歯周病

歯周病はどうやってうつるの?治らないの?

歯周病はどうやってうつるの?治らないの?

歯周病はお口の中の細菌が原因で、日本人の多くの方が感染しています。
歯周病はどのようにして感染するのでしょうか? そして一度感染したらもう治らない、一生付き合っていかなくてはならない病気なのでしょうか?

歯周病はどうやってうつるの?

離乳食

お口の中にいる細菌は唾液にも含まれています。そのため歯周病は唾液によって感染する可能性があると考えられています。

ちなみに、虫歯(う蝕)を引き起こす代表的な細菌は、ストレプトコッカス・ミュータンスといいます。虫歯が親子間で唾液を介してうつりやすいということは、ご存じの方が多いと思いますが、歯周病もスプーンや食器を共用したり、キスしたりすると、唾液によってうつる可能性があります。

しかしうつった人が必ず歯周病になるわけではなく、免疫力が高い人はすぐに発症することはありません。日々の体調の違いによって免疫力が低くなると、歯周病が発症し、歯茎が腫れてくる場合もあります。

中でも、高血圧や糖尿病などの方や喫煙者の方、強いストレスに曝されている方等は、免疫力が落ちた状態になっており、歯周病にかかりやすいかもしれません。

歯周病になったらもう治らないの?

歯科衛生士

歯周病は完治出来ない病気といわれていますが、治療することで歯茎の炎症がなくなり、歯肉や歯槽骨の破壊を遅らせる、または止めることが出来ます。

歯周組織が健康であった時の状態には戻りませんので、「治らない」と表現されています。

しかし、炎症がなくなって歯周組織の破壊を止めることが出来た段階で「治る」と表現される先生もおられますので、一概に「治る」「治らない」と言い切れないのが現状です。

繰り返しになりますが、炎症などの歯周病の進行は食い止めることが可能です。歯槽骨が溶けて歯が抜けてしまうまで放っておかず、歯周病の兆候が見えたら、必ず歯科医院の定期健診を受けて頂き、歯科医院と二人三脚で、症状を食い止めるためのお手入れを行っていきましょう。

歯周病のメカニズム

歯周病の説明図

歯周病は歯周病の原因菌に感染することによって起こります。

お口の中には300種類以上の細菌がいるとされており、その中でも歯周病の原因となるのは、アクチノバチルス・アクチノマイセテムコミタンス(A.A菌)、プロフィロモナス・ジンジバリス(P.G菌)、プレボテーラ・インテルメディア(P.I菌)、スピロヘータなどの菌です。

これらの細菌が歯と歯茎の境目で増殖すると歯肉が腫れて歯肉炎を起こし、次第に歯周ポケットが形成されて、徐々に深くなっていき、更に症状がすすむと歯槽骨の破壊が起こります。

歯周病にかかってしまった歯周組織を健康に戻すためには、歯周病の原因となっている細菌の数を減らさなければなりません。しかし特定の細菌だけを殺すことは出来ませんので、お口の中の細菌の全体数を減らそうという治療が、現在当院で行っている、口腔内の清掃を中心とした歯周病治療となります。

子どもも歯周病になる?

子ども

歯周病は少しずつ病気が進行しますので、歯茎が少し腫れている程度では、本人は全く気づきません。

歯茎から出血したり膿が出たり、痛みや歯のぐらつきが出るのは、かなり歯周病がすすんでからです。そのため歯周病は中高年の病気と思われていましたが、歯周病の初期症状である歯肉炎は、実は子ども時代から始まっているケースがあります。

歯周病は中高年だけの病気ではないことを認識して、子ども時代から虫歯だけでなく歯周病のケアもしなければなりません。虫歯がないからといって安心は出来ません。大人になってから歯周病で困らないように、正しい歯のケア方法を身につけましょう。

歯周病への感染や治癒に関するQ&A

歯周病はどのように感染しますか?

歯周病は唾液を通じて感染する可能性があります。スプーンや食器の共有、キスなどを通じて、感染することがあります。

歯周病の治療にはどのような方法がありますか?

歯周病の治療は、原因となる細菌の数を減らすことが重要で、口腔内の清掃を中心とした治療が主流です。

歯周病の進行はどのようにして抑えることができますか?

歯周病の進行を抑えるためには、早期発見と適切な治療、そして日常の口腔ケアが重要です。また、症状が見つかった場合は、すぐに歯科医院でのチェックを受けることが推奨されます。

まとめ

歯周病は口内の細菌によって発生し、唾液を介して感染する可能性があります。しかし、感染しても必ず発症するわけではなく、免疫力や生活習慣が大きく影響します。歯周病は初期症状が見えにくく、子ども時代から始まることもあるため、早期のケアが重要です。完全に治る病気ではないとされていますが、適切な治療により歯肉や歯槽骨の破壊を遅らせる、または止めることが可能です。そのため、定期的な歯科健診と正しい口内ケアが推奨されています。

この記事の監修者
医療法人真摯会 梅田クローバー歯科クリニック
院長 久野 喬

2014年 松本歯科大学卒業卒業。日本障害者歯科学会 認定医。ACLS講習終了。日本口腔インプラント学会。日本小児歯科学会。日本接触嚥下リハビリテーション学会。

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梅田クローバー歯科クリニック

大阪矯正歯科グループ大阪インプラント総合クリニック