歯と口のトラブル

歯を失った時の治療はどう選べばいいの?

歯を失った時のちりょうはどう選べばいいの?

歯を失ってしまったときは、すぐに治療することが大切ですが、具体的には一体どうすれば良いのでしょうか?虫歯や歯周病などで抜歯になってしまった場合の、その後の治療方法についてご説明します。

抜歯後の治療を考える時のポイント

ポイント

抜歯後の治療に選択肢がある場合は、どの方法がご自分に一番適しているかを見極める必要があります。治療法を選ぶ際に考えておきたいのは以下のような点です。

  1. 抜歯する時期
  2. 人工歯を入れるために必要な期間
  3. 治療後のケアの仕方
  4. 治療後の通院について
  5. 自分のライフスタイルに合っているかどうか
  6. 治療費について

グラグラの状態の時は、歯科医師にとっても抜歯のタイミングが難しく、今後の治療について患者さん側の迷いもあり、治療方針を決めるのに難航する場合も少なくありません。
しかし、出来るだけ抜歯までに抜歯後の治療について決めておきましょう。そのためにはそれぞれの治療法のうち、患者さんの歯茎や他の歯、歯槽骨の状態を総合的に判断した場合に、どの治療方法が適切かを、歯科医師側が提案し、それぞれについてメリットとデメリット、価格や治療期間などについて詳しくご説明しなければなりません。

歯を失った時の治療法はブリッジ、入れ歯、インプラント

歯を失ってしまった後の治療方法は、一般的にブリッジ、入れ歯、インプラントの3つです。歯を失った部位や本数、そして歯茎や顎の骨の状態によって、どの治療が最適であるかが変わってきます。

どの治療を受けるのかを決める前に、それぞれの治療法について知っておくと良い判断が出来ます。

ブリッジ

ブリッジの図

ブリッジでの治療は橋の構造に似ており、失った歯の両隣の歯を橋げたに見立てて、3本連結の被せ物を被せます。

ブリッジのメリットは、保険適用で治療できるということと、少ない通院回数で治療を終えられることです。
※前歯のブリッジには審美的な理由から自費診療のセラミックをおすすめします。保険診療と比べると料金がかなり高額になります。

ブリッジのデメリットは、両隣の歯を削る必要があるということです。既に詰め物や被せ物をしている歯ならまだしも、健康な歯をブリッジのために削ることに抵抗を感じる方もおられます。

部分入れ歯

保険適用の部分入れ歯

部分入れ歯は、失った歯の位置によって形状が変わりますが、現在残っている歯にバネをかけて部分入れ歯を固定させるのが一般的です。

部分入れ歯のメリットは、保険診療が可能なことと、数回の通院で治療が出来ることです。

部分入れ歯のデメリットは、隣の歯にバネをかけるとバネが見えてしまい、見栄えが悪いことと、バネをかけた歯に負担がかかり、その歯が将来グラついてきて長持ちしない可能性があることです。
※自費診療ではバネの部分に歯茎と似た色の樹脂を使って目立たなくさせることも可能です。保険診療と比べると治療費がかなり高額になります。

その他にも、噛みにくい、取り外しが面倒、違和感があるなどの問題があり、部分入れ歯には慣れが必要です。

インプラント

インプラント

インプラントは抜けた歯の根のあった部分にネジのような形をしたインプラント体(人工歯根)を埋め込み、その上に人工の歯を取り付ける治療です。

インプラントのメリットは、人工歯根が骨に固定されますので、しっかり噛めるようになることや、歯茎の上には人口の歯しか見えないため、天然の歯と見分けがつきにくいこと、違和感がないことなどです。

インプラントのデメリットは、自由診療なので費用が高額になることと、外科手術が必要になるため持病のある方は手術が受けられない場合があること、治療期間が長くかかるということなどです。

お口の状況によって治療法を選ぶ

歯がない部分の治療を検討する必要に迫られた場合は、様々なケースがありますが、主に以下の3つが考えられます。

  1. 既に歯がない部分がある
  2. ブリッジ、入れ歯をしているが不満がある
  3. 歯がグラグラして近々抜く必要がある

1.既に歯がない部分がある場合

既に1本以上の歯を失っている場合です。何もせずにそのままにしていると、歯のない部分の骨が少しずつ消失します。これを骨が溶けると表現します。これは歯がないことで、その部分の骨に噛むための力の刺激が加わらないためと考えられます。

また、歯が抜けたまま放置していると普通は隣の歯や対合歯(上の歯であればその真下の歯、下の歯であればその真上の歯)に悪い影響を与えます。そのため早く失った歯を補うための治療をしなければなりません。

治療方法はブリッジ、入れ歯、インプラントの3つから選ぶことが出来ます。ただし、失った歯の位置や持病の有無によっては受けられない治療もありますので、後ほどご説明します。

2.ブリッジ、入れ歯をしているが不満がある場合

ブリッジ、または取り外し可能な入れ歯をしているが、不満があって他の治療に変えたい場合です。

この場合は、インプラントをおすすめする場合が多いですが、骨の状態や持病の有無など、インプラント治療が可能な条件がありますので、後ほどご説明します。

3.歯がグラグラして近々抜く必要がある場合

現在グラグラしている歯があって、近いうちに抜歯しなければならない場合です。1の場合と同様に、歯が抜けたまま放置すると様々な問題が起こりますので、抜歯の前に何らかの処置を検討しておかれる方が良いでしょう。

抜歯後の治療法には、1と同様にブリッジ、入れ歯、インプラントの3つの選択肢があります。

歯を失った時の治療の選び方に関するQ&A

既に歯がない部分がある場合には、どの治療方法が選択肢として考えられますか?

治療方法としては、ブリッジ、入れ歯、インプラントの3つが選択肢として考えられます。ただし、失った歯の位置や持病の有無によっては、特定の治療方法が適さない場合もあります。

ブリッジや入れ歯をしているが不満がある場合、他の治療方法はありますか?

ブリッジや入れ歯に不満がある場合には、インプラントが一般的におすすめされます。ただし、インプラント治療には骨の状態や持病の有無などの条件がありますので、個別の状況によって適切な治療方法が異なる場合があります。

歯を失った後の治療方法を選ぶ際に考慮すべきポイントは何ですか?

治療方法を選ぶ際には、以下のポイントを考慮する必要があります。抜歯する時期、人工歯を入れるために必要な期間、治療後のケアの仕方、通院回数、自分のライフスタイルへの適合性、治療費などが重要な要素となります。また、歯科医師との相談や総合的な判断も必要です。

まとめ

歯のキャラクター

歯を失った場合には、ブリッジ、入れ歯、インプラントの3種類の治療法がありますが、患者さんのお口の中の状態や全身の健康状態によって、出来る治療法が限られることもあります。

どの治療法が適しているかは、主治医から適切な治療法についてご提案し、患者さんのご希望を考えあわせて、一番良い治療法を決定します。

インターネットの情報だけでは患者さんには判断が難しいと思いますので、ぜひ歯科医院にご相談ください。

この記事の監修者
医療法人真摯会 梅田クローバー歯科クリニック
院長 久野 喬

2014年 松本歯科大学卒業卒業。日本障害者歯科学会 認定医。ACLS講習終了。日本口腔インプラント学会。日本小児歯科学会。日本接触嚥下リハビリテーション学会。

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梅田クローバー歯科クリニック

大阪矯正歯科グループ大阪インプラント総合クリニック