
この記事はこんな方に向いています
- 歯や歯ぐきの突出でお悩みの方
- 歯列矯正で見た目を改善したいと考えている方
- 矯正治療でどこまで治せるか知りたい方
- 自分に適した矯正方法や治療の流れを知りたい方
この記事を読むとわかること
- 歯ぐきや歯が出ている原因の種類
- 矯正治療での改善方法の具体例
- 骨格的な問題にはどんな治療が必要か
- 矯正治療後の見た目や機能の変化
目次
歯や歯ぐきが出ている状態の原因と治療法
歯や歯ぐきが前に出ている状態には、単なる歯の傾きや位置の問題のほか、骨格そのものが前に突き出しているケースがあります。
- 歯だけが前に出ている場合は、ブラケット矯正やマウスピース矯正で歯の角度や位置を調整すれば改善可能です。
- 骨格の問題で歯ぐきや顎全体が出ている場合は、外科的手術(セットバック手術など)を伴う外科矯正が必要になることもあります。
成長期の子どもなら、成長を利用し骨の発育をコントロールしながら矯正できますが、大人の場合は骨格矯正に手術が加わることもあります。これにより、見た目だけでなく顔の横顔ラインも美しく改善します。
歯だけが前に出ている出っ歯の治療方法
歯だけが前に出ている場合は、歯の角度を変えるだけで治ります。どの程度の角度を動かすかにもよりますが、前歯の両端をわずかに削ってスペースを作り、前歯に装置を取り付けて少しずつ前歯の角度を変えていきます。
装置による治療方法は、以下の3種類です。
- ワイヤー矯正・・歯にブラケットを取り付けてワイヤーを通す矯正方法
- 裏側矯正・・歯の裏側にブラケットをつける
- マウスピース矯正・・透明なマウスピースを1日に22時間以上つける

歯列矯正で歯ぐきが出ているのも治る?
歯ぐきの前への突出(ガミースマイルの一因)は、歯だけの問題、骨格の問題、筋肉の動きによるものなど原因が多様です。
- 矯正治療では歯の位置調整を通じて歯ぐきの露出を間接的に減らすことが可能です。
- しかし骨格が原因の大きなガミースマイルは外科的介入が必要な場合があります。
- また、歯茎のラインを整える歯肉整形やボツリヌストキシン注射などの治療法も併用されることがあります。
歯茎が出ているのは矯正装置でどの程度治る?
歯茎が前に出ている(ガミースマイルや歯茎の突出)は、矯正治療で改善可能なケースがあります。ただし、効果の度合いは原因と症状の重度によって異なります。
矯正装置で治せる範囲
歯の位置が原因の場合
歯が前に傾いている・突出していることで歯茎が目立っているなら、矯正装置(ブラケット矯正やマウスピース矯正)で歯を理想的な位置に動かすことで、歯茎の露出をかなり減らせます。
治療期間は一般的に1~3年で、歯並びとともに口元の印象も整います。
咬み合わせの不正が原因の場合
過蓋咬合など咬み合わせが深すぎる状態も矯正治療で改善可能です。これにより歯茎突出が和らぎ、機能的にも見た目にも良い結果を得られます。
矯正装置だけでは難しいケース
骨格の問題や骨格性の突出がある場合
顎の骨格が本来前に突出していたり、上顎骨の過剰成長がある場合は、矯正装置だけで歯茎の突出を完全に治すのは難しいです。この場合、矯正と外科手術(顎の骨を切って移動させる外科矯正)の併用が必要になることがあります。
筋肉の動きや唇の長さが原因の場合
上唇が大きくめくれ上がることで歯茎が目立つケースでは、ボトックス注射など筋肉の動きを調整する治療を併用することもあります。
矯正治療の効果と注意点
- 矯正装置によって歯を動かすことで、歯茎の見え方を改善し自然な笑顔が得られやすくなります。
- 治療開始前に詳しい診断が必要で、歯科医師と治療計画をよく相談することが重要です。
- 治療期間や方法は個人差が大きいので、丁寧なカウンセリングと経過観察が欠かせません。
このように、歯茎が出ている原因に応じて矯正装置での治療効果は異なりますが、多くのケースで改善が期待できます。重度の場合は外科的治療の併用が必要となるため、専門医の診断を受けることをおすすめします。
出っ歯を歯ぐきの骨格から治す治療方法
歯を動かすためのスペースが足りない場合は、上下左右の小臼歯を抜歯してスペースを作ります。抜歯矯正を行うことで、少しは上顎が引っ込んで歯ぐきが下がって見えるようになります。
しかし口元が骨格から前に出ており、装置を付けて歯を動かすだけの治療では横顔のラインがきれいにならないケースがあります。上顎の骨格を大きく下げて横顔のラインをきれいに整えるためには、手術を伴う外科矯正が必要です。外科矯正は、当院のグループ歯科医院 カトレア美容・歯科クリニックにて日帰りの上顎セットバック手術を行っています。
成長期の子供の場合
子供の場合は、上顎や下顎の成長を促進させたり、逆に抑制するための様々な種類の装置があります。子供の口元の骨格をどのように成長させていけば良いか、担当医が最適な装置を選択いたします。
PRO矯正とは
P → Posture(姿勢)
R → Respiration(呼吸)
O → Oral appliance(矯正装置)
生活習慣や癖(口呼吸、指しゃぶり、舌で歯を押すなど)が原因で子供の発育に問題が起こると、顎の成長や歯並びにも異常が起きます。
PRO矯正は子供の姿勢と呼吸を正しくし、バランスよく成長させることで、歯並びをキレイにするだけでなく、全身も健康にすることが目的です。
PRO矯正の治療法
PRO矯正はアクティビティと矯正装置の2つのアプローチで治療していきます。
アクティビティ(トレーニング)
アクティビティには5つのプログラムがあり、矯正担当医がプログラムの作成を行います。歯科医院でトレーニングの指導を受けたあとは、ご自宅で行って頂きます。
- 呼吸のプログラム(口呼吸を鼻呼吸にする)
- 舌のプログラム(舌の位置を良くし、舌の力も高め、舌のクセも治す)
- 嚥下のプログラム (正しい飲み込み方を覚える)
- 口周りの筋肉のプログラム (お口周りの筋肉を鍛える)
- 姿勢のプログラム (姿勢を改善する)
アクティビティはテキストにそって行いますのでわかりやすく、子供も楽しく取り組めます。
矯正装置(舌の癖を治して骨格を広げる)
マウスピース型の機能矯正装置を使用します。これらのマウスピースを主に寝ている間に付けて頂くことによって、舌の位置をいい位置にし、上アゴを発達させ、鼻呼吸が出来るように促します。
歯ぐきが出ているお悩みについて

歯ぐきが出ているというお悩みの方の大部分は上顎前突という不正咬合で、いわゆる出っ歯です。出っ歯は下顎と比べて上顎が発達しており、下の歯のアーチよりも上の歯のアーチが大きくなっています。
日本人は欧米人と比べて前歯が大きく、顎の骨自体は小さいために出っ歯になりやすい骨格をしているため、出っ歯でお悩みの方は大勢おられます。前歯が前に出ているだけでなく、歯茎の骨格が出ているタイプの方もおられます。
上顎が前に出ている骨格は、遺伝性のものもありますが、小さい頃から舌で前歯の裏側を押す癖がある方は、舌で押す力によって上顎の骨が成長してしまって出っ歯になっていることもあります。
また、笑うと上の歯茎が大きく見えてしまうガミースマイルの方もおられます。これも顎の骨のずれで起こるもので、ガミースマイルの方は笑う時に手で口元を隠すなど、コンプレックスになっている方が多いようです。
歯や歯茎が出ている場合の歯列矯正に関するQ&A
日本人は前歯が大きく、顎の骨自体が小さいため、出っ歯になりやすい骨格をしています。
ガミースマイルは、顎の骨のずれにより、笑うときに上の歯茎が大きく見える状態を指します。
PRO矯正のアクティビティには呼吸、舌、嚥下、口周りの筋肉、姿勢の5つのプログラムが含まれています。
まとめ
歯列矯正で歯や歯ぐきが出ているのは治る?
- 歯だけが出ている場合は矯正装置による治療で改善可能。
- 骨格ごと前に出ている場合は外科手術を含む外科矯正が必要。
- 小児の成長期は骨の成長を利用しやすく、矯正の効果も高い。
- 大人は外科手術を伴う場合もあるが、口元の美しさや機能性の改善に有効。
大人の方の「歯だけが前に出ている出っ歯の治療方法」はワイヤー矯正やマウスピース矯正等の矯正装置を使った方法となります。大人の方の「歯ぐきの骨格から出ている場合の治療方法」はセットバックという外科手術で治ります。
子供の場合は舌の位置が悪いことが多く、PRO矯正という姿勢と呼吸を正しくして歯並びを治す治療や、顎の骨の成長を促進させたり抑制したりする装置を使って治療を行います。