小児矯正

子供の成長段階ごとの矯正方法

子供の成長段階ごとの矯正方法

子供の歯並び矯正は、成長段階に応じて治療方法が異なります。子供の成長とそれぞれに適した矯正治療についてご説明します。

歯並びと年齢って関係あるの?

子供が成長するに従って顎骨が大きくなり、乳歯が永久歯に生え変わります。子供の矯正治療では子供の成長を利用して、不正咬合にならないように顎の大きさを整え、歯がきれいに並ぶのをサポートします。

成長段階ごとの矯正治療

子供の成長段階によって矯正治療の目的や方法が変わります。歯並びをきれいに整えるためには、以下のように正常段階を分類出来ます。

1. 乳歯期

健康な入試のイメージ

乳歯の時期に始めるべき矯正治療は、受け口の治療です。下顎の過成長は遺伝することが多いため、少しでもその兆候が見られたら、3歳頃から治療を開始することをおすすめします。

子供の受け口は低位舌と呼ばれる舌の位置が下がっている状態になっている場合が多いです。口呼吸の子供も低位舌が見られる子が多く、舌で歯を押す癖があると出っ歯になりやすい等、舌の癖は歯並びに影響を与えます。

低位舌を改善するためにはムーシールド、プレオルソなどのマウスピースで治療を行います。マウスピースは夜間と昼間1時間入れて、顎の骨や口内の筋肉の発達を助けます。

プレオルソ、T4K

2. 混合歯列期(乳歯と永久歯が混在する期間)

永久歯がきれいに並んで生えるためのスペースを確保するために、顎骨にアプローチして子供の顎を適度に成長させるための矯正治療が行われます。

床矯正と呼ばれる取り外しの出来る装置を使い、少しずつ子供の顎を拡げていきます。または、急速拡大装置と呼ばれる固定式の装置で急激に顎を拡げます。

 

3. 永久歯が全て生え揃ってから

矯正装置4種類

永久歯が全て生え揃った後に歯並びが悪いために矯正治療をする場合は、大人の矯正と同じ方法で行います。この時期には顎の成長がほぼ完了しています。

そのため、主に歯の位置や歯並びの修正のための治療となります。矯正の方法はワイヤー矯正、裏側矯正、マウスピース矯正から選びます。

4. 成長が完了した後

食事中の女性

成長が完了して大人になってから矯正治療を受ける方が増えています。骨格が既に出来上がっているため、顎は殆ど大きくなりません。そのため、歯のガタガタや出っ歯を治すためには抜歯矯正が必要になるケースが多いです。ワイヤー矯正、裏側矯正、マウスピース矯正から選びます。

子供の矯正のメリット

子どもの矯正

近年、顎の小さい子供が増えてきました。これは主に、やわらかいものを好んで食べる食生活によるものです。顎が小さい状態で放っておくと、永久歯が一列に生えるだけのスペースがないために将来歯並びが悪くなり、歯の見た目や、噛めない、虫歯や歯周病になりやすい、発音しにくい等の問題が起こってくる可能性があります。

それらの問題を未然に防ぐためには、早期の矯正治療を検討する必要があります。

1. 成長を利用して永久歯の歯並びを整える

子供の矯正治療は、顎骨やお口周辺の組織の成長を利用して、適度な大きさに顎の成長を導き、歯が一列にきれいに並ぶように整えていきます。もちろん見た目もきれいになります。

2. 顎を適切な大きさに成長させる

顎の成長をコントロールし、歯がきれいに並ぶだけの大きさの顎に成長させます。また、上顎の過成長の抑制(出っ歯を未然に防ぐ)、下顎の過成長の抑制(受け口を未然に防ぐ)を行うことで、遺伝によって出っ歯や受け口になることが懸念される場合に、顎の成長をコントロールすることが出来ます。

3. しっかり咀嚼出来るようになる

歯が理想的な位置にあると、噛み合わせも良く、食べ物をしっかり噛むことが出来ます。しっかり噛むことで食べ物を細かく砕き、唾液と混ざり合って消化を助けます。

子供の成長段階ごとの矯正方法に関するQ&A

子供の矯正治療の目的は何ですか?

子供の矯正治療の目的は、顎の成長を利用して歯並びを整え、不正咬合を防ぎ、噛み合わせを整えることです。

乳歯期における矯正治療の主な対象となる問題は何ですか?

乳歯期の矯正治療の主な対象は、受け口の治療です。特に、低位舌や口呼吸による舌の位置の問題や癖を修正し、顎の成長を促進します。

混合歯列期に行われる矯正治療の目的と方法は何ですか?

混合歯列期の矯正治療の目的は、永久歯がきれいに並び、スペースを確保するために顎の成長を調整することです。床矯正や急速拡大装置を使用して、顎を拡げます。これらの治療を子供の一期治療と呼びます。

まとめ

子供の歯並びの矯正は、成長段階に合わせて異なる治療法が適用されます。歯並びの問題は顎骨の成長と関連しているため、子供の成長を利用して治療することでより効果的な結果を得られます。

乳歯期には受け口の治療や低位舌の改善、混合歯列期には顎骨を適切に成長させるための治療、永久歯が全て生え揃った後は大人と同じ方法の矯正が行われます。成人後も矯正治療を受けることは可能です。

子供の矯正治療のメリットとしては、早期治療による将来的な問題の予防、見た目の向上、そしてしっかり咀嚼できるようになる点が挙げられます。子供の時期に矯正治療を行うことで、多くの問題を未然に防ぐことができます。

この記事の監修者
医療法人真摯会 梅田クローバー歯科クリニック
院長 久野 喬

2014年 松本歯科大学卒業卒業。日本障害者歯科学会 認定医。ACLS講習終了。日本口腔インプラント学会。日本小児歯科学会。日本接触嚥下リハビリテーション学会。

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梅田クローバー歯科クリニック

大阪矯正歯科グループ大阪インプラント総合クリニック