
歯の根元にある歯茎はどんな働きをしているのでしょうか?歯を守る大切な組織である歯茎についてご説明します。
歯茎とはどの部分のことをいうの?
歯茎とは、歯の根っこ(歯根)を囲んでいる組織のことで、歯茎が歯とぴったりくっついていることで、食べ物や細菌が歯根深くに侵入するのを防いでいます。
また、食べ物を咀嚼する時の衝撃から歯を守る働きをしており、歯が物を噛む力をクッションのように吸収して、歯や歯槽骨を傷つけないように守っています。
歯茎は以下の3つから出来ています。
- 付着歯肉
- 歯間乳頭
- 遊離歯肉
1.付着歯肉
付着歯肉は、歯槽骨の周りを保護していて、動かない部分です。
2.歯間乳頭
歯間乳頭とは、歯と歯の間のY字のような形をしている歯茎のことをいいます。歯間乳頭は、ちょっとした刺激で炎症をおこしたり腫れたりしやすいのが特徴です。
また、この部分には歯ブラシの毛先が届きにくいために思考がたまりやすく、虫歯になりやすい場所です。強い力でブラッシングをしすぎると、ダメージを受けて歯肉が少しずつすり減っていく歯肉退縮を起こします。歯間ブラシやデンタルフロスを強く使いすぎた時も、同じように歯肉退縮を起こします。
歯間乳頭はとてもデリケートで、一度歯肉退縮を起こすと元のように再生するのが難しいため、歯磨きの際は力加減に注意しましょう。
3.遊離歯肉
遊離歯肉は歯間乳頭の上にあって、歯と緩くくっついた状態です。歯茎は歯を支えたり、歯や歯槽骨を守る働き以外に、免疫を守るバリア機能があります。
歯茎の表面は常に新陳代謝を行っており、細菌が長い時間付着していることのないような作りになっています。そして、歯肉を作っている細胞の中には、外から侵入してくる細菌や毒素を分解して、歯茎や歯を守る役割の細胞がいます。
お口の中の健康はこのようにして保たれており、健康な歯茎は薄いピンク色で引き締まっています。歯茎が赤みを帯びていたり腫れていたり、ブヨブヨしている場合は、炎症を起こしていますので、すぐに歯科医院を受診しましょう。
歯茎の色が正常かどうかは、ご自身で鏡で見ても良く分らないかもしれませんので、歯医者の定期健診を受けるようにすると、歯科衛生士から適切なアドバイスがもらえます。
歯茎のケアを怠るとどうなる?
歯周病は歯茎にはっきりしたサインが現れますので、歯周病予防のためにはご自身の歯茎の状態を常にチェックしておく必要があります。虫歯でも歯茎に何らかの異常が現れる場合があります。
そのまま放っておくと虫歯や歯周病が悪化して、最終的には歯を失うことに繋がってしまいますので、出来るだけ初期の内に治療を開始しましょう。見た目だけでなく、口臭がないかどうかも確認しましょう。
成人になると、殆どの方が歯周病にかかっているといわれます。歯茎や歯周ポケットの健康状態に気を配ることで、歯周病の症状を改善し、生涯自分の歯で食事が出来るようにしましょう。
歯茎をチェックしてみよう
ご自分の歯茎が健康か、鏡を見ながら以下の点をチェックしてみましょう。
- 歯茎の色が健康な薄いピンク色をしているか
- 歯茎がブヨブヨしていないか
- 歯茎が引き締まっているか
- 歯茎に黒ずみはないか
- 歯磨きの時に歯茎から出血しないか
- 歯茎が下がってきてないか
気になる点があれば、虫歯や歯周病のサインかもしれませんので、すぐに歯科医院の定期健診を受けましょう。定期健診では簡単な歯周病検査や、歯磨きで磨き残しが出来やすい場所のチェックなどをした後、簡単なクリーニングを行います。
歯茎の働きに関するQ&A
歯茎の主な機能は、歯を支えたり、歯や歯槽骨を守ることと免疫を守るバリア機能です。歯茎は新陳代謝を行い、細菌が長い時間付着していることのないような構造になっています。また、歯茎には外から侵入してくる細菌や毒素を分解して歯茎や歯を守る役割の細胞が存在します。
歯茎の健康を維持するためには、適切な歯磨きやデンタルケアが必要です。特に歯間乳頭はデリケートで、力加減に注意して歯磨きを行うことが大切です。歯科医院の定期健診も重要であり、歯周病の早期発見や予防に役立ちます。
歯茎の健康に影響を及ぼす主な要因には、適切な歯磨きの実践や歯間ブラシやデンタルフロスの使用、定期的な歯科検診が挙げられます。また、喫煙や不健康な食生活、ストレスなども歯茎の健康に悪影響を及ぼす要因となります。
まとめ
歯茎の状態は、歯の健康と密接に関わっています。大切な歯を守るために、まずは歯茎の健康に気をつけましょう。