子供の顎が大きく成長して歯がきれいに並ぶためには、舌の位置が大切です。赤ちゃんを低位舌(ていいぜつ)にさせない授乳の仕方と離乳食についてご説明します。
目次
低位舌(ていいぜつ)とは舌の位置が低い状態
舌は7つの筋肉で出来ており、それぞれが様々な理由で十分に発達しなかったために舌の位置が低い状態を低位舌といいます。
舌の位置が低い人は、ものを飲み込むときに舌で下顎の前歯を裏側から押しながら飲み込んでいます。
あなたの舌の位置はどこにありますか?
姿勢を正して、お口を閉じて正面を見たとき、あなたの舌の位置はどうなっていますか?
- 舌全体が上顎にべったりと付いている
- 舌は上顎に全く触れておらず、前歯を後ろから押している
- 舌が前歯の裏側より下に付いている
舌の正常な位置は①です。
けれど多くの人は②の状態になっていませんか?②の状態は低位舌ではありませんが、お口の奥で舌が落ちてしまっているので、自然な舌の位置ではありません。
問題は③で、これが低位舌といわれる状態です。
低位舌による顎や歯並びへの影響は?
赤ちゃんが生まれてきたとき、舌は必ず上顎についています。低位舌になってしまう一つの原因として、授乳や離乳食の与え方が良くないことが考えられます。
舌が低い位置でものを噛んで飲み込むと、舌が前に出た位置にあるため、嚥下の度に舌の先で前歯を押すような動きをします。人は1日に1000回位はものを飲み込む動作をします。そのたびに舌で下の前歯を押すため、出っ歯になったり、口が開いたままの口呼吸になることもあります。
また、低位舌では舌が上顎の骨を押さないために骨への刺激が不足して、上顎が適切に成長しません。上顎が小さいために、お子さんが成長する過程で段々と歯並びや噛み合わせが悪くなっていきます。
ものを噛んだときに上の歯と下の歯が噛み合わない「開咬」になる場合もあります。開咬になると、麺類を前歯を使ってすすることが出来ない、串焼きや焼き鳥を前歯でかじれないなど、前歯を使ってものを噛み切るということが出来ません。
低位舌は発音が悪くなる
舌は正しく発音するために重要な役割をしています。普段は無意識のうちに発音しているので、発音時の舌の動きがどうなっているのか気にもしていないと思いますが、低位舌の場合は滑舌が悪く、舌足らずな喋り方になりがちです。
子供が低位舌かどうかを見分ける方法は?
幼稚園くらいになると低位舌であることがはっきりとわかるようになります。まだ見た目がかなり出っ歯になるというほどではないものの、お口を開けた状態で舌をあげると、低位舌でない子供は舌をあげる筋がはっきりと見えますので、低位舌であるかどうかがわかります。
舌をあげるための筋がくっきりしていない子は、低位舌である可能性があります。
子供を低位舌にしない授乳の仕方
赤ちゃんを低位舌にしないための授乳の仕方は、母乳であれ、哺乳瓶であれ、赤ちゃんがしっかりと乳首をくわえて唇や舌に力を入れてぎゅっぎゅっと飲んでいれば、低位舌になることはありません。
唇や舌をしっかり使っておっぱいを飲めるように、縦にだっこして頭をしっかりと手で支えてあげましょう。
子供を低位舌にしない離乳食の与え方
赤ちゃんが離乳食を食べるようになると、親は美味しそうに食べてくれるのがうれしくて、どんどんスプーンを赤ちゃんの口元に運びたくなります。しかしこの時、赤ちゃんの口の奥まで食べ物を押し込むようにして与えていませんか?
赤ちゃんはまだ食べることに慣れていないので、食べ物を上手に口の中に入れられず、こぼしてしまうかもしれません。だからといってスプーンを奥の方まで入れてしまうと、赤ちゃん自身の「食べる」という積極的な行為を妨げることになってしまいます。
赤ちゃん自身が自分で舌を使って食べ物を奥に送って、飲み込む動作をしないと、舌の力がつきません。その結果、低位舌になりやすいのです。
低位舌の改善方法は?
低位舌になってしまっている場合の改善方法としては、以下の3つが主な方法です。
- 「あいうべ体操」で舌の奥の方の筋トレをする※「べろはたから」というお口の体操もあります
- 鼻が悪くて口呼吸になっている場合は、鼻の治療をする
- 舌小帯異常の場合は小帯を伸ばすストレッチや小帯を伸ばす手術をする
- ムーシールドという低位舌を改善して受け口を治すためのマウスピースをつけて寝る
正しい舌の位置に関するQ&A
低位舌とは、舌の位置が低い状態を指します。舌が上顎に触れず、前歯を裏側から押して飲み込む状態が特徴です。
低位舌による顎や歯並びへの影響は、歯並びの悪化や噛み合わせの問題を引き起こす可能性があります。低位舌の状態では上顎の成長が妨げられ、開咬(上下の歯が噛み合わない)や噛み合わせの不良が生じることがあります。
幼稚園くらいになると、低位舌であるかどうかがはっきりとわかるようになります。お口を開けた状態で舌を上げると、低位舌でない子供は舌をあげる筋がはっきりと見えます。舌をあげるための筋がくっきりしていない場合は、低位舌である可能性があります。
まとめ
舌の位置を正しくすることは、顎を発育させ、歯並びやお口の周辺の機能の改善につながります。赤ちゃんを低位舌にしないためには、授乳や離乳食の上げ方に気をつけ、もしお子さんが低位舌がうたがわれる場合は、歯医者にご相談いただくと、舌を正しい位置に置くためのトレーニングなどについてご紹介します。