歯と口のトラブル

歯の黄ばみや変色はどうして起こるの?

歯の黄ばみや変色はどうして起こるの?

歯の黄ばみや着色汚れなどの変色を気にしている方は多くおられます。歯はどうして黄色くなってしまうのか、白くするにはどうすればいいのか、ご説明します。

加齢による歯の黄ばみや変色とは?

歯の表面を覆っているエナメル質は半透明で、エナメル質の更に奥にある象牙質の黄色っぽい色が透けて見えている状態です。

加齢によってエナメル質がすり減って薄くなり、また内部の象牙質は逆にだんだん厚くなっていくため、シニアになると若い頃よりも歯が黄色っぽく見えるようになります。

加齢以外の歯の黄ばみ、着色汚れの原因

加齢以外にも歯が黄色っぽくなる原因はいくつかあります。歯の変色の原因は、大きくわけると外因性と内因性の2種類があります。

外因性変色

歯に着色が起こる原因の代表的なものがステインです。ステインとは私たちが飲食する食べ物に含まれているポリフェノールという植物由来の抗酸化物質が、唾液に含まれるタンパク質と結合することで発生する汚れのことです。

食べ物ではカレーやミートソースなど、飲み物ではコーヒー、紅茶、赤ワインなどにポリフェノールが含まれており、それらを摂取するとステインが歯につきやすくなります。

食物以外ではたばこのヤニも歯が着色する原因になります。ポリフェノールやたばこのヤニで着色されてしまった歯は、クリーニングによって歯を本来の色に戻すことができます。ただし、クリーニングで落とせるのは歯の表面の汚れだけで、歯の内部の汚れはクリーニングで落とすことは出来ません。

内因性変色

内因性の汚れは、子供の頃に服用した抗生物質の副作用によって起こるものや、エナメル質形成不全、神経を除去した歯の変色、加齢による黄ばみ、などさまざまな種類があります。

テトラサイクリン系抗生物質による変色

歯の形成期(0~12歳頃)にテトラサイクリン系抗生物質を大量に摂取すると、副作用として歯の変色が起こります。

歯に縞模様があったり、歯の色が灰色がかったりするのが特徴で、テトラサイクリンが象牙質のカルシウムと結合して象牙質に沈着することによって歯が変色します。

エナメル質形成不全によるもの

エナメル質形成不全症とは、歯の表面のエナメル質がうまく成長せずに歯にくぼみや欠けた部分があったり、エナメル質の下の象牙質が露出して歯が黄色く見えたりする状態の事です。

エナメル質形成不全は乳歯にも永久歯にも起こりますが、乳歯にエナメル質形成不全が起こったからといって永久歯にも起こるというわけではありません。奥歯の場合は虫歯になりやすいのでしっかり虫歯予防する必要があります。

神経を除去した歯の変色

神経が死んでしまった歯は黒く変色することがあります。神経が死んでしまうのは、虫歯の進行以外に、歯を何かにぶつけたり、転んだときに歯を打ったりと、大きな力が加わったことで神経が死ぬことがあります。

歯の神経が生きている間は、歯に血液が循環します。しかし神経が死ぬと歯に血液が運ばれませんので、古い血液成分や組織の代謝が行われなくなり、古いコラーゲン様物質が歯の象牙質の象牙細管という細い管にたまっていき、時間が経つと変色していきます。

神経を取る治療が成功し、痛みもないのに色が変わってくるということもあります。

黄ばみが気になる歯を白くするには?

外因性変色は歯のクリーニングとホワイトニング

外因性変色は歯が汚れているだけなので、歯科医院で歯のクリーニングを受ければ着色汚れが取れて本来の色に戻ります。元々の歯の色にもよりますが、お若い方ならクリーニングだけで歯が白くなったことを実感される方が多いです。それ以上に白くしたい場合は、ホワイトニングをおすすめします。

外因性変色はラミネートベニアやセラミッククラウンで治療する

歯の表面の汚れとは違い、歯のクリーニングやホワイトニングで白くなることは殆どありません。そこで、前歯の表面を薄く削ってセラミックのチップを貼り付ける「ラミネートベニア」や、歯を削って被せ物をつける「セラミッククラウン」がおすすめの治療ということになります。

歯の色は皮膚の色と同じように一人ひとり微妙に違います。セラミックの歯をつける場合は、あまり白すぎる歯は人工的な見た目になり、肌の色を黒く見せてしまいますので、注意が必要です。

歯の黄ばみや変色が起こる理由に関するQ&A

外因性変色を防ぐためにはどのような食事習慣が良いですか?

外因性変色は、飲食物やタバコの影響による歯の汚れが原因で起こります。外因性変色を防ぐためには、ステインを含む食べ物や飲み物の摂取を控えることが重要です。特に、カレー、コーヒー、紅茶、赤ワインなどは歯に着色しやすいので、摂取後には口をすすいで歯を磨くことが有効です。

加齢による黄ばみを防ぐ方法はありますか?

加齢による黄ばみを完全に防ぐことは難しいですが、予防策としては定期的な歯のクリーニングやホワイトニングを行うことで、外因性変色を抑えることができます。また、歯を傷つけないような適切な歯磨きや口腔ケアを心掛けることも重要です。

内因性変色による黄ばみを改善する方法はありますか?

内因性変色は、抗生物質の副作用やエナメル質形成不全などが原因で、歯の内部に色素が沈着しているため、表面のクリーニングやホワイトニングだけでは改善が難しい場合があります。内因性変色を改善するには、ラミネートベニアやセラミッククラウンなどの審美治療が選択肢として考えられます。

まとめ

歯のキャラクター

歯を白くするための方法は、歯が黄ばんでしまった原因によって変わります。まず歯の定期健診で黄ばみの原因を探り、歯科医師や歯科衛生士と対処方法を相談されることをおすすめします。

この記事の監修者
医療法人真摯会 梅田クローバー歯科クリニック
院長 久野 喬

2014年 松本歯科大学卒業卒業。日本障害者歯科学会 認定医。ACLS講習終了。日本口腔インプラント学会。日本小児歯科学会。日本接触嚥下リハビリテーション学会。

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梅田クローバー歯科クリニック

大阪矯正歯科グループ大阪インプラント総合クリニック