小児歯科

子供の乳歯が抜けたら抜けた歯を保存する?

子供の歯が抜けたらどうするのがベスト?

子供の乳歯が抜けたら抜けた歯を保管した方が良いのかについてご紹介します。

子供の乳歯が抜けたら抜けた歯を保存する?

6歳頃になると、子供の歯(乳歯)から、大人の歯(永久歯)へと生え変わる時期です。そのため、前歯の乳歯がぐらぐらと歯茎から揺れる状態になります。

抜けた乳歯は保管するべき?

近年では子供の抜けた乳歯を捨てる方は少なく、抜けた歯は何かのケースに入れて保管するというご家庭が多い傾向にあるようです。抜けた歯はさっと水で洗い、水分を取り除き、専用ケースで保存すると良いでしょう。

高温多湿の日本の環境では桐の木箱は最も効果的で、抗菌作用・湿気に強く、また抜けた歯や日付を記入できる特徴もあるようです。

歯が抜けた時の日本・ヨーロッパの風習

昔の日本では、下の歯は屋根に、上の歯は床下へ投げるおまじないをかける風習がありました。このおまじないは日本を含むアジアで多く見られますが、ヨーロッパでは異なります。

ヨーロッパでは抜けた乳歯を枕元に置いて眠ると、トゥースフェアリーという妖精がやってきて、綺麗な乳歯とコインを交換するそうです。子どもが朝起きてみると、枕元にはコインがあるというのが欧米ではよくある光景のようです。

子供の歯が生え変わるのには個人差がある

子供の歯が抜けて乳歯から永久歯に生え変わり始めるのはおおよそ6歳ごろです。あごなどの成長の度合いにより、年齢は前後します。12歳頃までに上下とも奥歯まで永久歯に生え変わり、大人の歯と同様になります。乳歯から永久歯に生え変わる通常の流れをご説明します。

  1. 乳歯の下に埋まっている永久歯がある
  2. 永久歯が出よう(萌出)とする
  3. 乳歯の歯根が溶ける
  4. 乳歯が自然と抜ける
  5. 永久歯が空いたスペースに生える

子供の歯を無理に抜くのは絶対ダメ!

5歳頃から歯が揺れてお子さんが気になって手で触るからご自身で抜いたほうが良いかと思われるかもしれませんが、勝手に抜くのはリスクが高いです。グラグラしているけどまだ抜けないという場合は、乳歯の歯根があごの骨(歯槽骨)の中でまだ一部残っている状態です。この状態から無理に抜こうとすると、乳歯が途中で折れるというトラブルになります。

途中で折れてしまうと、永久歯が生えるスペースがなくなり、生える部分ではないところから出てきて、歯並びの問題を引き起こす可能性があり、不正咬合の原因となります。歯科医院で歯科医師が診断したケースでしたら別ですが、基本的には自然と抜けるのを待つのが最善策です。

歯が抜けた後の注意すべきこと

歯が抜けると、歯みがきの際に「痛くなったらいやだから抜けた歯の近辺は掃除しない」というお子さんもいらっしゃいますが、大切な歯のためにはよくありません。細菌が空いたスペースに入ってしまい、永久歯の成長を阻害する可能性があります。隣の歯などきちんと歯がある部分は食後に歯ブラシで歯を磨きましょう。そして、歯医者さんへ定期的に通院して、ドクターによるむし歯のチェックや治療、歯質強化のために必要なフッ素塗布を行いましょう。

乳歯はエナメル質が永久歯より少ないため、神経(歯髄)まですぐに進行します
。一方で永久歯は乳歯より虫歯の進行が遅いですが、永久歯が生えたからと安心は禁物です。お子さんのお口の中で生えたての永久歯は大人の永久歯と比べて柔らかく、むし歯菌などの感染を起こしやすいからです。

子供の乳歯が抜けたらどうするに関するQ&A

子供の乳歯が抜けた後、どのようにケアすればいいですか?

子供の乳歯が抜けた後のケアには、以下の点に留意すると良いです。まず、血が出る場合は軽く絆創膏で止血します。また、乳歯が抜けた箇所は歯ブラシで掃除し、残った乳歯の歯根がないか確認します。周囲の歯は通常通り磨き、口の中を清潔に保ちましょう。

子供の乳歯が抜ける時期には個人差がありますか?

はい、子供の乳歯が抜ける時期には個人差があります。一般的には6歳頃から歯が抜け始め、12歳頃までに永久歯に生え変わりますが、成長の度合いによって年齢は前後します。乳歯から永久歯への生え変わりのタイミングは個々に異なるため、子供の成長を観察しながら進行を確認しましょう。

子供の抜けた歯はどうすれば良いですか?

一般的に、抜けた歯は特別なケースに入れて保管する方法が一般的です。歯を洗って水分を取り除き、袋や布で包んで保存します。乳歯専用の保存ケースがあればそれを使用するのがベストです。特に高温多湿な環境では、桐の木箱が最適であり、抗菌作用があります。また、保存する際には抜けた日付を記入しておくこともおすすめです。

まとめ

再生医療の分野で、乳歯や親知らずに含まれる歯髄細胞に注目が集まっているようです。今後研究が進むと、有効活用ができる時代になるかもしれません。お子さんの歯の生え方や歯並び、噛み合わせなどで気になる場合は、診療やカウンセリングを受診して、スタッフにご相談ください。

この記事の監修者
医療法人真摯会 梅田クローバー歯科クリニック
院長 久野 喬

2014年 松本歯科大学卒業卒業。日本障害者歯科学会 認定医。ACLS講習終了。日本口腔インプラント学会。日本小児歯科学会。日本接触嚥下リハビリテーション学会。

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梅田クローバー歯科クリニック

大阪矯正歯科グループ大阪インプラント総合クリニック