矯正歯科

インビザライン治療でマウスピースが浮いてしまう原因と対処法

インビザライン治療でマウスピースが浮いてしまう原因と対処法

インビザラインでの矯正治療では、マウスピースが歯にしっかりとフィットしていないと、矯正の効果が十分に得られず、治療期間が延びてしまうリスクもあります。インビザライン治療中にマウスピースが浮いてしまう原因とその対処法についてご説明します。

【マウスピースが浮くと何が問題?】

マウスピースがしっかりフィットしていないと、こんなデメリットがあります。

歯が計画通りに動かず、治療期間が延びる

最悪の場合、治療計画を見直すことに…!

歯ぐきに刺激が加わり、痛みや炎症が起こる

仕上がりが不完全になり、満足のいく結果にならない

つまり、マウスピースの浮きは矯正の大敵!

では、なぜ浮いてしまうのか?次の章で詳しく見ていきましょう。

インビザライン治療中のマウスピースの浮きとは?

インビザライン治療では、マウスピース(アライナー)が歯にしっかりフィットする必要がありますが、時には浮いてしまうことがあります。マウスピースの浮きとは、歯とマウスピースの間に隙間が生じ、ぴったりとはまっていない状態を指します。

この浮きが発生すると、計画通りに治療が進まず、治療の進行が遅れるだけでなく、後々治療全体をやり直す必要が出ることもあります。そのため、マウスピース浮きに気づいたら、早期に対策を講じることが重要です。

マウスピースが浮いてしまう主な原因

インビザライン治療中にマウスピースが浮いてしまう原因はいくつかあります。以下の3つが主な要因です。

1. 計画通りに歯が動いていない

マウスピースを交換するタイミングで歯が予定通りに動いていない場合、次の段階のアライナーが合わず、浮きが生じることがあります。計画通りに動いていない原因は、装着時間の不足や装着方法の不備などが考えられます。

2. アライナーの歪み

アライナーは特殊なプラスチック素材で作られており、高温にさらされると変形することがあります。例えば、熱いお湯での洗浄や、夏場の車内に放置した場合、歪みが生じ、フィットしなくなる可能性があります。

3. アタッチメントが取れた

インビザライン治療で使用されるアタッチメントは、歯に装着する小さな突起で、アライナーが滑るのを防ぎます。アタッチメントが取れてしまった場合、アライナーが浮くことがありますので、取れた場合はすぐに担当医の指示を仰ぎましょう。

マウスピースの浮きを放置するリスク

マウスピースの浮きを放置すると、いくつか深刻な問題が生じる可能性があります。まず、治療計画通りに歯が動かなくなるため、治療期間が大幅に延びてしまいます。その結果、患者さんにとっての負担が増し、計画全体を見直す必要が生じる可能性もあります。また、浮いたマウスピースが原因で、歯肉に刺激を与え、炎症や口内炎が発生するリスクもあります。さらに、適切に矯正が進まないことで、最終的な歯並びが不完全になる危険も伴います。

以下のようなリスクがありますので、ご説明します。

1. 治療の進行が遅れる

マウスピースが浮いたまま放置すると、歯が予定通りに動かないため、治療が予定より長引く恐れがあります。このため、治療計画が大幅に遅れるだけでなく、追加の治療が必要になることもあります。さらに、治療が長引くことで、患者さんのストレスが増したり、治療の延長による経済的な負担が増えることも考えられます。

2. 再治療が必要になるリスク

浮いた状態でマウスピースを使用し続けると、歯が正しく動かず、最終的に治療計画の見直しや再治療が必要になる場合があります。これにより、再度のアライナー作製や治療の延長が必要となり、全体的な治療費が増加する可能性があります。

3. 口腔内トラブルの発生

浮いたマウスピースは、歯肉や歯に予期しない圧力をかけることがあり、これが原因で炎症や口内炎が発生することがあります。特に、アタッチメントがしっかり機能していない場合や、アライナーが不均一に歯に接触している場合、歯肉に負担がかかりやすくなります。これが慢性的になると、患者さんにとって口腔内の不快感や痛みが続くことになります。

4. 不完全な治療結果

マウスピースの浮きを無視して治療を続けると、治療の最終結果が不完全になることがあります。本来期待されていた歯並びや不正咬合の改善が十分に達成されず、患者さんの満足度が低下するだけでなく、最終的には追加の治療や他の矯正方法が必要になる可能性も考えられます。

これらのリスクを避けるためには、マウスピースが浮いていることに気付いた時点で、すぐに担当医に相談し、適切な対処を行うことが非常に重要です。

今すぐできる!マウスピースの浮きを防ぐ対処法

マウスピースが浮いている場合、以下の対処法を試すことで改善が期待できます。

装着時間の見直し

「ちゃんとつけているつもり」でも、外している時間が長くなることも。1日22時間以上を徹底!

マウスピースの装着時間が足りていないと、歯が計画通りに動かない可能性があります。最低でも1日20時間以上の装着が推奨されます。当院では1日22時間以上を推奨しています。

アライナーチューイーの活用

アライナーをしっかり密着させるためのシリコン製のチューイーを噛むのが効果的。毎日10分を目安に!

アライナーチューイーを使うことで、アライナーをしっかりとフィットさせることができます。毎日10~15分間アライナーチューイーを使うことが推奨されています。

アライナーチューイとは?

アライナーチューイーは、柔かいプラスチック製で、アライナーを付けた後、チューイーを歯で噛むことで、アライナーをよりしっかりと歯に密着させます。

アライナーチューイーの使用方法

まず、アライナー(マウスピース)を装着します。その後すぐにチューイーをお口に入れて、前歯、左右の奥歯と少しずつずらしながら噛んで、アライナーが歯に密着するように押し込んでいきます。

全ての歯でしっかりと噛んで、アライナーが浮いた部分がないようにします。

アライナーチューイーの交換時期

弾力がなくなってきたり、破損した場合には新しいチューイーに交換します。なくなったら、受付で販売していますので、スタッフにお申し付けください。

1段階前のアライナーを使用

今のアライナーが浮いている場合、1つ前のアライナーに戻すと解決することも。担当医に相談してみましょう。

今のアライナーが浮いている場合、1段階前のアライナーに戻して様子を見ることも有効です。その際には、担当医に相談してからにしましょう。

歯科医に相談

マウスピースが浮いたまま治療を進めると、後で大きな修正が必要になることがあるため、早期に歯科医へ相談することが重要です。

インビザライン治療の効果を最大限に引き出すために

インビザライン治療でマウスピースが浮いてしまう原因は、歯の動きが計画通りに進まないことや、アライナーの歪み、アタッチメントの不足などが挙げられます。これらを防ぐためには、装着時間の管理や適切なメンテナンスが重要です。もし異常を感じた場合は、早めに歯科医に相談し、治療計画の見直しを行うことで、効果的な治療が継続されます。

まとめ

 マウスピースの浮きはすぐ対処!

インビザライン治療では、マウスピースが浮くことがありますが、原因を知ってしっかり対策すれば問題なし!

 装着時間を守る(22時間以上)

 アライナーチューイーを使って密着させる

  変形を防ぐため、熱には注意!

アタッチメントが取れたら歯科医に相談

「なんか浮いてる?」と感じたら、早めの対処で治療をスムーズに進めましょう!

あなたも今日からチェック!

インビザライン治療中にマウスピースが浮いてしまうと、治療がスムーズに進まなくなる恐れがあります。浮きの原因を特定し、早期に対応することで、無駄な遅延や治療計画の見直しを避けることができ、最終的に満足のいく結果を得ることが可能です。

この記事の監修者
医療法人真摯会 梅田クローバー歯科クリニック
院長 久野 喬

2014年 松本歯科大学卒業卒業。日本障害者歯科学会 認定医。ACLS講習終了。日本口腔インプラント学会。日本小児歯科学会。日本接触嚥下リハビリテーション学会。

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梅田クローバー歯科クリニック

大阪矯正歯科グループ大阪インプラント総合クリニック