矯正歯科

噛み合わせが大切って本当ですか?

噛み合わせが大切って本当ですか?

悪い噛み合わせのままで食事をすると、特定の歯に強い力や、顎関節に負担がかかり、歯を失うことや体の痛みに繋がることがあります。上下の歯の噛み合わせについてご説明します。

噛み合わせが悪い原因によって治療方法が違う

噛み合わせが悪い場合の治療は、噛み合わせの悪さを引き起こす原因によって決まります。噛み合わせが悪くなる原因は主に3つあります。

  1. 歯並びが悪いため噛み合わせが悪くなっている
  2. 詰め物・被せ物の高さが合っていないため噛み合わせが悪くなっている
  3. 歯ぎしり・舌で歯を押す癖などにより歯が動いて噛み合わせが悪くなっている

1. 歯並びが悪い場合の治療方法

歯並びが悪く、歯が歯列から飛び出たり重なる場合は、上下の噛み合わせが悪くなります。この場合は矯正治療によって歯並びをきれいに整えることで噛み合わせを良くします。

2. 詰め物・被せ物の高さが合っていない場合の治療方法

詰め物や被せ物の高さが合っていないと、噛んだ時に歯の一部に強い力がかかる一方噛み合っていない歯もあり、噛み合わせが悪くなります。詰め物・被せ物が少し高い場合は、少し削って高さの調整をします。詰め物・被せ物が低すぎる場合は、新しく詰め物・被せ物を作り直して噛み合わせを整えます。

3. 歯ぎしり・舌で歯を押す癖などによる場合の治療方法

歯ぎしりによって歯が擦り減ってしまい、噛み合わせが悪くなることがあります。また、舌で歯を押す癖も歯が動いて噛み合わせが悪くなる原因になります。

歯ぎしり自体の治療は難しいのですが、歯ぎしりによって歯が擦り減ることから歯を守る対策として、ナイトガードと呼ばれるマウスピースを夜間に使用する方法が推奨されます。また、舌の癖は意識して自分で治すことが必要です。

良い噛み合わせとは

噛み合わせとは、上のあごの歯と下のあごの歯がどのように接触しているか、バランス良く噛めているかを見るものです。

奥歯を噛んだ時に上下の前歯の隙間が2~3mm前後で、前歯の中央の歯のラインが合っている状態が正しい噛み合わせです。上の歯が噛み過ぎて下の歯に深く被さっていたり、上下の歯が前後左右にズレていると、顎関節に悪影響を及ぼします。

食べ物が口腔内に入ると、上下の前歯を使用して食べ物をちぎります。そして奥歯で食べ物を小さく噛んで、更に細かくすり潰して、唾液とともに消化器官へ送ります。噛み合わせが悪いと、良く噛めていない状態で飲み込んでしまうこともあり、胃腸に問題が起こる場合もあります。

歯並びが悪いために噛み合わせも悪くなっている場合

歯並びが悪い場合には、噛み合わせも悪くなっていることが多いです。

  • 上の前歯のみ出ている(上顎前突)
  • 歯が前後にデコボコしている(叢生)
  • 下の前歯が出ている(下顎前突)
  • 奥歯でかみ合わせると前歯が閉じられない(開咬)
  • 上の前歯が下の前歯を覆うほど噛み込んでしまう(過蓋咬合

このような悪い歯並びの場合に、上顎と下顎の噛み合わせが左右にずれた状態で食事を続けていると、特定の歯や顎に負担がかかります。噛む力に左右差があると、歯や顎関節に痛みという症状で現れます。見た目や歯の咀嚼機能だけではなく、発音にも関係してきます。

歯並びのみ整えると何が起こる?

多くの方は歯並びの見た目を気にされて矯正治療を希望されるのですが、矯正歯科に相談に行くと、噛み合わせも治療した方が良いと言われることがあります。その理由は、歯並びの位置のみ治療を行うと、

  • 咬合力が強くなり歯が割れることがある
  • 特定の歯に力がかかりすぎ歯を失うリスクがある
  • 顎関節症になるリスクがある
  • 矯正治療の後戻りを起こしやすくなる

お口の中のみでの影響を考えてもこれだけのことが噛み合わせに関係しています。そのため、歯並びを整えると同時に、噛み合わせを正しくするということが大切になります。

噛み合わせは健康に繋がる大切なもの

噛み合わせが健康に繋がるなんて大げさと思われるでしょうが、噛み合わせている状態は歯に力が入っています。歯に力が入るということはその周囲のお口の筋肉、首筋や肩にも自然と力が入る状態です。噛み合わせが悪ければ筋肉を緊張させてしまい、痛みとして偏頭痛や肩こりにつながるのです。

痛み以外にも弊害はある?

また、噛み合わせがずれているとずっと緊張した筋肉と緩んだ筋肉など左右の筋力に差が出て、顔の対称性にゆがみが生じます。顔への左右非対称のみではなく、連携した筋肉が緊張をし続ける状態になります。頭部や首の傾きが起きると、それをかばうために他の部分もゆがんでしまうという悪循環に陥ります。咀嚼を正しい位置で行えばそのような歪みからくる痛みはなくなるため、そのような観点からも、噛み合わせは体を健康に保つためには大切です。

噛み合わせの大切さに関するQ&A

噛み合わせの悪さが体にどのような影響を及ぼす可能性がありますか?

噛み合わせの悪さは、特定の歯や顎関節に負担をかけ、歯の損失や体の痛みを引き起こす可能性があります。これは噛む力の不均衡からくる問題で、胃腸の機能にも影響を及ぼすことがあります。

歯並びが悪い場合、どのようにして噛み合わせを改善できますか?

歯並びが悪い場合、矯正治療によって歯並びを整え、噛み合わせを改善できます。これにより、上下の歯が適切に噛み合うように調整されます。

詰め物や被せ物の高さが合っていない場合、どのように調整されますか?

詰め物や被せ物の高さが合っていない場合、高さの調整が必要です。高すぎる場合は削って調整し、低すぎる場合は新しい詰め物や被せ物を作り直して噛み合わせを整えます。

まとめ

噛み合わせは全身のバランスや噛み合わせの左右差からくる痛みを改善するうえで、とても大切です。ワイヤーブラケット矯正やマウスピース矯正など矯正器具や費用においては、自費治療のため医院によって異なりますが、歯並びの問題で矯正治療をご検討の際は、噛み合わせもきちんと診断してくれる歯科医院で行いましょう。

この記事の監修者
医療法人真摯会 梅田クローバー歯科クリニック
院長 久野 喬

2014年 松本歯科大学卒業卒業。日本障害者歯科学会 認定医。ACLS講習終了。日本口腔インプラント学会。日本小児歯科学会。日本接触嚥下リハビリテーション学会。

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梅田クローバー歯科クリニック

大阪矯正歯科グループ大阪インプラント総合クリニック