歯周病

歯周病は何歳頃から気をつけるべき?

歯周病は何歳頃から気をつけるべき?

データで見る限り、高齢になるほど歯周病にかかっている割合は高くなります。しかし近年では食生活の変化から、歯周病患者の低年齢化も進んでおり、5~14歳で約4割、15~24歳で約6割もの人が歯肉炎を起こしているといわれます。歯周病は高齢の方の病気ではないことについてご説明します。

12~13歳頃から歯茎の炎症が始まっている

2016年に厚生労働省が行った調査によると、15歳~19歳の6.1%に4ミリ以上の歯周ポケットがあるという調査結果が出ました。歯周ポケットが4ミリというのは、歯周病が軽度から中程度に進行している段階の歯周ポケットの深さに該当します。

この調査からわかることは、12歳~13歳頃から既に歯茎に炎症が起こって歯肉炎を起こしているということで、早めの歯周病予防が必要になります。

中高生のお口の事情

中高生

小学生までは親や学校が虫歯予防のための取り組みを行う時期で、仕上げ磨きを続けたり、甘いおやつを控えたり、寝る前に歯磨きをするなど、子供を管理して虫歯予防することが出来ます。

しかし子供が中学生や高校生になると、親はもう仕上げ磨きを行いませんので、子供のお口の中を管理することが出来なくなります。

部活帰りに友達とコンビニで何か買って食べたり、学校帰りにファーストフード店で飲食することもあるでしょう。歯磨きが面倒くさい子に歯磨きをするように言っても素直にきかないかもしれません。

この頃から、お口の中の環境に個人差が大きくなってきます。

女性ホルモンの分泌と歯周病の関係

女性

女性ホルモンの分泌量は女性の年齢やライフステージによって変化します。歯周病菌の中には女性ホルモンによって活性化する細菌があるため、思春期、妊娠・出産、更年期などの時期には歯周病のなりやすさに変化があります。

思春期性歯肉炎とは

思春期性歯肉炎は、小学校の高学年から中学生頃に多く見られ、歯ぐきが腫れる、歯磨きで歯茎から出血するなどの症状が出る歯周病です。

思春期の子供の約20%にこの思春期性歯肉炎が見られるという報告もあります。思春期に歯周病が起こりやすくなるのは、歯周病が女性ホルモンの影響を受けやすいからで、思春期性歯肉炎は男子より女子によくみられます。

女性ホルモンと思春期性歯肉炎

思春期性歯肉炎には女性ホルモンが関係しています。歯周病菌と呼ばれる菌には数百種類もの細菌が存在していますが、その中でもP.intermedia(プレボテラ・インターメディア)という歯周病菌は女性ホルモンを栄養源として繁殖するという特徴を持っており、思春期に女性ホルモンが増加するのに伴って思春期性歯肉炎を起こすものと考えられます。

歯周病の予防方法

歯磨き

歯周病はお口の中の細菌が原因で起こりますので、歯周病の予防としてはお口の中を清潔に保つことが基本になります。そのためには、毎日歯磨き等のセルフケアを丁寧に行い、1年に2~4回程度の歯科定期健診(クリーニング)を受けることが大切です。

毎日しっかりと歯磨きをしていても、歯と歯の間や歯と歯茎の間の歯周ポケットの中の歯垢は落ちにくく、歯石が出来てしまうと、もう歯磨きでは除去することが出来ません。

そのため、歯科医院で定期健診をうけてお口の中をきれいにクリーニングしてもらい、次の歯石が出来るまでに次回のクリーニングを受けるようにしましょう。

歯周病に気をつけるべき年齢に関するQ&A

歯周病に気をつけるべき年齢はどのくらいですか?

近年では5~24歳でも歯周病の割合が高くなっており、特に15~24歳では約6割が歯肉炎を起こしています。したがって、歯周病は年齢に関係なく注意が必要です。

中学生や高校生のお口の健康管理において、どのような問題が生じることがありますか?

中学生や高校生になると、親が口腔衛生を管理することが難しくなります。友達との外食やコンビニでの食事など、食生活が多様化し、歯磨きが面倒くさいと感じる子も増えます。個人の口内環境への影響が大きくなる時期です。

女性のホルモン分泌と歯周病の関係について説明してください。

女性のホルモン分泌は年齢やライフステージによって変化します。一部の歯周病菌は女性ホルモンによって活性化されるため、思春期、妊娠・出産、更年期などの時期には歯周病のリスクが高まる可能性があります。

まとめ

歯のキャラクター

歯周病は年齢に関係なく、歯磨きが十分に出来ていない場合に発生する可能性があります。歯周病菌の中には女性ホルモンによって活性化する種類の細菌がいるため、特に女性は、女性ホルモンの分泌が活発になる時に歯周病が進行しやすくなるといわれます。そのため、歯周病から歯を守るためには、ニキビが出来始める思春期の時期から、歯周病予防を行っていくことが大切です。

また、歯周病の発生リスクは加齢とともに高まる傾向があります。中高年の方はもちろん、妊娠中の女性や糖尿病患者など、歯周病リスクが高い方も歯周病予防を行い、永久歯を歯周病からしっかり守りましょう。

この記事の監修者
医療法人真摯会 梅田クローバー歯科クリニック
院長 久野 喬

2014年 松本歯科大学卒業卒業。日本障害者歯科学会 認定医。ACLS講習終了。日本口腔インプラント学会。日本小児歯科学会。日本接触嚥下リハビリテーション学会。

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梅田クローバー歯科クリニック

大阪矯正歯科グループ大阪インプラント総合クリニック