アクセサリーで良く使われるジルコニアは、歯の詰め物・被せ物の材料としても優れた素材です。ジルコニアについてご説明します。
歯に使われるジルコニアとは?
ジルコニアはとても硬い素材で、人工ダイヤモンドとも呼ばれ、アクセサリーとして人気がある一方で、歯の詰め物・被せ物やインプラントなどの歯科治療にも使用されています。
歯科素材としてのセラミックの中でのジルコニアの特徴は、大変硬く色が白いということです。数年前まではジルコニアは色調の表現があまり得意ではなく、ジルコニアで前歯の被せ物を作ると歯が白すぎるという問題がありました。しかし現在ではジルコニアにも様々な色調があり、隣の歯の色と合わせて自然な見た目の被せ物を作ることが可能になりました。
アクセサリーとしてのジルコニア
ダイヤモンドと見た目はほぼ変わらない「キュービックジルコニア」は、手軽に購入できるお値段なのでアクセサリーとして人気があります。アクセサリーに使われているキュービックジルコニアは、ジルコニアにイットリウムやカルシウムなどを添加して人工的に結晶化させた装飾用のジルコニアです。
ダイヤモンドの屈折率と似ており、見た目はダイヤモンドと区別なつきにくいことから、「人工ダイヤモンド」とも呼ばれています。
ジルコニアを歯に使うことのメリット
ジルコニアは、セラミック系の素材の中でも最も高品質な素材として前歯の被せ物などに人気があります。ジルコニアの持つメリットをご説明します。
- 硬くて丈夫
- 金属アレルギーを起こさない
- 色調が豊富で自然な歯の色を再現できる
- 表面に汚れがつきにくい
1.硬くて丈夫
ジルコニアは人工ダイヤモンドと呼ばれるほど硬くて壊れにくい、美しい素材です。噛む時に力がかかる奥歯の詰め物や被せ物にも良いです。
2.金属アレルギーを起こさない
ジルコニアはセラミック系の素材で、金属が含まれていないため金属アレルギーになることがありません。
※被せ物の土台となるコアに金属が使われている場合は、金属アレルギーの原因になるおそれがあります。
3.色調が豊富で自然な歯の色を再現できる
ジルコニアは長年、色が白すぎるのが欠点でしたが、現在では様々な色調のジルコニアが開発され、前歯の被せ物では隣の歯と見分けがつかない自然な美しさを表現できるようになりました。
4.表面に汚れがつきにくい
ジルコニアの表面は滑らかで小さな傷もつきにくいため、汚れがつきにくいという特徴もあります。飲食物からの着色汚れにも強く、歯が黄ばんでくることも少ないです。
ジルコニアを歯に使うことのデメリット
- 保険がきかないので費用が高い
- 取れたり割れたりすることもある
1.保険がきかないので費用が高い
ジルコニアはセラミック系の材料はとても美しく優れた素材ですが、保険が適用にならない自由診療なので、どうしても治療費が高くなってしまいます。セラミックの中でもジルコニアは高額です。
2.取れたり割れたりすることもある
ジルコニアはセラミックの中では割れにくいものの、やはり歯ぎしりや食いしばり、噛みしめの癖のある方の場合は、詰め物や被せ物が取れやすかったり、割れてしまったりするリスクがあります。
歯ぎしりや噛む力が強すぎるかたの場合は、夜寝ている間にナイトガードと呼ばれるマウスピースを装着して、歯にかかる力を緩和し、日常的に噛みしめないように気をつけることも重要です。
歯の詰め物・被せ物に使われるジルコニアに関するQ&A
ジルコニアは歯の詰め物・被せ物やインプラントなどの歯科治療に使用されます。特に前歯の被せ物に使用されることが多いです。
ジルコニアはセラミック系の素材の中でも最も高品質であり、色調が豊富で自然な歯の色を再現できるため、前歯の被せ物に人気があります。また、硬くて丈夫な素材なので、前歯にかかる力にも耐えることができます。
ジルコニアのメリットは以下のような点です。
・硬くて丈夫な素材であり、壊れにくい
・金属アレルギーを引き起こさない
・色調が豊富で自然な歯の色を再現できる
・表面が滑らかで汚れがつきにくい
まとめ
ジルコニアはとても硬く審美性に優れた素材です。また、ジルコニア自体は金属アレルギーの原因にもなりません。しかしジルコニアにはメリットだけでなくデメリットもありますので、自由診療の詰め物や被せ物を考えておられる場合は、メリット・デメリットを踏まえて治療法を選びましょう。