矯正歯科

大人でも歯列矯正はできるの?

大人でも歯列矯正はできるの?

梅田クローバー歯科クリニック 歯科医師 久野 喬

矯正歯科治療は子どもがするものと思っておられますか? 実は現代では大人の矯正患者さんが大勢おられます。日本矯正歯科学会の2020年度の調査で、20代男女で矯正歯科治療に興味を持っている人の割合は4割以上と、かなり多いものでした。また、歯列矯正が盛んなアメリカにおいても、歯科矯正患者の4人に一人は成人といわれています。

不正咬合は虫歯や歯周病のリスクを高めますが、健康上のリスクだけでなく、矯正治療によって歯並びが整った結果、見た目が良くなるということも、大人になってから矯正治療を受けることの大きな動機となっているように感じられます。

大人になっても歯科矯正は可能です

大人の女性

大人であっても矯正治療は受けられるのでしょうか?歯周組織が健康なら、何歳からでも歯並び矯正は可能です。歯根膜や歯槽骨(歯を支える骨)に問題がなければ、骨の代謝がある限り何歳でも矯正治療を受けられます。

また、かぶせた歯があったり、差し歯やブリッジが入っていても出来るケースが多いです。ただし、成長期の子どもに比べて骨の代謝が下がっているので、歯が動くスピードが遅くなることもあります。

大人の方の歯科矯正では、抜歯をする可能性が高くなるといった欠点もあります。さらに顎の骨に問題がある場合は、歯列矯正だけでは限界があり外科的な治療と組み合わせる必要が出てくるケースもあります。

大人になってから矯正するメリット

大人になってから矯正するメリットはたくさんあります。

1.小児矯正と比べて治療期間が短い

大人の矯正は子どもの矯正と比べると、治療期間が短いです。子どもは乳歯から永久歯への生え替わりがありますので、矯正の治療内容が2段階に分れ、全体で4~5年の期間を要します。

大人は不正咬合の程度によりますが、2年ぐらいの方が多く、長くて3年ぐらいです。

2.治療計画をしっかりと立てやすい

治療計画大人になると骨の成長が終わっているため、事前に治療計画をしっかりと立てられるというメリットがあります。小児矯正は長い治療期間の中で、子どもの成長に合わせて治療方針を途中で変更しなければならないことがあります。大人の場合はそのようなことはありません。

3.長年のコンプレックスを解消できる

きれいな歯 歯磨き

大人になってから矯正治療をされる方は、歯並びが悪いことがコンプレックスになって、歯を見せて人前で笑うことが出来なかったり、写真撮影の時に歯を見せないようにしたり、何年も我慢してこられた方が多いです。

矯正治療で歯列をきれいに治すことでコンプレックスが解消されて、思いっきり歯を出して笑顔になれるようになれます。

4.虫歯や歯周病の予防につながる

歯並びが良くなると、歯のデコボコが少なくなりますので、歯ブラシがしっかりと届きやすくなります。歯垢がきれいに落とせるようになりますので、虫歯になりにくく、歯周病の予防にもなります。

大人の矯正に関するQ&A

大人でも歯並びの矯正は可能ですか?

歯周組織が健康で、歯根膜や歯槽骨(歯を支える骨)に問題がなければ、骨の代謝がある限り何歳でも矯正治療を受けられます。

抜歯は大人の歯科矯正ではどの程度の可能性がありますか?

大人の矯正治療では、抜歯をする可能性が高くなるとされています。

大人になってからの矯正のメリットは何ですか?

大人になってからの矯正のメリットには、治療期間が短い、治療計画をしっかりと立てやすい、長年のコンプレックスを解消できる、虫歯や歯周病の予防につながる、などがあります。

まとめ

このように、大人の矯正には多くのメリットがあります。ずっと歯並びを矯正してみたいと思っていた方。出産や育児で一段落した方。接客業をされている方、営業マンの男性、様々な方が相談にいらっしゃいます。費用や方法、期間をお知りになりたい方は、一度ご相談ください。

大人でも歯列矯正は可能です。日本の高校生を対象にした研究によると、歯並びに関する問題はごく一般的な問題であり、特に成人においても歯列矯正の需要が高いことが示されています。この研究では、Dental Aesthetic Index(DAI)を用いて歯列矯正の必要性を評価し、多くの生徒が受け入れられる歯の外観を持っていないことが分かりました。これは、成人を含む日本の高校生における歯列矯正治療の必要性が高いことを示しています。【Ansai et al., 1993

また、日本における名字と血族結婚に関する研究から、社会の構造や文化が健康や生活様式にどのように影響を与えるかについての理解を深めることができます。この研究では、名字の伝達がY染色体の継承を模倣すること、および配偶者間の名字の一致と遺伝的関係性に焦点を当てています。このような社会構造の理解は、成人の健康管理や美容に関する選択、例えば歯列矯正のような治療を考える際にも重要な要素となります。【Yasuda, 1983

したがって、大人でも歯列矯正は十分に可能であり、多くの場合、必要かつ有益な治療法となり得ます。歯列矯正によって、不正咬合の是正だけでなく、自信の向上や生活の質の向上にも繋がります。

この記事の監修者
医療法人真摯会 梅田クローバー歯科クリニック
院長 久野 喬

2014年 松本歯科大学卒業卒業。日本障害者歯科学会 認定医。ACLS講習終了。日本口腔インプラント学会。日本小児歯科学会。日本接触嚥下リハビリテーション学会。

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梅田クローバー歯科クリニック

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