並びの乱れを軽視せず、健康への影響を考えることが大切です。

見た目だけじゃない!放置によるリスク

放置によるリスク

矯正治療をせずに不正咬合を放置すると、以下のようなリスクが考えられます。

  1. 虫歯や歯周病になりやすくなる
    → 歯が重なっていたり、隙間が空いていたりすると歯磨きがしにくくなり、歯垢がたまりやすくなります。
  2. 咀嚼機能の低下
    → 正しい噛み合わせでないと、食べ物をしっかり噛めず、胃腸にも負担がかかります。
  3. 発音障害や顎関節症の原因に
    → 噛み合わせのズレが、発音や顎の関節のトラブルを引き起こすことがあります。
  4. 被せ物や詰め物のトラブルが増える
    → 歯並びが乱れていると補綴物が早く壊れたり、やり直しが必要になることも。
  5. 顔貌や表情に影響が出ることも
    → 口元のバランスが崩れ、年齢以上に老けて見られることもあります。

歯並びの乱れは、口腔内だけでなく全身のトラブルにもつながります。

実は多い「専門的には不正咬合」だったケース

「歯並びが気になるけど、そこまで悪くないと思っていた…」という患者さんが、実は専門的に見ると不正咬合だったというケースは珍しくありません。

たとえば、以下のような方が矯正をすすめられることがあります。

  • 上下の歯がうまくかみ合っていない
  • 前歯が出ていて口が閉じづらい
  • 奥歯でしっかり噛めない
  • 前歯で食べ物が噛み切れない
  • あごが鳴ったり、痛みを感じる

自覚がなくても、専門的には矯正が必要と判断されることも多くあります。

特に気を付けなければいけない歯並びとはどんなもの?

一見するとそれほど問題なさそうでも、実はお口全体や体の健康に悪影響を及ぼす可能性がある歯並びがあります。放置すると虫歯や歯周病、咀嚼障害、顎関節の不調などさまざまな問題に発展することも。以下のような歯並びに心当たりがある場合は、特に注意が必要です。

注意が必要な歯並びの例

叢生(乱ぐい歯)
→ 歯がデコボコに重なって生えている状態。歯磨きが難しく、歯垢がたまりやすいため、虫歯や歯周病のリスクが高まります。

開咬(かいこう)
→ 奥歯が噛み合っているのに、前歯が上下で接触しない状態。食べ物が噛み切れなかったり、発音に支障が出たりします。

交叉咬合(こうさこうごう)
→ 上下の歯の噛み合わせが横にズレている状態。顎のバランスが崩れ、顎関節に負担がかかることがあります。

過蓋咬合(かがいこうごう)
→ 上の前歯が下の前歯を深く覆ってしまう状態。下の歯が見えなくなるほど深く噛み合っていると、歯や歯ぐきがダメージを受けやすくなります。

すきっ歯(空隙歯列)
→ 歯と歯の間に大きなすき間がある状態。歯垢がたまりやすく、発音や見た目に影響を与えることも。

出っ歯・受け口(上顎前突・下顎前突)
→ 見た目の問題だけでなく、咀嚼機能の低下や顎の痛みに発展する可能性があります。

これらの歯並びは、見た目の違和感だけでなく、「歯が長持ちしない」「詰め物や被せ物が取れやすい」「顎が痛い」などのトラブルの原因にもなります。本人に自覚がない場合も多いため、「歯磨きがしにくい」「なんとなく噛みづらい」などの小さな気づきがある場合は、ぜひ一度専門医のチェックを受けてみましょう。

トラブルの原因になる歯並びは見た目ではわかりにくいことも。気になる症状があれば早めに相談を!

矯正治療が必要な噛み合わせや歯並びとは

矯正治療が必要かどうかは、「見た目のきれいさ」だけでは判断できません。実際には、噛む・話す・磨く・守るといった機能面に支障が出ているかどうかがポイントになります。以下のような状態に心当たりがある場合、矯正治療を検討する価値があります。

代表的な「矯正治療が必要な」歯並び・噛み合わせのタイプ

種類 特徴とリスク
叢生(乱ぐい歯・八重歯) 歯が重なってデコボコに生えている状態。歯磨きがしづらく、歯垢がたまりやすいため虫歯・歯周病のリスクが高まります。
上顎前突(出っ歯) 上の前歯が前に突き出ている状態。見た目だけでなく、口が閉じにくかったり、唇が乾燥しやすくなったりすることもあります。
下顎前突(受け口) 下の前歯が上の前歯より前に出ている状態。発音障害、咀嚼障害、顎関節症を引き起こしやすくなります。
開咬(オープンバイト) 前歯が上下でかみ合わず、すき間が開いている状態。麺類などを噛み切れず、口呼吸の原因になることも。
過蓋咬合(かがいこうごう) 上の歯が下の歯を深く覆っている状態。下の前歯や歯ぐきを傷つけることがあります。
交叉咬合 上下の歯が左右にずれて噛み合っている状態。顎のゆがみや顔の非対称を招くことがあります。
空隙歯列(すきっ歯) 歯と歯の間に隙間がある状態。見た目の問題に加え、歯垢がたまりやすく、虫歯・歯周病リスクが上がります。

それぞれのリスクをまとめると…

  1. 機能面の問題 → 噛みにくさ、話しづらさ、消化不良、顎の痛み
  2. 清掃性の悪化 → 歯磨きがしづらくなり、歯垢が残りやすい
  3. 審美的ストレス → 笑うときに気になる、写真で口元が気になる
  4. 補綴の不安定さ → 被せ物や詰め物がすぐ取れる、割れやすい
  5. 将来的なトラブル → 歯の寿命が縮む、再治療が増える可能性

こうした不正咬合の多くは、子どもだけでなく大人にも見られるものです。「今さら矯正なんて…」とためらう方も多いですが、大人の矯正も年々一般的になってきており、目立たない矯正方法(インビザラインなど)も選べる時代です。

「ただの見た目の問題」ではなく、健康の土台としてのかみ合わせ。
少しでも気になることがあれば、まずは検査や相談から始めてみましょう。

不正咬合は見た目だけの問題じゃない!機能面や健康リスクを考えると、早めの対処がカギです。

まずは正しい診断を受けましょう

矯正治療が本当に必要かどうかは、専門の歯科医師による診断が不可欠です。見た目だけでは判断できない部分も多く、レントゲンや模型を使った精密検査が必要になります。

歯並びやかみ合わせの状態を正確に把握

顎の骨格や筋肉の動きの確認

治療計画の立案と費用の見積もり

まずは矯正歯科での相談を受けることで、ご自身の状態を正しく知ることができます。

正確な診断を受けることが、矯正治療の第一歩です。

矯正治療を始める一歩を踏み出してみては?

歯並びの乱れや噛み合わせの異常は、見た目の悩みだけでなく、健康面や日常生活の質にも大きく関わります。今まで「様子見」で済ませていた方も、一度専門医に相談するだけで未来のリスクを減らすことができます。

早めの行動が、健康と笑顔を守る鍵になります。

歯並びに不安があるなら、今こそ相談してみましょう!

まとめ

気になった今が、矯正治療を考えるベストタイミングかも

歯並びや噛み合わせの悩みって、「人と比べるほどでもないし…」ってつい後回しにしがち。でも実は、日々の小さな違和感やお手入れのしにくさこそが、将来のお口のトラブルのサインかもしれません。

「このまま放っておいて大丈夫かな?」
「今さら相談するのも恥ずかしいな…」

そんなふうに思う気持ちも、すごくよくわかります。でも、ほんの少し勇気を出して専門医に相談するだけで、自分の状態が“問題なし”なのか、“治療したほうがいい”のか、ちゃんとわかります。

矯正治療は、見た目だけじゃなくて「噛む」「話す」「守る」ための大切なケア。自分自身の健康と笑顔のために、「気になっている今」こそが、動き出すタイミングかもしれません。

歯並びで気になる部分があれば早めに矯正相談をお受けくださいね。

この記事の監修者
医療法人真摯会 梅田クローバー歯科クリニック
院長 久野 喬

2014年 松本歯科大学卒業卒業。日本障害者歯科学会 認定医。ACLS講習終了。日本口腔インプラント学会。日本小児歯科学会。日本接触嚥下リハビリテーション学会。

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梅田クローバー歯科クリニック

大阪矯正歯科グループ大阪インプラント総合クリニック