インビザラインはワイヤー矯正などと比べると痛みの少ない治療といえますが、それでも痛みが起こる時もあります。インビザラインが痛いのはどのような場合かご説明します。
インビザラインはどんな時に痛いの?
インビザラインで痛みを感じる可能性があるのは、主に以下のような場合です。
- 新しいマウスピースへに変更した時
- 歯が圧迫されて動いている時
- 歯根膜が敏感になって炎症が起こっている時
- アタッチメントによる引っかかりがある時
- 口内に傷がある時
- 抜歯した時
- .IPR処置後(歯と歯の間にスペースを作る処理)
- 顎間ゴムを使用している時
インビザラインでの治療時の痛みの原因やタイミングを理解しておくと、痛みが起こった時の対策や、必要な時には医師への相談に役立ちます。
1. 新しいマウスピースへに変更した時
新しいマウスピースの形は、これから10~14日程度かけて歯を動かして行くゴールの形に作られています。そのため、現在の歯とマウスピースの形は一致していません。
新しいマウスピースを装着した瞬間から、歯はその形に向かって少しずつ移動を始めます。そのため新しいマウスピースにつけかえてから数日間は違和感や圧迫感を感じやすくなります。
2. 歯根膜が敏感になって炎症が起こっている時
インビザラインで矯正治療を行っている間は歯が動いている状態です。歯が動くためには歯槽骨の吸収や再生を繰り返す必要があるため、歯槽骨の周囲の組織は常に敏感になっています。そのため歯根膜が歯根膜炎と呼ばれる炎症を起こし、痛みを引き起こしている可能性があります。
痛みがひどいケースでは歯を動かすことを一時的に中断する場合がありますので、担当医にご相談ください。
3. アタッチメントによる引っかかりがある時
インビザラインでの矯正治療中は、マウスピースと歯の密着度を上げるために歯の表面にアタッチメントと呼ばれるレジン(歯科用プラスチック)の突起を歯に付けます。
歯の表面に出っ張りが出来ますので、マウスピースの付け外しの際に引っかかったり、唇や頬の粘膜に痛みが発生することがあります。レジンの角を丸く削ることで粘膜の痛みは防げます。
4. 抜歯した時
インビザラインで抜歯矯正を行った際に、抜歯した箇所にうずくような痛みを感じることがあります。痛みが強い場合は痛み止めを服用しますが、抜歯の痕が治るに従って疼きも消えます。
5. IPR処置後(歯と歯の間にスペースを作る処理)
インビザラインの治療では、歯を動かすためのスペースを作るために、抜歯ではなく歯と歯の間のエナメル質の部分を削る場合があります。この処置をIPRと呼びます。
IPRで削るのはエナメル質だけなので通常は痛みはありませんが、エナメル質が薄い方の場合は、知覚過敏のような痛みを起こすことがあります。痛みが強い場合は知覚過敏に対する処置が必要になりますので、担当医に相談しましょう。
6. 顎間ゴムを使用している時
顎間ゴムとは歯の移動を補助するために歯と歯の間に医療用の小さなゴムをかけてゴムの力で歯を引っ張る処置のことです。ゴムが戻ろうとする力が歯にかかりますので痛みの原因になります。
ゴムかけは治療を開始してから2~3ヶ月してある程度歯が動いてから行うことが多く、付け始めてからは出来るだけつけ続けるようにしなければならないため、痛みが続く傾向があります。痛みが強い場合はゴムの種類を変える等の調整が出来る場合がありますので、担当医に相談しましょう。
7. 口内に傷がある時
口内炎などの傷がある時に、マウスピースが当たって痛みを感じることがあります。口内に傷がある場合は、マウスピースの着脱時には気をつけなければなりません。マウスピースに当たって口内炎が酷くなった時は歯科で処置を行ったり、塗り薬が処方されます。
まとめ
インビザライン矯正は比較的痛みが少ない治療ですが、新しいマウスピース装着時の圧迫、歯の動きによる歯根膜の炎症、アタッチメントの引っかかり、抜歯やIPR処置後の痛み、顎間ゴムの使用感、また口内炎などの傷がある際に痛みを感じやすくなります。
これらの痛みは治療過程で出てくる可能性があり、主に時間が経つにつれて軽減します。痛みが強い場合は速やかに歯科医師に相談し適切な対処を受けることが重要です。
▼インビザラインについてはこちらで詳しく解説しています