歯と口のトラブル

口の中がネバネバするのはどうして?

口の中がネバネバするのはどうして?

口の中がネバネバする状態が続くと、日常生活においてストレスを感じさせるだけでなく、お口の健康にも影響を与えることがあります。口の中がネバネバする原因とその対策についてご説明します。

口の中がネバネバする原因

1. 口腔内の乾燥

お口の中が乾燥すると、唾液の分泌が減少し、ネバネバ感を引き起こします。口腔内の乾燥は、次のような要因によって引き起こされます。

  • 口呼吸・・寝ている間に口で呼吸することが多い人は、口の中が乾燥しやすくなります。朝起きた時に喉が痛い場合は、就寝中に口呼吸になっている可能性があります。
  • 空気の乾燥・・空気が乾燥した環境にいると、口の中も乾燥しやすくなります。
  • 水分の摂取不足・・日常的に水分を十分に摂取しないと、唾液の分泌が減少します。

2. 唾液の性質の変化

唾液の性質が変わることも、口の中がネバネバする原因の一つです。唾液は通常、さらさらとした液体ですが、以下のような場合に粘性が高くなることがあります。

  • ストレス・・ストレスがかかると、唾液の分泌量が減少し、粘性が増します。
  • ホルモンの変動・・特に女性は、ホルモンバランスの変化によって唾液の性状が変わることがあります。

3. 食生活の影響

食生活も口の中のネバネバ感に大きく影響します。特に次のような食品を多く摂取することで、唾液の粘性が高くなることがあります。

  • 糖分の多い食品・・糖分を多く含む食品は、口腔内の細菌の繁殖を促し、唾液の粘性が増します。
  • アルコール・・アルコールは体内の水分を奪い、お口の中の乾燥を引き起こします。

4. 薬の副作用

いくつかの薬には、副作用として口の中の乾燥を引き起こします。特に次のような薬剤が影響を及ぼします。

  • 抗ヒスタミン薬・・アレルギー治療薬として使われることが多い抗ヒスタミン薬は、口の中の乾燥を引き起こすことがあります。
  • 降圧薬・・高血圧の治療に使われる薬も、唾液の分泌を減少させることがあります。

5. 病気や健康状態の影響

口の中のネバネバ感は、特定の病気や健康状態によっても引き起こされます。

  • 糖尿病・・糖尿病患者は、唾液の分泌が減少しやすく、口の中が乾燥しがちです。
  • シェーグレン症候群・・自己免疫疾患の一種であるシェーグレン症候群は、唾液腺を攻撃し、唾液の分泌を減少させます。

口の中のネバネバ感を軽減する方法

1. 水分補給

十分な水分を摂取することは、口の中の乾燥を防ぎ、ネバネバ感を軽減するために非常に重要です。

  • 定期的な水分補給・・1日あたり1.5リットル以上の水を目安に、こまめに水分を摂取しましょう。
  • アルコールやカフェインの制限・・アルコールやカフェインは利尿作用があり、体内の水分を奪いやすいので、摂取を控えることが望ましいです。

2. 唾液の分泌を促進する食品

唾液の分泌を促進する食品を摂取することで、口の中のネバネバ感を軽減することができます。

  • 酸味のある食品・・レモンや梅干しなど、酸味のある食品は唾液の分泌を促進します。
  • ガムや飴・・無糖のガムや飴を噛むことで、唾液の分泌を促すことができます。

3. 適切な口腔ケア

口腔内の清潔を保つことは、ネバネバ感を軽減するために不可欠です。

  • 定期的な歯磨き・・朝晩の歯磨きに加え、食後も歯を磨くことを心掛けましょう。
  • デンタルリンスの使用・・デンタルリンスを使用することで、口腔内を清潔に保ち、唾液の分泌を促進することができます。

4. 定期的な歯科健診

定期的に歯科健診を受けることで、口腔内の健康状態をチェックし、早期に問題を発見することができます。

予防策と生活習慣の改善

1. バランスの良い食事

バランスの良い食事を心掛けることで、全体的な健康状態を改善し、口の中のネバネバ感を予防することができます。

  • ビタミンとミネラルの摂取・・ビタミンA、C、Eなどの抗酸化物質を多く含む食品を摂取しましょう。
  • 適度な糖分制限・・過剰な糖分摂取を控えることで、口腔内の細菌繁殖を抑制できます。

2. ストレス管理

ストレスは唾液の分泌に影響を与えるため、適切なストレス管理が重要です。

  • リラクゼーション法・・ヨガや瞑想などのリラクゼーション法を取り入れ、日常的にリラックスする時間を作りましょう。
  • 十分な睡眠・・良質な睡眠を確保することで、ストレスを軽減し、健康を維持できます。

3. 禁煙・節酒

タバコやアルコールは口腔内の健康に悪影響を及ぼすため、禁煙や節酒が推奨されます。

  • 禁煙プログラム・・禁煙をサポートするプログラムやカウンセリングを利用しましょう。
  • 適度なアルコール摂取・・アルコールの摂取量を控えめにし、口腔内の乾燥を防ぎます。

専門家に相談するタイミング

1. 口腔内の異常が続く場合

口の中のネバネバ感が続く場合や、他にも異常が感じられる場合は、早めに専門家に相談しましょう

  • 持続的な乾燥・・持続的な口腔内の乾燥は、感染症や他の健康問題が原因である可能性があります。
  • 他の症状・・口臭や口内炎など、他の疾患や症状を併発している場合も専門家の診断が必要です。

2. 自己管理で改善しない場合

自己管理で改善が見られない場合は、専門家による診断と治療が必要です。

  • 薬剤の副作用の可能性・・現在服用している薬剤の副作用として口の中の乾燥がある場合、医師に相談して薬剤の調整を検討しましょう。
  • 健康状態のチェック・・糖尿病やシェーグレン症候群など、根本的な健康状態の問題がある場合は、適切な治療が求められます。

まとめ

口の中がネバネバする原因と対策は以上のようなものです。
日常生活で実践できる対策を取り入れることで、口の中のネバネバ感を軽減し、快適な口腔環境を維持することができます。また、症状が続く場合は、早めに専門家に相談することをおすすめします。

この記事の監修者
医療法人真摯会 梅田クローバー歯科クリニック
院長 久野 喬

2014年 松本歯科大学卒業卒業。日本障害者歯科学会 認定医。ACLS講習終了。日本口腔インプラント学会。日本小児歯科学会。日本接触嚥下リハビリテーション学会。

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梅田クローバー歯科クリニック

大阪矯正歯科グループ大阪インプラント総合クリニック