虫歯

虫歯はどれくらいの速さで進行する?

虫歯はどれくらいの速さで進行する?

 え、虫歯ってこんなに早く進むの?知らなきゃヤバい進行スピード!

「まだ痛くないし、大丈夫でしょ?」そう思って放置してませんか?実は、虫歯は想像以上に早く進行するんです。

個人差はありますが、

数か月で進行する人もいれば、
数年かかる人も。

でも確実に言えるのは、「放置すれば進む」ということ!この記事では、虫歯がどれくらいの速さで進行するのか、そして進行を防ぐ方法を分かりやすく解説します。

虫歯の進行ステージとその速度

虫歯の進行

虫歯の進行スピード、こんなに違う!

虫歯は、大きく分けて4つのステージで進行します。

1. 初期虫歯(C1)

進行速度 → 数か月〜1年ほど
歯の表面のエナメル質が溶け始める段階
痛みはなく、見た目が白く濁っていることがある

対策フッ素&正しい歯磨きで進行STOP!

この段階では、歯の表面を覆うエナメル質が少しずつ溶け始めています。痛みはほとんどなく、見た目にも大きな変化はありませんが、白く濁った部分が現れることがあります。進行速度は数か月から1年程度ですが、フッ素塗布や適切な歯磨きを行えば進行を抑えることができます。

2. 象牙質まで進行した虫歯(C2)

進行速度:数か月〜1年ほど
エナメル質の内側にある象牙質まで虫歯が広がる
冷たいものや甘いものを食べるとしみることがある

対策早めに詰め物で治療!

虫歯がエナメル質の内側にある象牙質まで広がると、冷たいものや甘いものを食べたときに「しみる」感覚が出てきます。この段階では、進行速度は数か月から1年程度で、適切な処置をしなければどんどん悪化してしまいます。削って詰め物をすることで治療可能です。

3. 神経に達した虫歯(C3)

進行速度:数週間〜数か月ほど(急速に進行することも)
虫歯が歯の神経に到達し、ズキズキと強い痛みが出る

対策神経を取り除く治療(根管治療)が必要

歯の神経(歯髄)にまで進行すると、ズキズキとした強い痛みを感じることが多くなります。この段階では、数週間から数か月で急速に進行することもあり、放置すると痛みがさらに悪化する恐れがあります。治療には、神経を取り除く「根管治療」が必要となります。

4. 歯根まで進行した虫歯(C4)

進行速度:数週間で悪化することも
歯のほとんどが崩壊し、神経も壊死

対策抜歯が必要になることが多い

虫歯が進行し、歯の大部分が崩壊すると、神経も壊死し、痛みが一時的になくなることがあります。しかし、歯根部分に炎症が広がると、再び激しい痛みが生じたり、膿が溜まることもあります。この段階では数週間でさらに悪化することもあり、抜歯が必要になるケースが多くなります。

エナメル質と象牙質では虫歯の進行速度が違う

歯の構造

歯の構造にはエナメル質と象牙質の二つの層があり、進行速度はこの二つの違いによって大きく異なります。

エナメル質の特徴と虫歯の進行速度

エナメル質は非常に硬い:体の中で最も硬い組織であり、酸による溶解はゆっくり進む

進行が遅い → C1の段階では数か月〜1年程度かかることが多い
痛みを感じにくい → エナメル質には神経がないため、初期段階では自覚症状がない

象牙質の特徴と虫歯の進行速度

象牙質はエナメル質より柔らかい:エナメル質と比べて酸に溶けやすい
進行が速い → C2の段階に進むと、数か月で神経に到達することも

痛みを感じやすい → 象牙質には神経に通じる細い管(象牙細管)があり、刺激が伝わりやすい

進行を遅らせるために

エナメル質を強化する → フッ素を使用し、エナメル質を酸に強くする
早期治療を心がける → エナメル質の段階で治療すれば、進行を食い止められる

痛みが出る前に歯科を受診する → C2に進行する前に、定期的な歯科健診を受ける

乳歯の虫歯は進行が速いので要注意!

乳歯の虫歯は、大人の歯よりも進行が速いため、特に注意が必要です。

乳歯の虫歯が進行しやすい理由

エナメル質が薄い → 乳歯のエナメル質は永久歯に比べて薄く、虫歯菌の影響を受けやすい

象牙質も柔らかい → 乳歯の内部の象牙質も柔らかいため、虫歯が一気に広がりやすい

歯磨きが不十分になりがち → 小さな子どもは自分で十分な歯磨きができないため、虫歯になりやすい

甘いものを好む → ジュースやお菓子など、糖分を多く摂取しやすい環境がリスクを高める

乳歯の虫歯を放置すると…

痛みが急に出ることがある → 初期は痛みがなくても、急に強い痛みが出ることがある

永久歯に悪影響を及ぼす → 乳歯の虫歯が進行すると、その下にある永久歯の成長に悪影響を与える可能性がある

噛み合わせのトラブルが起こる → 乳歯が早く抜けてしまうと、隣の歯がずれてしまい、将来的な不正咬合の原因になる

乳歯の虫歯を防ぐためにできること

仕上げ磨きを徹底する

子供自分で磨いた後、保護者が仕上げ磨きをしてあげる
フッ素入りの歯磨き粉を使い、予防を強化する

甘いものの摂取を控える

砂糖を多く含むおやつやジュースをできるだけ控える
甘いものを食べた後は、すぐに口をゆすぐか歯磨きをする

定期的に歯科健診を受ける

乳歯のうちから定期的に歯科医院でチェックを受けることで、早期発見・早期治療が可能
3〜6か月に一度の健診を習慣化する

虫歯の進行速度が速くなる原因

歯

「どうしてこんなに早く進むの?」という方は、実は生活習慣が関係しています。

1. 口内環境

歯垢の量 → 歯垢が多いと虫歯菌が繁殖しやすくなって進行スピードがUp
唾液の量 → 唾液には進行を防ぐ働きがあるため、唾液の少ない人は歯を守れない

2. 食生活

糖分の摂取頻度 → 甘いもの・炭酸飲料が大好きな方は、虫歯が進行しやすい
酸性の飲食物 → 炭酸飲料や柑橘類など、酸性の食品は歯を溶かしやすくする

3. 歯磨き習慣

適切な歯磨き → ちゃんと磨いているつもりが磨けてない
フッ素の使用 → フッ素入りの歯磨き粉を使うと、エナメル質を強化できる

4. 遺伝や体質

歯の質 → エナメル質が強い人は虫歯になりにくく、進行も遅い
細菌の種類 → 口内の細菌の種類によって、虫歯になりやすいかが異なる

虫歯の進行を防ぐためにできること

進行を遅らせる、または防ぐために、以下の対策を意識しましょう。

進行を止める3つのルール

1. フッ素でエナメル質を強化!
→ フッ素入りの歯磨き粉を使うだけでOK!

2. 歯医者の定期健診を習慣に!
→ C1のうちに発見できれば削らずに済む!

3. 唾液を増やしてリスクを減らす!
→ よく噛んで食べる・水をこまめに飲む

正しい歯磨き習慣を身につける

1日2回、フッ素入りの歯磨き粉を使用する
デンタルフロスや歯間ブラシで歯と歯の間もケア

丁寧にブラッシングしていても、汚れが残ってしまっていることもあります。歯と歯の間や、歯茎の境目などは歯垢がたまりやすいので、丁寧に汚れを取りましょう。

食生活を見直す

甘いものはできるだけ控える
飲食の後に口をゆすぐ、またはキシリトールガムを噛む

虫歯になりやすい食べ物は、甘いものや歯にくっつきやすいものです。それらの食品を減らし、食後のケアを忘れずに行うことで予防になります。

定期的に歯科健診を受ける

早期発見・早期治療が大切
3〜6か月に一度の健診でチェック

定期健診を受けることで虫歯になりやすい箇所を丁寧にクリーニングしたり、初期虫歯を発見したりできるというメリットがあります。

エアフロー

唾液の分泌を促す

よく噛んで食べることで唾液が出やすくなる
水分をこまめに摂る

唾液を十分に出すことで、お口の中の食べ物のカスや汚れを洗い流し、清潔な状態に出来ます。

まとめ

痛みが出る前に歯医者へGO!

「痛くなったら行けばいいや」と思っていたら、すでにC3・C4に進行してるかも!?

  • C1・C2なら、痛みなし&軽い治療で済む
  • C3・C4まで進むと、痛い&治療が長引く

「まだ大丈夫」なんて油断は禁物。今すぐ、鏡で歯をチェックしてみてください!

進行速度は人によって異なりますが、進行すると治療が大変になるのは共通です。特に痛みを感じる前のC1やC2の段階で対処できれば、治療の負担も軽くなります。

「まだ大丈夫」と思っているうちに虫歯が進んでしまうこともあるため、日頃のケアと定期的な歯科健診を習慣化しましょう!

この記事の監修者
医療法人真摯会 梅田クローバー歯科クリニック
院長 久野 喬

2014年 松本歯科大学卒業卒業。日本障害者歯科学会 認定医。ACLS講習終了。日本口腔インプラント学会。日本小児歯科学会。日本接触嚥下リハビリテーション学会。

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梅田クローバー歯科クリニック

大阪矯正歯科グループ大阪インプラント総合クリニック