
入れ歯は天然の歯と同様に毎日のメンテナンスが必要です。入れ歯の洗浄をサボったり、着け心地の悪いまま過ごしていると、義歯性口内炎を起こすことがあります。義歯性口内炎についてご説明します。
義歯性口内炎の2つの原因
入れ歯を洗わずにずっと装着し続けたり、歯茎に合っていない状態で使い続けることが義歯性口内炎の原因になります。それぞれ詳しくご説明します。
入れ歯の不具合でお口の粘膜が傷つき炎症を起こす
1つ目はお口の粘膜が入れ歯によって圧迫されたり擦れたりして痛いのを我慢して入れ歯を使い続けたケースです。入れ歯の形が歯茎に合っていないため、常に歯茎が痛い状態になって粘膜が炎症を起こし、発赤や炎症が起こり、潰瘍が出来てしまう場合もあります。
原因は入れ歯がきちんと調整されていないためにお口に合っていないためです。食べ物を噛むときに歯にかかる力が歯茎全体に分散されず、ある部分にだけ強い力がかかっていたり、入れ歯と歯茎の間に隙間があってぴったりとついていない場合などがあります。
入れ歯は歯茎に密着するように調整することが必要で、一度調整して歯茎にぴったり合うようになっても、時間がたって歯茎がやせてきて入れ歯が歯茎に合わなくなることがあります。入れ歯が合わないと感じた時が調整のタイミングとなります。
入れ歯の清掃が不十分で真菌が増殖して炎症を起こす
2つ目のケースは、入れ歯の裏側に歯垢(プラーク)がつき、歯垢の中にそこにカンジダという真菌が増殖して、口内炎を引き起こす場合です。
このケースを予防するためには入れ歯の毎食後の洗浄が有効です。もちろん入れ歯だけでなく歯もしっかりとブラッシングして口腔内を清潔に保ちましょう。
入れ歯のお手入れ時にチェックしましょう
- 入れ歯が当たる部分の歯ぐきが赤くなっていないか
- 部分入れ歯のバネをかけている歯に異常はないか
- 口臭はしないか
- 入れ歯が変形したり傷ついていないか
入れ歯のお手入れ方法
入れ歯を外したら、流水の下でブラシで擦って汚れを落としましょう。見た目ではわかりにくいですが、歯と歯の間やバネの部分には汚れがたまりやすく細菌が棲みつきやすいので、よく磨いて清潔にしましょう。
ブラシで洗っただけではカンジタ菌を全て落とすことが出来ないため、入れ歯のにおいが気になるときは出来るだけ毎日入れ歯洗浄液に浸けるようにすると更に効果があります。寝る時にはずして軽く洗い、入れ歯洗浄液に浸けると良いでしょう。
デンチャープラークに注意しましょう
入れ歯のお手入れは楽だと思われますか?実は入れ歯のお手入れは天然の歯と同じように行う必要があります。
入れ歯をずっとつけたままの方が入れ歯を外してみると、裏側に食べかすがついたままになっていて臭っていたり、入れ歯が直接当たる部分の歯肉が赤く腫れていたりすることもあります。
入れ歯による炎症を、義歯性口内炎といいますが、これは食べ物のかすに細菌が繁殖したもの(デンチャープラーク)が原因です。デンチャープラークの中にはカンジダという真菌(カビ)が棲みついて炎症や腫れや出血を起こします。
このデンチャープラークは毎日入れ歯を外してきれいに洗い、入れ歯洗浄剤を併用することで改善します。
義歯性口内炎の予防や治療
に関するQ&A
義歯性口内炎は、入れ歯を使用することによって口内に発生する炎症や潰瘍の状態を指します。主な原因は入れ歯の不具合によるお口の粘膜の傷つきと、入れ歯の清掃不足による真菌の増殖です。
[義歯性口内炎を予防するためには、定期的な入れ歯の調整が重要です。入れ歯の形を確認し、歯茎に密着するように調整してください。また、入れ歯の清掃も重要で、毎食後に洗浄し、入れ歯洗浄液を使用すると効果的です。/qa-box01]
入れ歯のお手入れ方法として、毎日入れ歯を外して流水の下でブラシで擦って汚れを落とし、細菌の繁殖を防ぎます。入れ歯洗浄液に浸けることでカンジタ菌を除去し、においの予防にも役立ちます。
まとめ

現在入れ歯を使っている方の大半に程度の差はありますが義歯性口内炎がみられるといわれています。義歯性口内炎が進行すると、歯肉の弾力が失われて入れ歯による痛みが強くなったり、刺激に対する抵抗力が落ちたりします。
食後・就寝前は、入れ歯を外してデンチャープラークを丁寧に清掃し、きれいにして清潔を保ちましょう。