歯と口の基礎知識

女性は女性ホルモンの影響で虫歯や歯周病になりやすいって本当?

女性は虫歯や歯周病になりやすいって本当?

女性の身体は女性ホルモンによって様々な影響を受け、それは歯やお口の中の環境にも及びます。女性のホルモンバランスと虫歯や歯周病についてご説明します。

女性が歯周病になりやすい理由

女性は男性よりも歯周病になりやすい傾向があり、それは女性ホルモンに関係しています。お口の中の一部の細菌は女性ホルモンを好み、女性ホルモンの分泌量が増えることによって細菌の数も増え、歯周病のリスクが高まります。

また、月経の前には女性ホルモンの変動が大きくなり、歯茎の炎症が起こりやすい状態になります。更年期には女性ホルモンの減少により、歯を支える顎の骨が弱くなることで、

女性が虫歯になりやすい理由

女性が虫歯になりやすい理由は主に以下のようなものです。

1. 女性ホルモンの影響で唾液の量や質が変わり、虫歯のリスクが増加する可能性がある。
2. 妊娠中や月経前には食習慣が変わり、甘いものの摂取が増えることがある。
4. 妊娠中はつわりのために口内ケアが難しくなることがある。
5. お口のケアが十分に出来ない場合、虫歯リスクの増加に繋がる。

女性は虫歯になりやすい傾向がありますが、適切な口内ケアを行うこと予防することが可能です。

ホルモンバランスに左右される女性の歯の一生

女性の人生は女性ホルモンに大きく影響されます。女性ホルモンは、いわばジェットコースターのように増減し、女性の体調もそれに合わせて変わります。

女性ホルモンの分泌が増える時期には歯周病のリスクが高まりますので、特に注意が必要です。歯周病菌は女性ホルモンを栄養源として好みますので、女性ホルモンが大量に分泌される思春期と妊婦・出産期は特に歯病への注意が必要です。

加齢で女性ホルモンが減少するとドライマウスに

女性の身体は加齢とともに女性ホルモンが減少します。そのため女性は更年期に入ると口の中が乾燥してドライマウスになる人が増えます。

女性ホルモンの働きの中に、皮膚粘膜を保護して潤いを与え、しっとり艶やかにさせるというものがあります。その働きのおかげで女性ホルモンが豊富にある時は、女性はお肌や粘膜を美しく保つことが出来ますが、女性ホルモンが減少するとお口や肌が乾燥しやすくなります。

また、ホルモンバランスが崩れた時にも唾液の分泌量が少なくなるという女性特有の体調の変化があります。更年期だけでなく、若い女性も排卵前後や月経時には徹底的にお口のケアすることが大切になります。

女性の口腔ケアはライフステージに合わせて行うことが大切

女性のライフステージを思春期、妊娠出産期、更年期の3回に分けて、それぞれの口腔ケアの仕方をご説明します。

思春期

学生

女性は初潮を迎えると「思春期性歯肉炎」にかかりやすくなります。この時期は学校での活動や試験勉強などのストレスも加わり、個人差はあるものの歯茎が真っ赤に腫れたり虫歯が増える傾向があります。ストレスからお菓子などの間食が増える場合もあります。

そのため食後の歯磨き習慣を守って、間食の量や回数、睡眠不足に注意するなどして、生活習慣を整えましょう

妊娠出産期

赤ちゃん

妊娠出産を迎える時期の女性は、女性ホルモンの増加と唾液の中和力減少という二つのリスク要因があり、「妊娠性歯肉炎」と虫歯にかかりやすくなるため注意が必要です。

つわりがひどい場合は歯磨きもおろそかになり食事が不規則になりがちです。つわりで歯磨きが出来ない場合は、刺激の少ない種類の洗口剤を選んで、こまめにお口をゆすぎましょう。

更年期

シニアの女性

更年期の女性は、ホルモンと唾液の減少によるドライマウスと歯周病に注意が必要です。特に閉経後に骨粗しょう症になると歯周病のリスクが高まりますので、3ヶ月程度の間隔で歯科の定期健診を受けて、歯周病の予防を行いましょう。

女性ホルモンの影響で女性は虫歯や歯周病になりやすいに関するQ&A

女性ホルモンの増減は、女性の口腔の健康にどのような影響を与えますか?

女性ホルモンの増減は、女性の口腔の健康に重要な影響を与えます。女性ホルモンが増える時期には、歯周病のリスクが高まります。また、女性ホルモンが減少するとドライマウスになりやすくなります。これらの変化は女性の一生を通じて続き、思春期、妊娠出産期、更年期などのライフステージに応じた口腔ケアが必要です。

女性特有の体調の変化によって唾液の分泌量が少なくなると、どのような問題が起こる可能性がありますか?

女性特有の体調の変化によって唾液の分泌量が少なくなると、いくつかの問題が起こる可能性があります。唾液は口腔内の健康維持に重要な役割を果たしており、唾液の不足は以下のような問題を引き起こす可能性があります。口の中の乾燥感や不快感、口臭の増加、食事の嚥下や消化の困難さ、口内炎の発生増加などが挙げられます。

更年期の女性が歯周病のリスクを低くするためには、どのような予防策を取るべきですか?

更年期の女性が歯周病のリスクを低くするためには、以下の予防策を取ることが重要です。
1.定期的な歯科の健診を受けることが必要です。歯科医師による定期的な検査やクリーニングにより、歯周病の早期発見と適切な治療が可能となります。
2.適切な歯磨きや歯間清掃、口腔衛生の維持も重要です。定期的な歯科の診察と自己ケアの両方を組み合わせることで、更年期における歯周病のリスクを低くすることができます。

まとめ

歯のキャラクター

女性とホルモンバランスの問題は、女性の口腔内の健康に大きく関わっています。女性のそれぞれのライフステージでの口腔内のリスクを知り、適切なお口のケアを行っていきましょう。女性ホルモンによる様々な問題は、歯や口腔内だけに限ったことではありません。女性の方は、女性特有の身体の仕組みを理解して、女性ホルモンと生涯うまくつきあっていきましょう。

この記事の監修者
医療法人真摯会 梅田クローバー歯科クリニック
院長 久野 喬

2014年 松本歯科大学卒業卒業。日本障害者歯科学会 認定医。ACLS講習終了。日本口腔インプラント学会。日本小児歯科学会。日本接触嚥下リハビリテーション学会。

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梅田クローバー歯科クリニック

大阪矯正歯科グループ大阪インプラント総合クリニック