口ゴボとは、横顔を見た時に口元が前に盛り上がって見える状態のことをいいます。日本人は顎の骨格が小さいために出っ歯になりやすく、口ゴボでお悩みの方も多くおられます。口ゴボのセルフチェックや治療方法についてご説明します。
口ゴボのセルフチェック方法
口ゴボに該当するかどうかセルフチェックをするためには、横顔の写真を撮影して、鼻先から顎先にかけて線を引いてみます。
唇の先がこの線に対してどの位置にあるかで、口ゴボかどうかが決まります。
線上に唇の先がタッチしている状態が美しい横顔とされています。日本人は線よりも唇が前に出ている方が多い傾向があります。下顎が後ろに引っ込んでいる状態の方も、口ゴボに見えやすいです。
口ゴボは矯正治療で治るのか
口ゴボの治療でまず考えられるのは歯科矯正です。多くの場合、上の前歯が出っ歯になっているのを治療することで、前歯の突出感が減ります。
ただし、口ゴボになっている原因が遺伝による骨格の問題である場合は、歯科矯正だけでは十分に口元を引っ込めることが出来ません。歯並びはきれいになっても、横顔を見るとやはり口元が前に出た状態になります。
その場合は、セットバック手術と呼ばれる外科矯正で骨を切って顎骨を後ろに下げる治療が必要になります。
口ゴボの治療方法
口ゴボの患者さんは主に上顎前突(出っ歯)になっていますので、上の前歯を下げる治療を行います。
マウスピース矯正
取り外し可能なマウスピース型の矯正装置で口ゴボの原因である上顎前突や(出っ歯)や下顎前突(受け口)を治療します。
マウスピースはほぼ透明で目立ちませんが、1日に22時間以上の装着が必要で、食事と歯磨きの時のみ外すことが出来ます。そのため、頻繁に外食をされるようなライフスタイルの方にはあまり向きません。
抜歯をして大きく歯列を引っ込める場合は、ワイヤー矯正を併用する場合もあります。
ワイヤー矯正
ワイヤー矯正は歯の表面にマルチブラケットと呼ばれる装置を貼り付け、ワイヤーを通すことで歯を引っ張って動かします。どのような不正咬合にも対応出来、歯列の微調整にも適しています。最も一般的な矯正装置です。
ワイヤー矯正は装置が目立つのがデメリットでしたが、白いセラミックのブラケットと白いワイヤー(※別途料金)を使用すれば、あまり目立ちません。
裏側矯正
裏側矯正はマルチブラケットとワイヤーを歯の裏側につけます。他人から装置が見えにくく、特に出っ歯の治療には適しています。装置が見えにくいため、歯磨きがしづらく、装置で舌の動きが制限されるため発音しにくい音があるのがデメリットとなります。
外科矯正
骨格が原因で口ゴボが起こっているケースでは、歯科矯正を行っても横顔のラインはあまり変わりません。そのため、外科手術で骨を切って骨格を変える治療が必要になります。
当院では日帰りのセットバック手術を行っており、全身麻酔で手術を行います。セットバック手術後しばらく経ってから、に矯正装置を歯に付けて歯列をきれいに整える場合もあります。
口ゴボとは
口元を横から見た場合に、鼻先と顎を結ぶ線(Eライン)の上に唇が乗っているのが、美しいラインと考えられていますが、口ゴボの方はラインよりも唇が前に出ている状態です。
もちろん口元が少し出ていたとしても、それは絶対に治療が必要だというわけではありません。ただ、口ゴボに悩んでいてコンプレックスになっている方がおられるのも事実です。
口ゴボの原因とは?
口ゴボになる原因は主に2つあります。骨格の遺伝による先天的な要因と、口ゴボになりやすい癖による後天的な要因です。
- 遺伝による骨格が原因で起こる
- 指しゃぶり、舌癖、口呼吸、爪噛み等の癖によって起こる
遺伝によって起こっている口ゴボは、小児矯正で骨格の過成長や劣成長を防ぐことである程度は改善できますが、癖によって起こっている場合は、まず癖をなくすようにすることが必要です。
まとめ
口ゴボは遺伝や日常の癖によって引き起こされることがあり、口元のラインを気にしている方も多くおられます。口ゴボの原因によっては歯列矯正だけで改善する場合もありますが、遺伝による骨格が口ゴボの原因になっている場合は、外科手術でしか改善できません。
口ゴボはある程度は自己診断が出来ますが、歯科医院で診断を受け、最適な治療法を見つけることが大切です。