
虫歯と歯周病はお口の中の二大疾患と呼ばれます。面白いことに、患者さんは「虫歯になりやすいタイプ」と「歯周病にかかりやすいタイプ」に分かれます。
どちらにもかかりやすい人や、どちらとも縁のない健康な歯をもった人は少なく、大抵はどちらかのタイプに分かれます。
目次
虫歯と歯周病、どちらのタイプかどうやって決まる?
虫歯タイプか歯周病タイプかを決めるのは、お口の中に棲んでいる細菌の種類です。お口の中には様々な細菌が存在しており、その中には常在菌と虫歯の原因菌、歯周病の原因菌などが存在します。
そのどちらの種類の菌が優勢であるかで、その方が虫歯タイプなのか歯周病タイプなのかに分かれます。
虫歯になりやすい方
タイプ
- 口内に虫歯菌の割合が多い
- 歯並びが悪い
- 口呼吸をしている
- 甘い物を頻繁に食べる
- 甘い飲み物をよく飲む
- 間食が多い
- 子供の頃から虫歯が多い
対策
必ず歯科定期健診を受けましょう。
虫歯はエナメル質を溶かして象牙質まで進行すると、あとは進行が速くなって悪化させてしまいます。そのため早めに受診して処置を受けましょう。
歯周病になりやすい方
タイプ
- 口内に歯周病菌の割合が多い
- 歯並びが悪い
- 口呼吸をしている
- 歯ぎしり・食いしばりがある
- 間食が多い
- 喫煙している
- 糖尿病にかかっている
- あまり歯医者に行ったことがない
対策
必ず歯科の定期健診を受けるようにしましょう。歯周病は発見が遅れると重症化して歯を失う危険があります。そのため早めに歯科を受診して、歯科衛生士から正しい歯みがきの方法等のアドバイスをもらいましょう。
虫歯・歯周病どちらにもなりやすい方
タイプ
- 生まれつき歯質が弱い
- 口内に虫歯や歯周病の原因菌が多い
- 虫歯や歯周病に対するリスクが高い
- 歯磨きをサボることが多い
- 歯科医院の定期健診を受けていない
- 歯みがき指導を受けたことがない
対策
必ず歯科定期健診を受けましょう。虫歯も歯周病も悪化してからの受診では歯を失ってしまう危険がありますので、予防が大切です。また、食事や間食の時間をきちんと決めてダラダラ飲食することのないようにしましょう。歯磨きも手を抜かずにきちんと行う習慣づけを行いましょう。
虫歯にも歯周病にもなりにくい
タイプ
- 生まれつき歯質が強い
- 口内に虫歯や歯周病の原因菌があまりいない
- 毎日正しい方法で歯磨きをしている
- 歯科定期健診を定期的に受けている
対策
虫歯にも歯周病にもなりにくい方は、規則正しい食事や間食、正しい歯みがきなどをクリアされている方が多いと言えます。しかし、虫歯や歯周病になったことがなくても、予防のために出来るだけ歯科の定期健診を受けるようにしましょう。歯周病は初期の段階では自覚症状が殆どないため、自分で気づきにくい病気です。そのため、進行するまでに検査を受けて適切な処置を受けましょう。
虫歯になりやすいタイプと歯周病にかかりやすいタイプに関するQ&A
虫歯になりやすいタイプは、口内に虫歯菌の割合が多く、歯並びが悪い、口呼吸をしている、甘い物や甘い飲み物を頻繁に摂取する、間食が多い、子供の頃から虫歯が多いなどの特徴があります。
歯周病になりやすいタイプは、口内に歯周病菌の割合が多く、歯並びが悪い、口呼吸をしている、歯ぎしりや食いしばりがある、間食が多い、喫煙している、糖尿病にかかっている、あまり歯医者に行ったことがないなどの特徴があります。
生まれつき歯質が強い人は、一般的には虫歯や歯周病にかかりにくい傾向があります。しかし、予防は必要であり、定期的な歯科検診や適切な歯磨きなどの健康習慣を維持することが重要です。
まとめ

虫歯になりやすい、歯周病になりやすい、というのは概ねタイプ別に分けられますが、対策として共通しているのは、口内環境を良くする必要があるということです。そのためには規則正しい生活習慣と毎日の丁寧な歯磨きに加えて歯科の定期健診を受診されることをお勧めします。