口呼吸はデメリットが多いといわれるけど、楽だからやめられないという人もおられます。口を開けておけば楽に呼吸が出来るという以外、口呼吸はデメリットしかありません。詳しくご紹介いたします。
口呼吸のデメリット
口呼吸は、なぜそんなに良くないのか、鼻呼吸と口呼吸を比べてみましょう。
- 鼻呼吸よりも細菌感染のリスクが高い
- 常に口を開けなければ呼吸ができない
- 開けたままの状態にしているため、唇に締まりがなく口の中が乾燥する
- いびきをかきやすくなる
- 睡眠の質が悪くなる
- 歯並びに影響が出る
- 子供の時は特にお顔立ちへの影響が出る
鼻呼吸よりも細菌感染のリスクが高い
鼻呼吸の場合は鼻から空気が入り鼻毛がフィルターの役目をしますが、口の場合はフィルターが何もありません。口から直接気道に入ると空気中のウィルスも喉に入ってしまうため、感染症にかかる確率が鼻呼吸の方より上がります。
常に口を開けなければ呼吸ができず、乾燥してしまう
口呼吸をするためには常に口を常に開ける必要があります。口を開けたままで慣れてしまうと、唇に締まりがなくなります。また、唾液を分泌しても口呼吸の方は口腔内が乾燥してしまいます。お口の中が乾燥すると虫歯や歯周病のリスクが格段に上がり、細菌感染が進行すると口臭の原因にもなります。
いびきをかきやすくなり、睡眠の質が下がる
口呼吸をすると舌の位置が鼻呼吸の人より後方へ行ってしまいます。それにより気道が狭くなってしまい、いびきをかきやすくなります。いびきをかくと睡眠の質が悪くなってしまうため、たっぷり睡眠時間をとっても疲れを感じることがあります。
歯並びに影響が出る
口を閉じて舌を正しいスポットにつけると、子供の顎は頬や唇、舌の力で大きく成長します。ところが口を開けたままにしておくと顎は通常の大きさに発達せず、歯が生えるスペースがありません。
子供の時は特にお顔立ちへの影響が出る
子供の時に長い時間口を開けた状態にすると、口元を締める筋肉が発達しません。口を開けたままでは下方へ下顎が発達しすぎて、面長の印象になることがあります。また、大人の矯正でも口元が緩むため、しわやほうれい線の原因になります。子供の矯正を始める時期に関して詳しく知りたい方は、下記をご参照ください。
口呼吸から鼻呼吸にするためには
デメリットが目立つ口呼吸から鼻呼吸へするためには、口呼吸の原因を探ることが改善への第一歩です。
- アレルギーや鼻づまりなどが原因ならば耳鼻科へ通院し、医師の治療を受けましょう。
- 姿勢の悪さが原因ならば、猫背にならないように正しい姿勢をキープするように心掛けましょう。
- 常に口を開けてしまう癖がついてしまっている方は、何かに集中している時に口を閉じて行うという意識を持ちましょう。
- 時にゆっくりと深呼吸を行い、鼻から呼吸し肺へ酸素をしっかり送るという癖をつけましょう。
お口ぽかんは歯列矯正でもデメリット
歯並びが悪いのを改善するため歯列矯正を開始しても、お口ぽかんと開ける口呼吸を続けるのは得策ではありません。頬杖をついたり、爪を噛んだり、横向きで寝るなどの態癖は、矯正治療の歯の動きに対してブレーキとなります。無意識で口呼吸を行っている子供にはお口が開いているよと意識付け、鼻呼吸を行いましょう。唇や頬、舌など口の周りの筋肉も、矯正治療には必要です。
口呼吸のデメリットに関するQ&A
口呼吸の主なデメリットには、細菌感染のリスクが高まること、口の乾燥、いびきや睡眠の質の低下、歯並びへの悪影響、および子供の顔立ちに影響が出ることが含まれます。特に、口を常に開けていることで唇に締まりがなくなり、口腔内が乾燥しやすくなるため、虫歯や歯周病のリスクが増加します。
口呼吸は細菌感染のリスクを高める理由として、鼻毛がフィルターの役割を果たす鼻呼吸と異なり、口を通して気道に入る空気がフィルタリングされないためです。これにより、空気中のウイルスが直接喉に入り、感染症にかかりやすくなります。
口を開けて呼吸する習慣は、正しい舌の位置が保てなくなり、顎の発達に影響を与えます。これにより、顎が通常より小さくなり、歯が生えるためのスペースが不足し、結果として歯並びが悪くなる可能性があります。
まとめ
口呼吸のデメリットは感染症にかかりやすくなり、睡眠にも関わるので全身の健康にもつながります。また、お顔立ちや歯並びなどは思春期や就職活動する時期は精神的にも影響を及ぼすケースがあります。なるべく鼻呼吸を意識的に行うことが大切です。
口呼吸には多くのデメリットがあり、以下の2つの研究がその一部を示しています。
1. Veronら(2016)の研究では、口呼吸が呼吸機能と呼吸筋に与える影響を検討しています。この研究では、口呼吸が肺機能と呼吸メカニズムに変化をもたらす可能性があることを示唆しており、これらの変化が呼吸筋の機械的不利と補助呼吸筋の作業量増加に寄与する可能性があることが指摘されています。【出典】
2. Izuharaら(2016)の研究では、口呼吸がアレルギー性鼻炎と同様に喘息のリスクファクターであり、口呼吸が喘息の罹患率とアレルゲンへの感作に独立して関連していることが確認されました。この研究は、口呼吸が鼻の保護機能を迂回し、喘息の罹患率を高める可能性があることを示唆しています。【出典】
これらの研究結果から、口呼吸が呼吸筋のバランスや機能に悪影響を及ぼし、喘息などの呼吸器疾患のリスクを高める可能性があることが理解できます。したがって、口呼吸の早期発見と適切な治療が重要であると言えます。