矯正歯科

歯並びがいい人とはどんな人?

歯並びがいい人とはどんな人?

歯並びがいい人とは、どんな基準があるかご存知ですか。歯並びがいい事によるメリットや、印象はどのようなものか、歯並びを良くするためにどんなことができるのか、詳しくご紹介いたします。

歯並びがいい人の見た目の基準とは

歯並びがいい人とは具体的にどのような基準があるのでしょうか。下記すべてを満たしていると歯並びがいい人と言えます。

  • 親知らずを除く28本の永久歯が弓のように綺麗に並ぶ
  • 歯と歯の間に不自然なスペースがない
  • 上顎の前歯が下顎の前歯より2~3mm出ている
  • 顔と上下の前歯の中心線にずれがない
  • 前歯の比率が則っている
  • 下唇のリップラインと前歯のラインが並行である
  • Eラインより内側かライン上に唇の位置がある

親知らずを除く28本の永久歯が弓のように綺麗に並ぶ

親知らずを除いた永久歯(中切歯・側切歯・犬歯・第一小臼歯・第二小臼歯・第一大臼歯・第二大臼歯)が弓のように並んでいるような状態が理想です。アルファベットのUのような歯並びがイメージとして分かりやすいでしょう。Vなどのとがった歯並び、及び歯が前後にガタガタしている方は不正咬合であり、歯列矯正の対象となります。

歯と歯の間に不自然なスペースがない

例えば前歯と前歯の間に不自然なスペースがあると、一般的にはすきっ歯と言い、専門的には正中離開と呼びます。奥歯と前歯の間に不自然なスペースが空いていると、空隙(くうげき)歯列と呼びます。いずれも不正咬合で歯列矯正やセラミック治療、ダイレクトボンディングを行い、歯と歯の間を詰めることがあります。

フランスでは前歯と前歯の間が空いていると幸福の歯と言われています。あえて治療を行わず個性として受け入れる風潮があります。

上顎の前歯が下顎の前歯より2~3mm出ている

上顎は下顎より2~3mm前に出たり重なっていなければ、機能面でも支障をきたします。正面から見て上顎の前歯が下顎の前歯をわずかに覆っていて、横から見て上の前歯が下の前歯より2~3mm前に出ていることが条件です。4mm以上覆っている場合は、過蓋咬合と呼ばれ、4mm以上前に出ている場合は上顎前突という不正咬合で治療が必要です。

顔と上下の前歯の中心線にずれがない

お顔の印象に関わる中心線と前歯の中心線にずれがなければ審美的にも好印象です。お顔の中心線(正中線)は、左右の眉と眉の間の眉間の中点、及び左右の目頭と目頭の間に中点から鼻先まで伸ばします。ほとんどの方は、お顔に左右差がありますが、正中線と上下の前歯の正中にずれがある場合は、噛み合わせが悪くなっています。そのため、全顎の歯列矯正をおすすめされる場合があります。

前歯の比率が則っている

前歯にも美しい比率とされる黄金比があります。例を挙げると、真ん中の前歯(中切歯)は縦の長さと横の長さが5:4であると理想的な形です。また、中切歯、真ん中より二番目の前歯(側切歯)、犬歯の大きさの黄金比については、1.618:1:0.6がゴールデンプロポーションと言われる黄金比です。

下唇のリップラインと前歯のラインが並行である

前歯から奥歯の全ての歯の先端部分を結ぶ線をインサイザルライン(スマイルライン)と呼びます。スマイルラインが下唇の内側のリップラインと並行で綺麗な弓を描けていれば、笑顔がより美しくなります。

Eラインより内側かライン上に唇の位置がある

エステティックライン(Eライン)というのが鼻先と顎の先端を結ます。横顔の審美性をはかるためには、Eラインを基準とします。そのラインの線上、もしくは内側に唇の位置があるのが美しいとされます。

歯並びが良いと得られる機能面のメリット

見た目の美しさはもちろんですが、歯並びが整っていると身体の機能面にもさまざまな良い影響を与えます。

虫歯・歯周病の予防

歯並びが良いと、歯の重なりがなく、オーラルケアしやすいです。歯ブラシを当てやすく歯間ブラシやデンタルフロスを通しやすいです。歯垢を除去しやすいことから、清掃性が高くなります。虫歯や歯周病になりにくいことから、予防ができやすく、歯を長く健康に保つことができます。

顎関節の安定と肩こり予防

噛み合わせが正しい状態であると、顎に余計な負担がかかりません。上下左右の歯が均等に噛み合わせると、顎の関節や筋肉に均等になるため、ズレからくる首・肩の緊張も起きにくくなります。

消化のサポート

歯並びが悪い状態で咀嚼を行うと、食べ物をしっかり細かく砕く事ができません。そのまま唾液と一緒に消化器官へ流すと、胃腸への負担がかかります。歯並びが良いと、前歯で食べ物をちぎり、奥歯ですりつぶすことができるため、胃腸への負担が大幅に減ります。

発音が明瞭になる

歯並びが悪いと、歯の隙間から空気が抜けたり、舌をスムーズに動かせず、唇の動きがうまくできないことが起こりがちです。不正咬合の種類によっては、サ行・タ行・ナ行・ラ行が発音しにくいということがあります。舌を前歯の裏に付けるサ行やラ行、舌の動きが必要なナ行、空気が漏れやすいタ行などは歯並びの影響をうけます。面接や接客などの場面で、クリアな発音は印象アップにつながります。

歯並びがいい人に共通する生活習慣や傾向

歯並びの良さは生まれつきだけでなく、日々の習慣にも影響されます。

共通する生活習慣

では、歯並びがいい人に関する生活習慣を挙げていきましょう。

正しい姿勢を保っている

正しい姿勢は噛み合わせに影響が出ませんが、猫背や反り腰、巻き肩だと噛み合わせに影響が出ます。悪い姿勢を続けたままだと、正しい姿勢の際に使う筋力が弱まります。顎はバランスを保つ重要な部分であるため、姿勢が悪いと、呼吸や舌の位置も悪くなります。

口呼吸ではなく鼻呼吸ができている

正しい姿勢であると、鼻呼吸がしやすく、唾液も潤います。反対に悪い姿勢であると、下顎が後ろへ引っ張られ、前方へ正しく発達しないため、口腔内で歯が並ぶスペースがありません。舌を正しいスポットにおく筋力がなく、低位舌になると気道をふさぐことから口呼吸になり、唾液で口腔内が乾燥します。

よく噛んで食べる

顎の発達に関係していることが咀嚼機能です。しっかり噛むことにより、咀嚼に必要な口の周りの筋肉や、顎を広くする発達に関係します。

頬杖をつかない、歯ぎしりをしない

頬杖をつく・歯ぎしり・食いしばり・指しゃぶり・舌を押し出す・うつぶせ寝などの癖があると、どうしても歯並びに悪影響を及ぼします。

笑顔が多く、コミュニケーション力が高い

発声や発音がきちんとしていて、口元に自信があると、笑顔が自然と多くなります。第一印象が明るく見え、白い歯で綺麗に並んでいると清潔感があります。社会人の場合、自己管理ができているという印象を持たれます。

歯並びの良し悪しが与える印象の違い

歯並びは、見た目の印象に大きな影響を与えるポイントです。

歯並びがいい人

  • 笑顔が明るく清潔感がある
  • オンとオフで健康的と感じられやすい
  • 自分に気を遣っていて自己管理ができる

歯並びが悪い人

  • 口元にどうしても目を向けてしまう
  • 話しづらそうなどマイナスの印象を持たれる
  • 口を隠しがちになり、自信のなさに繋がる

実際に就職活動や婚活でも口元の印象は、目の印象と共に重視される場面が増えています。歯並びは第一印象の名刺と言っても過言ではありません。

歯並びをよくするためにできること

自分の歯並びが良くないのは仕方ないと諦めるのは早計です。歯列矯正にはさまざまな方法があり、口腔状態にもよりますが年齢問わず改善が可能です。

矯正の種類と特徴

では、矯正治療の種類や特徴をご紹介します。

ワイヤー矯正

歯の表面にブラケットを付け、ブラケットの中にワイヤーを通して矯正力をかけます。唇側につける表側矯正、白いワイヤーを付けるホワイトワイヤー矯正、歯の裏側につける舌側矯正があります。片顎、全顎、歯列全体を確実に動かしたい方に向いていて、矯正装置を患者さん自身で取り外すことができません。

マウスピース矯正

半透明で目立たないマウスピースを付けるため、周囲に矯正治療中と分かりにくいです。マウスピースを決められた期間で交換して、矯正力をかけていきます。患者さんご自身で取り外しが可能であるため、食事に制限はありませんが、装着時間を守らなければきちんと動きません。

部分矯正

前歯の1本のみピンポイントで改善したいという方に向いています。マウスピース矯正やワイヤー矯正装置を数本に付けて矯正力をかけます。部分矯正の場合、前歯のみを治すため、全体の噛み合わせが悪いという方には向きません。

矯正前にやるべきこと

  1. 信頼できる矯正歯科医院を探す
  2. 無料カウンセリングで相談する
  3. 歯周病や虫歯がある場合、先に治療を済ませておく

何よりも歯並びを良くする意識を持つことがスタートラインです。矯正治療は虫歯治療よりも長くかかる治療で、保険適用外であるため費用も高いです。治療中に、歯を動かして綺麗な歯並びになるというモチベーションを保たねばなりません。癖などの生活習慣があり、それを見直すだけでも、現在の歯の状態を維持しやすくなります。

まとめ

歯並びがいい人とは、前歯の歯列弓もバランス良く自然に噛み合っていて歯の機能としても問題なく、清潔感を与えて好印象につながります。習慣や自己管理も整っていることが多いです。歯並びがいい人になるための歯列矯正は、決して難しくありません。歯科医師との相談や日々のケアで、あなたも自信の持てる笑顔を目指してみませんか。

この記事の監修者
医療法人真摯会 梅田クローバー歯科クリニック
院長 久野 喬

2014年 松本歯科大学卒業卒業。日本障害者歯科学会 認定医。ACLS講習終了。日本口腔インプラント学会。日本小児歯科学会。日本接触嚥下リハビリテーション学会。

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梅田クローバー歯科クリニック

大阪矯正歯科グループ大阪インプラント総合クリニック