SPTは歯周病安定期治療とも呼ばれ、歯周病治療をによって歯茎の病状が安定した状態になった後に、その状態を維持するために行う定期的な歯周病治療です。SPTは近年、保険適用となり、歯周病を進行させずに天然歯を守って長く使えるようにするためには重要な治療です。
SPTとは何の略?
SPTとは、サポーティブペリオドンタルセラピーの略で、治療によって安定した状態になった歯周病に対して、更に継続的に行っていく支援ケアのことをいいます。
歯周病はとても治りにくい病気なので、継続してSPTと呼ばれるケアを行っていくことによって、歯周病が進行を防ぎます。
SPTはどんなことを行うの?
SPTの内容は?
歯周病検査の結果、病状が安定したと診断された場合に、SPTを行います。内容としては、歯科衛生士によるラークコントロール、スケーリング、ルートプレーニングなどを定期的に行います。
スケーリング・ルートプレーニング(SRP)とは
歯周病の原因とされている歯に付着したプラークや歯石などを除去して歯の表面をきれいにする処置のことです。
SPTを行う期間は?
SPTの間隔は3ヶ月毎の歯周病管理が基本となりますが、患者さんの歯周組織の状態によって多少増減することがあります。最初のうちは1ヶ月毎に来院して頂き、状態が落ち着いてきたら、3ヶ月毎に変更することがあります。6ヶ月毎になる場合もあります。
SPTはいつ終了するの?
患者さんの歯周組織に炎症がみられなくなり、歯周ポケットの深さが3mm以下で、プロービング時に出血が起こらない状態になり、歯周組織の健康が回復し、歯周病が治癒したと判定できた場合に、SPTは終了となります。
その後は1年に2~4回程度の定期健診を受けて頂き、その際に歯のクリーニングを行います。
参考:日本歯科医学会 「歯周病の診断と治療のガイドライン改定 報告書」2007
逆に、病状の悪化がみられた際には、歯周病の再治療を行います。
SPTはメンテナンス(定期健診)と何が違うの?
SPTと定期健診の大きな違いは「治療」か「健康管理」かということです。
SPT
SPTは歯周病治療によって歯周組織の病状が安定した時に、その状態を維持するための治療です。
SPTで行う内容
- 口腔衛生指導
- PMTC(当院ではエアフローでクリーニングを行います)
- ポケット内洗浄
- スケーリング・ルートプレーニング
- 咬合調整
SPT期間中のセルフケアも重要で、毎日の丁寧な歯磨きによって歯垢を出来るだけ除去し、バイオフィルムが歯面に生成されないようにプラークコントロールをする必要があります。
メンテナンス(定期健診)
メンテナンスは、治癒した歯周組織を維持していくための健康管理として行われる、患者さんによるセルフケアと、歯科医師、歯科衛生士によるプロフェッショナルケアのことをいいます。
歯周病治療のSPTに関するQ&A
スケーリング・ルートプレーニングは、歯周病の原因とされる歯に付着したプラークや歯石などを取り除き、歯の表面をきれいにする処置です。これによって炎症を抑え、歯周組織の健康を回復させることが目的です。
SPTの間隔は基本的には3ヶ月ごとの歯周病管理が推奨されますが、患者さんの歯周組織の状態によって多少の変動があります。最初の段階では1ヶ月ごとの来院が必要であり、状態が安定してくれば3ヶ月ごとに変更されることもあります。6ヶ月ごとになる場合もあります。
SPTは、患者さんの歯周組織に炎症が見られず、歯周ポケットの深さが3mm以下であり、プロービング時に出血が起こらない状態になり、歯周組織の健康が回復し、歯周病が治癒したと判断された場合に終了します。
まとめ
歯周病治療後に歯周組織の症状が安定してきた場合に、SPTと呼ばれるケアを行います。安定期のケアを数か月行った後に、治癒後の健康管理としての定期健診(メンテナンス)に移行します。