「差し歯の色を綺麗にしたい」「一本だけ歯並びを綺麗にしたい」「お口を隠さないと笑えない」というお悩みをお持ちの方はおられます。
保険適用の銀合金の材質とはどんなもの?
保険適用の前歯は、硬質レジン前装冠というものですが、表側は歯科用プラスチック、裏側は銀合金という材質です。銀はイオン化傾向が少ないですが、銀合金は銀のみで組成されている訳ではありません。※硬質レジン前装冠は奥歯の場合は保険適用になりません。
詳しくは下記の表をご確認ください。
化学成分 | 液相点 | 変色 | 硬さ | ※3引張強さ | 伸び | |
(℃) | ※1ビッカース(HV) | ※2ブリネル(HB) | (Mpa) | (%) | ||
銀60% インジウム5%以上 ※4白金族元素10%以下 |
1,000以下 | 変色しないか、 変色しても 色相10YR 明度7以 彩度6以下 |
90以上 | 75以上 | 295以上 | 3以上 |
※1ビッカース→イギリスで考案された硬さ試験の方法。圧痕(押された跡)が小さく、小さな試料の測定に向いている
※2ブリネル→スウェーデンで考案された硬さ試験の方法。圧痕(押された跡)が大きいが、鋳鉄の測定に向いている
※3引張強さ→鋼材の引張力に対する最大の強度のこと
※4白金族元素→ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、白金の総称。
銀以外にインジウム、白金族元素が混じっているものが銀合金と定義されています。噛む事で体内への金属蓄積が不安視されていますし、蓄積によりインジウムアレルギーなどの金属アレルギーを引き起こすリスクが高いです。
セラミック治療とは
セラミック治療とは、患者様の歯を削り、その上にセラミック素材の美しい歯を被せるという治療法です。被せ物はご自身の歯と遜色が無いほど、自然です。
型取りも保険の歯と違い、シリコン印象などでかなり精密に行うため、ご自身のお口に合った仕上がりとなります。東洋人の多くは真っ白という歯ではありません。そこで、患者様の他の歯の色と遜色がないように作製するものです。
保険適用のレジンと比べると歯の表面に着色汚れがつきにくく、歯垢もつきにくいため、美しさが長持ちし、被せ物の内部で虫歯になるリスクも減少します。
セラミック治療のメリット・デメリット
セラミック治療のメリットは何と言っても、このような自然な仕上がりの美しさが最大のメリットといえます。では、デメリットは何でしょうか。
それは、セラミック治療を行うケースですと、審美歯科という大きなカテゴリになりますので、自費治療という事です。つまり、保険適用外となりますので、費用が高いという事がデメリットですね。
では、そこまでの料金を費やしても、セラミックの被せ物にする必要があるのか、疑問に思われる方もおられるでしょう。
差し歯のかぶせ物の汚れは取れる?
歯科医院に通院して矯正治療を受ける程ではないと思っていても、そのようなお口のお悩みは気になりますよね。差し歯を保険適用内で作製した場合、入れた当初は綺麗な白い歯ですが、保険適用の歯はレジンというプラスチックで作製されているので、すぐに着色汚れをしてしまいます。
歯科医院で歯のクリーニングを行うと汚れが取れて白くなりますが、完全に元通りの白さというわけにはいきません。そして、一カ月ほどたつとまた着色汚れを起こします。プラスチックは吸水性が高いという特徴があるためです。
このようなお悩みをカウンセリングで伺った場合、ドクターはセラミック治療をおすすめする可能性が高いです。
セラミックや銀合金のクラウンに関するQ&A
セラミック治療とは、患者の歯を削り、その上にセラミック素材の美しい歯を被せる治療法です。
セラミック治療では自然な仕上がりの美しさが得られ、歯の表面に着色汚れがつきにくく、歯垢もつきにくいためです。
金属蓄積により、インジウムアレルギーなどの金属アレルギーを引き起こすリスクがあります。
まとめ
このように、保険治療のレジンの被せ物と自費診療のセラミックの被せ物には、大きな違いがあります。それぞれのメリットとデメリットを知り、担当のドクターと相談の上、被せ物の材質をお決めいただければと思います。