インプラント

インプラント治療後のメンテナンスとは?頻度・費用・内容を解説

インプラント治療後のメンテナンスについて

梅田クローバー歯科クリニック 歯科医師 久野 喬

インプラント治療後のメンテナンスは必要ですか?

はい、インプラントを使用している間は、定期的なメンテナンスが必要です。

インプラント体は人工物なので虫歯にはなりません。しかし、その周囲にある歯茎や顎の骨は天然の組織です。歯垢がたまると、歯茎に炎症が起きたり、インプラントを支える骨が減ったりすることがあります。

また、治療後には被せ物の欠け、固定用ネジの緩み、噛み合わせの変化などが起こる可能性もあります。こうした問題は、自覚症状がほとんどない段階で見つかることも少なくありません。

インプラント治療は、被せ物を取り付けた時点で完結するものではありません。毎日のセルフケアと歯科医院での定期的な管理を続けることで、インプラントと残っている天然歯の両方を守りやすくなります。

この記事を読むとわかること

  1. インプラント治療後にメンテナンスが必要な理由
  2. メンテナンスをしない場合に起こり得るトラブル
  3. インプラント周囲粘膜炎とインプラント周囲炎の違い
  4. メンテナンスへ通う頻度と期間
  5. 歯科医院で行う検査やクリーニング
  6. 自宅で行う歯磨きと補助器具の使い方
  7. メンテナンスの費用や所要時間
  8. 保証や転院に関する注意点
  9. 予約日を待たずに受診した方がよい症状

メンテナンスは、単にインプラントを掃除する時間ではありません。歯茎や骨、被せ物、ネジ、噛み合わせを含めて、治療した状態が保たれているかを確認する機会です。

 

目次

なぜインプラントにはメンテナンスが必要なの?

なぜインプラントにはメンテナンスが必要なの?の図解

インプラントには、周囲の炎症を防ぐことに加えて、被せ物や固定用ネジ、噛み合わせの異常を早く見つけるためのメンテナンスが必要です。インプラントだけでなく、残っている天然歯やお口全体も同時に確認します。

インプラントの周囲組織と部品の両方を守るために必要です。

インプラントのメンテナンスでは、大きく分けて次の6点を確認します。

  1. インプラント周囲の歯茎
    → 赤み、腫れ、出血、膿などがないかを確認します。初期の炎症は痛みがないこともあります。
  2. インプラントを支えている骨
    → 必要に応じてレントゲンを撮影し、周囲の骨に変化がないかを確認します。
  3. 被せ物
    → 欠け、ひび、摩耗、動きなどがないかを調べます。
  4. 固定用ネジやアバットメント
    → 被せ物を支える部品に緩みや破損がないかを確認します。
  5. 噛み合わせ
    → インプラントへ強い力が集中していないか、周囲の歯とのバランスが変化していないかを調べます。
  6. 残っている天然歯
    → 虫歯や歯周病がないか確認します。天然歯の状態が変わると、インプラントへかかる力も変化することがあります。

インプラント治療後に確認する対象と、放置した場合に考えられる問題をまとめました。メンテナンスはインプラント体だけを見るものではなく、複数の要素を総合的に管理するものです。

確認する対象 主な確認内容 放置した場合に考えられる問題
歯茎 赤み・腫れ・出血・膿 インプラント周囲粘膜炎や周囲炎
周囲の骨 骨の高さや形の変化 インプラントを支える骨の減少
被せ物 欠け・摩耗・動き 噛みにくさや破損の拡大
固定用ネジ 緩み・破損 被せ物の動揺や部品の破損
噛み合わせ 力の偏りや高さの変化 被せ物やネジへの過度な負担
天然歯 虫歯・歯周病・歯の移動 お口全体の噛み合わせの変化

インプラントへ問題が起こる原因は、歯垢だけとは限りません。歯ぎしりや食いしばり、天然歯の喪失、被せ物の摩耗などによって、噛む力のバランスが変わることもあります。定期的に複数の項目を確認することで、小さな変化の段階で対応しやすくなります。

インプラント周囲粘膜炎とインプラント周囲炎は何が違うの?

インプラント周囲粘膜炎は、インプラント周囲の歯茎に炎症があるものの、病的な骨の減少が確認されていない状態です。インプラント周囲炎では、歯茎の炎症に加えて、インプラントを支える骨の減少がみられます。

歯茎だけの炎症か、骨まで影響しているかが大きな違いです。

インプラントの周囲に起こる炎症は、主に「インプラント周囲粘膜炎」と「インプラント周囲炎」に分けられます。

インプラント周囲粘膜炎とは?

インプラント周囲粘膜炎は、インプラントの周囲にある歯茎へ炎症が起きている状態です。

次のような症状がみられることがあります。

  • 歯茎が赤い
  • 歯茎が腫れている
  • 歯磨きすると血が出る
  • 歯科医院の検査で出血する
  • 違和感がある

骨の病的な減少がみられない段階では、専門的な清掃とセルフケアの改善によって炎症の軽減が期待できます。ただし、改善の程度には個人差があるため、自己判断で様子を見続けないことが大切です。

インプラント周囲炎とは?

インプラント周囲炎は、歯茎の炎症に加えて、インプラントを支える骨が減少している状態です。

次のような変化がみられることがあります。

  • 歯茎から出血する
  • 膿が出る
  • 口臭が強くなる
  • 歯茎が下がる
  • インプラント周囲の骨が減る
  • 進行するとインプラントが動く

インプラント周囲炎は、自覚症状が少ないまま進行する場合があります。痛みがないから問題がないとは限りません。

2つの違いを、次の表で整理します。
症状だけで骨の状態を判断することは難しいため、歯科医院で検査を受ける必要があります。

比較項目 インプラント周囲粘膜炎 インプラント周囲炎
主な変化 インプラント周囲の歯茎の炎症 歯茎の炎症と周囲の骨の減少
みられやすい症状 赤み・腫れ・出血 出血・膿・歯茎の下がりなど
インプラント周囲の骨 明らかな病的減少はない 病的な減少がみられる
主な対応 専門的な清掃とセルフケアの改善 状態に応じた専門的な治療
受診の目安 出血や腫れがあれば早めに相談 疑われる場合は速やかに検査

インプラント周囲粘膜炎の段階で異常に気づくことが、より大きなトラブルを防ぐうえで重要です。自宅では骨の減少や歯周ポケットに相当する部分の状態を確認できません。そのため、痛みがない時期から定期的なメンテナンスを受ける意味があります。

インプラントのメンテナンスをしないとどうなるの?

メンテナンスを受けないと、インプラント周囲の炎症、骨の減少、被せ物やネジの破損、噛み合わせの変化などを見逃しやすくなります。メンテナンスを受けなければ必ず脱落するわけではありませんが、問題を早期発見する機会が減ります。

異常に気づくのが遅れ、治療が複雑になる可能性があります。

メンテナンスを長期間受けていない場合、次のようなトラブルを見逃す可能性があります。

1. 歯茎の炎症が進む

歯垢が残ると、インプラント周囲の歯茎に炎症が起こります。

初期には歯磨き時の出血やわずかな腫れだけで、痛みがないこともあります。そのため、本人が異常に気づかないまま経過する可能性があります。

2. インプラントを支える骨が減る

炎症が骨にまで広がると、インプラントを支える骨が減少することがあります。

骨の減少が大きくなると治療が複雑になり、状態によってはインプラント体の除去を検討する場合もあります。

3. 被せ物やネジの異常を見逃す

インプラントの被せ物は、固定用のネジやアバットメントと呼ばれる部品によって支えられています。

小さなネジの緩みを放置すると、被せ物の動きが大きくなったり、ネジやほかの部品が破損したりする可能性があります。

4. 噛み合わせが変化する

お口の中は治療後も変化します。

天然歯がすり減る、歯が移動する、ほかの歯を失うなどの変化によって、インプラントへ強い力が集中することがあります。

5. 残っている天然歯の病気を見逃す

インプラントが問題なくても、周囲の天然歯に虫歯や歯周病が起こることがあります。

天然歯の状態が悪化すると、お口全体の噛み合わせにも影響します。メンテナンスでは、インプラントと天然歯を分けずに確認することが大切です。

メンテナンスを受けなかったからといって、必ずインプラントが脱落するわけではありません。しかし、問題を早く見つける機会が減り、症状が現れたときには処置が大がかりになる可能性があります。

インプラントのメンテナンスは何か月ごとに受けるの?

メンテナンスは一般的に数か月ごとに行われますが、適切な間隔は患者さんによって異なります。歯周病歴、喫煙、糖尿病、歯垢の残り方、インプラントの本数、歯ぎしりなどを考慮して決めます。

通院頻度は、患者さんごとのリスクに合わせて決まります。

インプラントのメンテナンス間隔は、「全員が必ず3か月ごと」などと一律に決まっているわけではありません。一般的には数か月ごとの受診が案内されますが、次のような方では、より短い間隔での管理が必要になることがあります。

  1. 過去に歯周病になったことがある方
    → インプラント周囲にも炎症が起こるリスクを考慮し、歯茎の状態をこまめに確認します。
  2. 喫煙している方
    → 喫煙は歯茎の状態や治癒反応へ影響するため、重要なリスク要因として確認します。
  3. 糖尿病がある方
    → 血糖コントロールの状態も含め、医科と連携しながら管理する場合があります。
  4. 歯垢が残りやすい方
    → 歯磨きが難しい部位やインプラントの形に合わせ、清掃方法を調整します。
  5. 多数のンプラントが入っている方
    →清掃する範囲が広く、連結された被せ物の下などに汚れが残る場合があります。
  6. 歯ぎしりや食いしばりが強い方
    → 被せ物や固定用ネジ、噛み合わせへの負担を定期的に確認します。
  7. オールオン4などの連結された人工歯を使用している方
    → 人工歯列の裏側や歯茎との境目など、自宅では清掃しにくい部分があります。

予約時に案内された間隔を、自覚症状がないという理由だけで自己判断で延ばすことは避けましょう。歯茎の炎症や骨の変化、ネジの緩みは、痛みがなくても起きている場合があります。

インプラントのメンテナンスはいつまで続けるの?

インプラントのメンテナンスは、インプラントを使用している間は継続して必要です。治療後の年数や保証期間が終わったことを理由に、管理が不要になるわけではありません。

インプラントを使っている間は、継続して管理します。

メンテナンスに「何年で終了」という決まりはありません。

治療後すぐの時期は、手術部位の治癒やセルフケアの確認が中心です。数年経過したあとは、歯茎や骨だけでなく、被せ物の摩耗、ネジの緩み、噛み合わせの変化なども確認します。

長期間問題なく使えているインプラントでも、年齢、持病、服用薬、手先の動かしやすさなどが変化すると、自宅での清掃状態も変わることがあります。

「長く使えているから、もう通わなくてよい」ではなく、長く使えている状態を維持するためにメンテナンスを続けるという考え方が大切です。米国歯周病学会も、インプラントの機能を維持するため、継続的な自宅ケアと定期受診が必要だと案内しています。

歯科医院のメンテナンスでは何をするの?

歯科医院では、歯茎の炎症、歯垢・歯石、被せ物やネジ、噛み合わせ、周囲の骨、天然歯などを確認します。必要に応じて専門的な清掃やレントゲン撮影を行い、自宅で使う清掃器具も見直します。

清掃だけでなく、歯茎・骨・部品・噛み合わせを確認します。

メンテナンスの内容は、インプラントの本数や形、歯茎の状態、治療後の経過によって異なります。

歯科医院で行う主なメンテナンス内容をまとめました。
毎回すべての検査を行うとは限らず、前回までの記録や現在の症状に応じて必要な内容を選びます。

メンテナンス内容 確認する目的
問診 痛み、違和感、体調、服用薬、生活習慣の変化を確認する
歯茎の検査 赤み、腫れ、出血、膿、溝の深さを確認する
歯垢・歯石の確認 炎症の原因となる汚れの付着場所を把握する
被せ物・ネジの確認 緩み、欠け、ひび、摩耗、動きがないか調べる
噛み合わせの確認 インプラントへ過度な力が集中していないか確認する
レントゲン検査 必要に応じてインプラント周囲の骨の変化を確認する
専門的な清掃 自宅では除去しにくい歯垢・歯石・着色などを取り除く
セルフケア指導 インプラントの形に合う道具と磨き方へ調整する
天然歯の検査 虫歯や歯周病、歯の動きなどを確認する

レントゲンは、メンテナンスのたびに必ず撮影するとは限りません。治療直後の記録、歯茎の検査結果、症状、経過年数などを踏まえて必要性を判断します。

専門的な清掃でも、全員に同じ器具や方法を使うわけではありません。インプラントや被せ物の表面をできるだけ傷つけないよう、付着している汚れや材質に合わせて器具を選びます。

自宅ではどのようにインプラントをケアするの?

自宅ケアでは、歯と歯茎の境目に歯ブラシを当て、歯間ブラシや糸ようじ、タフトブラシなどを必要に応じて使います。洗口液や口腔洗浄器は補助であり、歯垢を直接取り除く歯磨きの代わりにはなりません。

歯ブラシを基本に、インプラントの形に合う補助器具を組み合わせます。

1. 歯と歯茎の境目を丁寧に磨く

インプラント周囲の歯茎を守るには、被せ物と歯茎の境目へ歯ブラシの毛先を当てることが大切です。

強くこすると歯茎を傷つける可能性があるため、軽い力で小刻みに動かします。

2. 歯間ブラシを使う

歯間ブラシは、インプラントと隣の歯の間や、連結された被せ物の周囲を清掃するために使用します。

細すぎると汚れを十分に取れず、太すぎると歯茎を傷つけることがあります。歯科医院で適切なサイズを確認しましょう。

3. 糸ようじやスーパーフロスを使う

歯と歯の間が狭い場合は、糸ようじを使います。

ブリッジ型の被せ物やオールオン4などでは、人工歯の下へ通しやすいスーパーフロスなどを使う場合があります。

4. タフトブラシを使う

毛束が小さいタフトブラシは、奥側や被せ物の境目など、普通の歯ブラシでは届きにくい部分へ当てやすい道具です。

ただし、タフトブラシだけでお口全体を清掃するのではなく、通常の歯ブラシと組み合わせます。

5. 口腔洗浄器は補助として使う

水流を利用する口腔洗浄器は、人工歯の下などに残った食べかすを流す目的で役立つ場合があります。

ただし、歯に付着した歯垢をすべて水流だけで除去できるわけではありません。歯ブラシや歯間清掃器具を基本にし、補助として使います。

5. 洗口液だけに頼らない

洗口液を使っても、インプラント表面へ付着した歯垢を十分に取り除くことはできません。洗口液は、歯科医師や歯科衛生士の指示に応じて補助的に使用します。

セルフケアで大切なのは、高価な道具をそろえることではなく、インプラントの形に合った道具を、必要な場所へ正しく使うことです。

単独インプラントとオールオン4では磨き方が違うの?

1本だけのインプラントと、複数の人工歯が連結されたブリッジ型のインプラント、オールオン4では、汚れが残りやすい場所が異なります。治療方法に合わせて、歯間ブラシやスーパーフロスなどを使い分けます。

被せ物の形によって、必要な清掃器具が異なります。

単独インプラントの場合

1本のインプラントが独立している場合は、通常の歯ブラシに加えて、隣の歯との間を糸ようじや歯間ブラシで清掃します。被せ物と歯茎の境目へ、歯ブラシの毛先を丁寧に当てることが重要です。

複数の被せ物が連結されている場合

複数の人工歯が連結されている場合は、被せ物同士の間へ通常の糸ようじを上から通せないことがあります。

そのような場合は、歯間ブラシやスーパーフロスなどを使って、人工歯の下やインプラント周囲を清掃します。

オールオン4の場合

オールオン4では、複数の人工歯が一体化した固定式の人工歯列を使用します。

人工歯列の裏側や、人工歯と歯茎の境目に食べかすや歯垢が残ることがあります。歯ブラシに加えて、タフトブラシ、スーパーフロス、歯間ブラシ、口腔洗浄器などを、人工歯列の形に合わせて使います。

どの器具が必要かは、インプラントの本数だけでは決まりません。被せ物と歯茎の間隔、清掃する場所、手先の動かしやすさなども考慮します。

インプラントの長期生存率はどれくらいなの?

厚生労働省委託事業の資料では、部分欠損および全部欠損症例における10~15年の累積生存率は、上顎で約90%、下顎で約94%とされています。ただし、生存率と成功率は同じではなく、メンテナンスの有無だけを比較した数値でもありません。

長期生存率は高い傾向がありますが、良好な状態を保つ管理が必要です。

インプラントは、適切な診断と治療が行われ、その後も良好な状態を維持できれば、長期間機能する可能性があります。

厚生労働省委託事業「歯科保健医療情報収集等事業」の『歯科インプラント治療のためのQ&A』では、部分欠損および全部欠損症例における**10~15年の累積生存率は、上顎で約90%、下顎で約94%**とされています。また、抜歯と同時にインプラントを埋入した場合や、骨移植を伴った場合では87~92%程度と記載されています。

ただし、この数値を理解する際には注意が必要です。

生存率と成功率は同じではない

「生存率」は、インプラントが口の中に残って機能している割合を示すものです。

一方、「成功」には、痛みや感染がないこと、動揺がないこと、周囲の骨が安定していること、患者さんと歯科医師が治療結果に満足していることなど、より幅広い条件が含まれます。厚生労働省委託事業の資料も、インプラントの寿命・生存率と成功率は異なることを明記しています。

メンテナンスを受けた人だけの数値ではない

上顎約90%、下顎約94%という数値は、メンテナンスを受けた人と受けなかった人を直接比較した数字ではありません。

治療部位、骨の状態、治療方法、喫煙、歯周病歴、全身状態などによっても結果は変わります。そのため、この数値だけを根拠に「メンテナンスをしなくても長期間使える」と考えることはできません。

残っていても問題がないとは限らない

インプラントが口の中に残っていても、

  • 歯茎に炎症がある
  • 被せ物が欠けている
  • ネジが緩んでいる
  • 噛み合わせに偏りがある
  • 清掃しにくくなっている

といった問題が起きている可能性があります。

メンテナンスの目的は、インプラントを単に口の中へ残すことではありません。歯茎や骨、被せ物、噛み合わせを含め、できるだけ良好な状態で使い続けられるよう管理することです。

インプラントのメンテナンスを続けるメリットとは?

メンテナンスを続けると、インプラント周囲の炎症や被せ物、ネジ、噛み合わせの異常を早く見つけやすくなります。残っている天然歯も同時に管理でき、大きな再治療を避けられる可能性があります。

問題を小さい段階で見つけ、インプラントと天然歯を守りやすくなります。

メンテナンスを継続する主なメリットは、次のとおりです。

1. インプラント周囲の炎症を早く発見できる

  • 歯茎の出血やわずかな腫れなど、本人が気づきにくい変化を確認できます。
  • 骨への影響がみられない段階で対応できれば、清掃方法の見直しや専門的なクリーニングで炎症の軽減を目指せる場合があります。

2. 被せ物やネジの異常に早く対応できる

  • 被せ物がわずかに動いている、固定用ネジが緩んでいるといった変化を早く見つけられれば、部品が大きく破損する前に対応できる可能性があります。

3. 噛み合わせを調整できる

  • 周囲の天然歯は年月とともに動いたり、すり減ったりします。
  • 定期的に噛み合わせを確認することで、インプラントだけに強い力が集中するのを防ぎやすくなります。

4. 残っている天然歯も守れる

  • メンテナンスでは、インプラントだけでなく天然歯の虫歯や歯周病も確認します。
  • インプラントが安定していても、ほかの歯を失うと噛み合わせが変化するため、お口全体の管理が重要です。

5. セルフケアを見直せる

  • 同じ歯磨き方法を続けていても、年齢や歯茎の変化によって磨き残しが増えることがあります。
  • メンテナンスでは、現在の状態に合わせて歯間ブラシのサイズや器具の使い方を調整します。

これらのメリットは、「メンテナンスを受ければインプラントが絶対に長持ちする」という意味ではありません。起こり得る問題を早く見つけ、できるだけ小さな段階で対応することに価値があります。

インプラントのメンテナンス費用はいくらかかるの?

メンテナンス費用は、歯科医院、インプラントの本数、検査やクリーニングの内容、レントゲン撮影の有無などによって異なります。インプラントの定期管理は自由診療になる場合があるため、事前に費用と保証条件を確認しましょう。

費用は一律ではなく、検査・処置内容によって変わります。

インプラントのメンテナンス費用には、次のような内容が含まれる場合があります。

  • 診察と問診
  • 歯茎の検査
  • 歯垢・歯石の確認
  • 専門的な清掃
  • 噛み合わせの確認
  • 被せ物やネジの確認
  • レントゲン撮影
  • セルフケア指導
  • 天然歯の検査

費用は、インプラントの本数や治療方法によっても変わります。

1本の単独インプラントと、複数の被せ物が連結されたケース、オールオン4では、確認する範囲や清掃方法が異なるためです。

インプラントのメンテナンスは自由診療として行われることがあります。梅田クローバー歯科で実際に公開する際は、医院の料金体系に合わせて具体的な金額を記載してください。

メンテナンスにはどれくらいの時間がかかるの?

メンテナンスの所要時間は、インプラントの本数、歯垢や歯石の量、炎症の有無、検査内容などによって異なります。問題がなければ短時間で終わる場合もありますが、詳しい検査や調整が必要な場合は時間がかかります。

本数とお口の状態、当日の処置内容によって変わります。

メンテナンスでは、毎回同じ処置を行うわけではありません。

歯茎の状態が安定しており、歯垢も少ない場合は、検査と清掃、歯磨き方法の確認が中心になります。

一方、次のような場合は時間が長くなることがあります。

  • 多数のインプラントが入っている
  • オールオン4を使用している
  • 歯垢や歯石が多い
  • 歯茎に出血や腫れがある
  • 被せ物やネジの確認が必要
  • 噛み合わせの調整が必要
  • レントゲン撮影を行う
  • 天然歯の治療が必要

予約時に所要時間を確認しておくと、予定を立てやすくなります。

保証を受けるにはメンテナンスが必要なの?

インプラントの保証制度では、指定された間隔でメンテナンスを受けることが条件になっている場合があります。保証期間だけでなく、対象となる部品、免責事項、転院時の扱いなども治療前に確認しましょう。

定期通院が保証の条件になっている場合があります。

インプラントの保証内容は、歯科医院によって異なります。

保証を受ける条件として、次のような項目が定められている場合があります。

  • 指定された間隔でメンテナンスを受ける
  • 歯科医師から指示されたセルフケアを行う
  • 喫煙や全身疾患について正確に申告する
  • 必要に応じてナイトガードを使用する
  • 他院で無断の修理を行わない
  • トラブルが起きた場合は早めに連絡する

「10年保証」などと書かれていても、すべてのトラブルが無条件で無料になるとは限りません。

治療前には、次の点を確認しましょう。

  1. 保証期間
  2. インプラント体と被せ物の保証期間
  3. 修理費用の負担割合
  4. メンテナンスの通院条件
  5. 喫煙や事故に関する免責事項
  6. 転居・転院した場合の扱い

治療した歯科医院へ通えなくなった場合はどうするの?

転居や生活環境の変化によって治療した医院へ通えなくなった場合でも、ほかの歯科医院でメンテナンスを受けられることがあります。使用したインプラントのメーカーや製品名、治療記録を引き継ぐことが重要です。

治療情報を準備し、対応可能な歯科医院へ相談しましょう。

インプラント治療を受けた医院へ通い続けることが望ましい場合もありますが、転居や介護、仕事などの事情で通院が難しくなることがあります。

その場合は、次の資料を準備すると引き継ぎがスムーズです。

  • インプラントカード
  • 使用したメーカーや製品名
  • インプラント体の長さや太さ
  • 手術を受けた時期
  • 治療した歯の位置
  • 過去のレントゲン
  • 治療経過の記録
  • 保証書

インプラントは、メーカーや製品によって接続部分や専用器具が異なります。そのため、製品情報は修理や部品交換の際にも役立ちます。転院前には、元の医院へ治療記録の提供が可能か相談しましょう。また、転院によって元の保証が継続されるかどうかも確認が必要です。

メンテナンスを長期間休んでしまったらどうすればいいの?

長期間メンテナンスを受けていなくても、受診をためらう必要はありません。痛みがなくても、歯茎、骨、被せ物、ネジ、噛み合わせを確認してもらい、現在の状態から管理を再開しましょう。

休んでしまったことを気にせず、現在の状態を確認してもらいましょう。

仕事、介護、育児、転居、体調不良などによって、予定どおり通院できないことはあります。

「長く通っていないので怒られるのではないか」「今さら診てもらいにくい」と感じる方もいるでしょう。しかし、通院できなかった期間を責めることより、現在の状態を確認して管理を再開することの方が重要です。

受診時には、次のことを伝えてください。

  • 最後にメンテナンスを受けた時期
  • 痛みや出血の有無
  • 被せ物が動く感じがないか
  • 噛みにくさがないか
  • 持病や服用薬の変化
  • 喫煙状況の変化
  • 他院で処置を受けたか

痛みがなくても、歯茎の炎症やネジの緩みが起きている場合があります。早く再開するほど、小さな変化の段階で対応できる可能性が高まります。

どんな症状があれば予約日を待たずに受診した方がいいの?

歯茎からの出血、腫れ、膿、被せ物の動き、噛んだときの痛みなどがある場合は、次回の定期予約を待たずに歯科医院へ連絡しましょう。特に、急な動揺や強い腫れは早めの確認が必要です。

出血・膿・動き・痛みがある場合は、早めに相談してください。

次の症状は、インプラント周囲の炎症や部品の異常などを示している可能性があります。
症状が軽くても、繰り返す場合や数日続く場合は歯科医院へ相談しましょう。

症状 考えられる問題 対応
歯茎から血が出る インプラント周囲の炎症 続く場合は早めに相談する
歯茎が赤い・腫れている 周囲粘膜炎や感染 早めに受診する
歯茎から膿が出る インプラント周囲炎など 速やかに受診する
被せ物が動く ネジの緩み・部品の破損 強く噛まず歯科医院へ連絡する
噛むと痛い 炎症・噛み合わせ・部品の問題 早めに確認してもらう
ネジ穴の詰め物が取れた 固定部分の確認が必要 自分で接着せず受診する
急に噛みにくくなった 被せ物や噛み合わせの変化 早めに歯科医院へ相談する
口臭が急に強くなった 汚れの停滞や炎症 原因を確認してもらう

被せ物が動く場合は、そのまま強く噛み続けないでください。小さなネジの緩みでも、放置すると部品が破損する可能性があります。取れた部品を市販の接着剤で付けることも避けましょう。修理が難しくなったり、歯茎へ悪影響を与えたりするおそれがあります。

まとめ

インプラント体は虫歯になりませんが、周囲の歯茎や骨には炎症が起こる可能性があります。また、被せ物や固定用ネジ、噛み合わせにも変化が起こるため、毎日のセルフケアと歯科医院での定期的なメンテナンスが必要です。

インプラントを良好な状態で使い続けるには、治療後の継続管理が欠かせません。

インプラント治療後のメンテナンスが必要な理由は、次のとおりです。

  1. インプラント周囲の歯茎の炎症を早期発見する
  2. インプラントを支える骨の状態を確認する
  3. 被せ物や固定用ネジの緩み・破損を確認する
  4. 噛み合わせの変化を見つける
  5. 自宅で取りきれない汚れを除去する
  6. 現在の状態に合う歯磨き方法へ見直す
  7. 残っている天然歯も一緒に守る

厚生労働省委託事業の資料では、部分欠損および全部欠損症例における10~15年の累積生存率は、上顎で約90%、下顎で約94%とされています。

詳しくはこちら:歯科インプラント治療のための Q&A(厚生労働省委託事業「歯科保健医療情報収集等事業)

ただし、この数値はメンテナンスの有無だけを比較したものではなく、生存率と成功率も同じではありません。

インプラントが口の中に残っているだけでなく、歯茎や骨、被せ物、噛み合わせをできるだけ良好な状態に保つことが大切です。

自宅では、歯ブラシを基本に、歯間ブラシ、糸ようじ、タフトブラシなどをインプラントの形に合わせて使います。洗口液や口腔洗浄器は補助として活用しましょう。

メンテナンスを長期間休んでいても、受診をためらう必要はありません。痛みがない場合も、現在の状態を確認し、できるところから管理を再開しましょう。

関連ページ:梅田クローバー歯科のインプラント治療

この記事の監修者
医療法人真摯会 梅田クローバー歯科クリニック
院長 久野 喬

2014年 松本歯科大学卒業卒業。日本障害者歯科学会 認定医。ACLS講習終了。日本口腔インプラント学会。日本小児歯科学会。日本接触嚥下リハビリテーション学会。

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梅田クローバー歯科クリニック

大阪矯正歯科グループ大阪インプラント総合クリニック

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