矯正歯科

矯正をしたいけど楽器の演奏はできますか?

矯正をしたいけど楽器の演奏はできますか?

梅田クローバー歯科クリニック 歯科医師 久野 喬

矯正をしたいけど楽器の演奏に影響が出ないか気になる方も多いです。今日は、歯列矯正と楽器の演奏について詳しくご紹介いたします。

矯正治療はどんな種類がある?

歯科医院で行う歯列矯正については、自由診療となるため、取り扱う矯正器具や費用が医院により異なります。矯正歯科では、大人か子供かなどの年齢においても、治療方法は様々です。今回は永久歯に生え変わった中学生以上の方を対象に、当院の例を挙げてご説明します。

ワイヤーブラケット矯正

  • 歯の表面にブラケットをつけ、ブラケットの中にワイヤーを通し、歯を動かす矯正
  • ワイヤー矯正は自分で取り外すことができず、歯科医師にチェックを行ってもらい交換
  • 装置をどの位置に付けるかによって、メリット、デメリットが大きく違う

表側矯正

周囲の人から見える表側に装着するため、矯正治療中とわかりやすいが、料金が安いというメリットがある

審美矯正

ワイヤーの色が白いため、離れたところからでは矯正治療中とわからないが、近くの人には矯正器具が見える

裏側矯正

歯の裏側(舌側)にブラケットを装着するため、見た目でわからないメリットがあるが、海外でオーダーメイドのワイヤーを作製するため、費用が高い

マウスピース矯正

  • 歯を動かすためにアタッチメントという白い突起物をつけ、透明で見えにくいマウスピースを歯に被せ、定期的に新たなマウスピースに交換して歯を動かす矯正
  • インビザラインが有名で、ご自身で取り外しができるため、食事の前に外すことが可能
  • ただし、担当医からの装着時間を守らなければ、治療期間が延びてしまう

楽器をしているけど矯正はできる?

  • 中学や高校の時から吹奏楽部などの部活動をしている
  • 大人になってからの趣味で楽器の演奏を始めた

このようなことから楽器を続ける方は多いです。とはいえ、歯並びが悪いと周囲の人の視線が気になり、お口を隠すという方もおられます。歯科矯正も開始したいなと思っていても、楽器を演奏できるか不安で、二の足を踏む方も少なくありません。

影響を与えそうな楽器

影響を与えそうな楽器をご紹介します。吹奏楽は、管楽器や打楽器などで構成されます。管楽器の中には、金管楽器・木管楽器と分類されます。比べてみると、唇を振動させて演奏する楽器かどうかという点が重要です。

  • 金管楽器(トランペット・ホルン・トロンボーンなど)
  • 木管楽器(サックス・フルート・クラリネットなど)
金管楽器と矯正装置

金管楽器はマウスピースと呼ばれる吹き口に唇を押し当てて音を奏でます。金管楽器の方は唇を押し当てるため、唇の内側や頬の粘膜にブラケットが当たり、傷がついて痛みが生じるケースがあります。

木管楽器と矯正装置

木管楽器はリードを使用し、下の前歯で支えつつ下唇を巻き込んだような状態で加えます。木管楽器の方は、下の唇を巻きこむ状態のため、下唇にブラケットが当たれば、同じく痛みが生じます。

矯正中の音の響きって変化する?対処法は?

口腔内に気流を作って音を出す管楽器は、歯に装着した器具の変化を受けやすいです。お口の中にブラケットやアタッチメントがあると、思うような音色を出せないケースも多く聞きます。ただし、「矯正器具を装着したお口で練習し、慣れて音色が元に戻った」「もともとそこまで影響を受けない」という方など個人差があります。唇や歯茎にワイヤーやブラケットが当たり痛い時には、ワックスをブラケットの上に塗ると痛みが少なくなります。

大きなコンクールや演奏会を控えているタイミングで矯正治療を始めるのはやめておきましょう。部活動引退や、ご卒業などのタイミングで歯科矯正を始められる学生の方も多いです。

まとめ

出っ歯(上顎前突)・受け口(下顎前突・反対咬合)・歯のガタガタや八重歯(叢生)・奥歯を噛むとお口が閉じられない(開咬)・噛み合わせが深い(過蓋咬合)

これらの歯並びの問題を不正咬合と専門的に呼びますが、日々の習慣や癖で助長してしまいます。矯正は見た目だけの問題ではありません。きれいな歯並びにすれば、歯の咀嚼機能や噛み合わせが改善され、歯磨きがしやすくなることで、虫歯や歯周病などの感染リスクを減らすことができます。矯正をいつから始めたらいいのかわからない方は、歯医者さんのカウンセリングで相談しましょう。お口の状態を確認し、改善できるおすすめの治療計画や治療費用、治療期間など、歯科医師やスタッフが丁寧にご案内します。

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