歯と口のトラブル

歯ぎしりは歯にどんな影響があるの?

歯ぎしりの歯への影響

歯ぎしりは歯並びに深刻な影響を及ぼす可能性があります。多くの人が無意識のうちに行っているこの行為は、睡眠中や日中のストレスが原因で発生し、顎の痛みや歯の損傷を引き起こすことがあります。歯ぎしりが歯並びに与える影響と、その対策方法についてご説明します。

歯ぎしりとは?

男性

歯ぎしりは、睡眠中や日中に無意識で歯をこすり合わせたり、強く噛みしめたりする行為を指します。歯ぎしりは多くの人々に見られる行為で、ご本人は気づいておらず、歯科医院で指摘されて初めて知るというケースも多くあります。

歯ぎしりは強い力で歯を擦り合わせるため、時として顎の痛みや歯の損傷を引き起こす原因となります。歯ぎしりには様々な原因がありますが、医学的な治療方法がわかっておらず、歯を傷めない為のマウスピースなどの対症療法となります。

歯ぎしりの主な原因と要因

1. ストレスと不安

最も一般的な歯ぎしりの原因の一つは、日常生活のストレスや不安がであると考えられており、心理的な緊張が歯ぎしりを引き起こすことがあります。

2. 睡眠障害

睡眠中の呼吸障害や睡眠時無呼吸症候群などの睡眠障害も、歯ぎしりのリスクを高めることが知られています。

3. 薬剤の副作用

特定の精神刺激薬や抗うつ薬などの薬剤は、副作用として歯ぎしりを引き起こすことがあります。

4. ライフスタイル

アルコール、カフェインの摂取、喫煙は、歯ぎしりの発生を促進する可能性があります。

5. 顎関節の問題

顎関節症(TMJ)などの顎の構造的問題は、歯ぎしりを引き起こす原因となることがあります。

歯ぎしりの影響

歯ぎしりは単に騒音となるだけでなく、口腔内に以下のような様々な問題を引き起こす可能性があります。

  • 歯の摩耗・・時間とともに、歯ぎしりは歯のエナメル質を摩耗させ、知覚過敏を起こしたり、感染や虫歯のリスクを高めます。
  • 歯の破損・・強い圧力が歯にかかることで、天然歯や詰め物・被せ物が欠けたり、割れたり、緩んだりすることがあります。
  • 顎の痛みと顎関節症・・歯ぎしりは顎の筋肉に過剰なストレスをかけるため、痛みを起こしたり顎関節症の発症につながります。
  • 頭痛・・顎の筋肉の過剰な緊張は、特に朝方に頭痛を引き起こすことがあります。

歯ぎしりの対策

歯ぎしりは様々な原因によって引き起こされ、医学的には決定的な治療法がありません。そのため、ライフスタイルの変更、ストレスマネジメント、歯科医師による評価と治療が含まれます。

1. ストレスマネジメント

  • ストレスや不安が歯ぎしりの主な原因の一つと考えられているため、リラクゼーション技法(深呼吸、瞑想、ヨガなど)を実践することが効果的です。
  • 心理的なサポートやカウンセリングを受けることも、ストレスを軽減し歯ぎしりを減らすのに役立ちます。

2. 良い睡眠習慣の確立

  • 規則正しい睡眠スケジュールを保ち、睡眠環境を改善する(静かで快適な寝室を確保するなど)ことが重要です。
  • カフェインやアルコールの摂取を控え、就寝前に入浴などのリラックスタイムを設けることが推奨されます。

3. ナイトガードの使用

  • ナイトガードは夜間につけるマウスピースで、睡眠中の歯ぎしりを防ぎ、歯と顎にかかる圧力を軽減します。
  • 最適なフィット感と効果を得るためには、歯科医院で作成したカスタムメイドのものを選ぶことが望ましいです。※ナイトガードは保険適用です。

4. 筋肉のリラクゼーション

  • 顎の筋肉をリラックスさせるために、温湿布やマッサージを試すことが有効です。
  • 顎のストレッチや運動も、筋肉の緊張を和らげるのに役立ちます。

5. 顎関節の問題への対処

  • 顎関節症や他の顎の問題が歯ぎしりの原因である場合、専門家による治療が必要になることがあります。

6. 生活習慣の見直し

  • カフェインやアルコールの摂取を控える、禁煙するなど、生活習慣の改善が歯ぎしりの軽減に繋がることがあります。
  • 健康的な食事と適度な運動も、全体的なストレスレベルを下げ、歯ぎしりを減少させるのに役立ちます。

歯ぎしりの歯への影響に関するQ&A

歯ぎしりの原因にはどのようなものがあるか?

歯ぎしりの原因には、日常生活におけるストレスや不安、睡眠障害、薬剤の副作用、ライフスタイルの問題(アルコール、カフェインの摂取や喫煙)、そして顎関節の問題などがあります。これらの要因は、人々が無意識のうちに歯をこすり合わせたり、強く噛みしめたりする動作を引き起こし、睡眠中やストレスを感じる瞬間に発生することが多いです。

歯ぎしりが歯に及ぼす影響とは?

歯ぎしりは、強い力で歯をこすり合わせるため、歯のエナメル質の摩耗、歯の破損(欠け、割れ、緩み)、顎の痛みや顎関節症の発症、そして頭痛を引き起こす可能性があります。これらの問題は、歯並びに深刻な影響を及ぼし、長期的には歯の健康や機能に悪影響を及ぼす可能性があります。

歯ぎしりの対策方法にはどのようなものがあるか?

歯ぎしりの対策には、ストレスマネジメント、良い睡眠習慣の確立、ナイトガードの使用、筋肉のリラクゼーション、顎関節の問題への対処、および生活習慣の見直しが含まれます。これらの対策は、歯ぎしりを減少させ、歯や顎にかかる圧力を軽減し、関連する症状を緩和するのに役立ちます。

まとめ

歯ぎしりは歯並びに様々な影響を及ぼす可能性があることが明らかになり、単なる癖として片付けることが出来なくなりました。歯の摩耗から顎関節症に至るまで、その影響は広範囲にわたるため、ストレス管理やナイトガードの使用などの有効な対策で大切な歯を守りましょう。

この記事の監修者
医療法人真摯会 梅田クローバー歯科クリニック
院長 久野 喬

2014年 松本歯科大学卒業卒業。日本障害者歯科学会 認定医。ACLS講習終了。日本口腔インプラント学会。日本小児歯科学会。日本接触嚥下リハビリテーション学会。

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梅田クローバー歯科クリニック

大阪矯正歯科グループ大阪インプラント総合クリニック