Eラインはエステティックラインのことで、鼻筋、口元などの横顔のフェイスラインのバランスの美しさを表します。日本人の顔貌はEラインの基準をクリアしていない場合が多いので、ご説明します。
矯正治療でEラインを整える方法
外科矯正(セットバック手術など)
矯正治療で横顔が改善する度合いが大きいのは、手術による外科矯正です。外科矯正は骨格性の出っ歯や受け口が対象になりますので、歯の角度だけを治せば出っ歯や受け口が改善する場合は、適応になりません。
当院のグループ医院であるカトレア歯科(大阪市北区梅田1-12-6 E-ma6階)では、日帰りのセットバック手術を行っています。
抜歯矯正
次に横顔の改善の度合いが大きいのは、抜歯矯正です。上または下、あるいは上下両方の小臼歯を抜歯して、出来たスペースを利用して前歯を後ろに下げていきます。
ミニインプラントを歯ぐきに打って固定減として前歯を後ろに下げれば、かなり出っ歯や受け口が改善します。
非抜歯矯正
抜歯をしないで歯が並ぶためのスペースを作るためには、前歯の側面のエナメル質を0.5~1.0mmほど削って(ディスキング、スライス等様々な呼び方があります)スペースを作ります。エナメル質を削っても痛みは出ませんが、知覚過敏を起こすリスクがあります。
抜歯矯正では歯が後ろに下がりすぎる場合に、非抜歯矯正を行います。
Eラインとは?
Eラインとは、お顔を横から見た時に鼻の先端と下顎の先端(オトガイ部)を結んだ線のことです。上唇と下唇がこの線上かやや内側になる口元が、理想的な横顔のフェイスラインといわれています。
Eラインはesthetic line(エステティックライン)といい、1954年に歯科矯正医のロバート・リケッツが提唱した横顔の美しさの基準です。
日本人にとってのEラインは?
Eラインは欧米人の横顔を基準にしていますので、日本人にEラインを当てはめた場合、上下の唇がEラインよりも前に出ている方が多いです。
また、日本人にとっての理想的なEラインは、Eラインの上に上下の口リルが僅かに触れるくらいの状態ともいわれます。
横顔のEラインが崩れる原因となる症状は?
Eラインからフェイスラインが外れる原因は鼻の高さだけではなく、歯並びも横顔のフェイスラインに影響を与えます。以下のような不正咬合がEラインに影響を与えやすいです。
- 出っ歯(上顎前突)
- 受け口(下顎前突)
- 口ゴボ(上下顎前突)
1. 上顎前突(出っ歯)
上顎前突はいわゆる出っ歯のことで、上の前歯が突出して上唇を前方に押し出してしまいます。これにより、唇がEラインからはみ出ることが多いです。矯正治療で上の前歯を適切に位置に引っ込めると唇がEラインに収まりやすくなります。
2. 下顎前突(受け口)
下顎前突はいわゆる受け口のことで、下の前歯が上の前歯よりも前に出ている状態です。下の前歯の突出によって下唇が前方に押し出され、Eラインから出やすくなります。
また、骨格的な問題で下顎の過成長によって下顎が前に出ていることもあります。その場合は歯並びに問題がなくても理想的な横顔にはなりにくいです。
3. 口ゴボ(上下顎前突)
上下顎前突はいわゆる口ゴボと呼ばれる、上下の前歯が共に突出している状態で、横顔を見ると口元が全体的に前に突き出ているのが特徴です。この歯並びでは、Eラインが大きく乱れ、上下の唇が共にEラインより前に出てしまうことが多いです。
Eラインに影響を与えやすい歯並びは、出っ歯、受け口が代表的なものです。特に骨格性の出っ歯は歯並びだけを整えても口元の出っ張りはなくなりません。その場合は外科矯正でセットバックなどの手術が必要になります。
Eラインが整ってないのは歯並びが原因なのかに関するQ&A
Eラインの整列には、歯並びが一因となることがあります。特に出っ歯や受け口といった不正咬合はEラインの崩れに影響を与えやすいです。
Eラインとは、お顔を横から見た際に鼻の先端と下顎の先端を結んだ線のことです。この線上かやや内側に上唇と下唇が位置する口元が、理想的な横顔のフェイスラインとされています。
Eラインを整える方法としては、外科矯正(セットバック手術など)、抜歯矯正、非抜歯矯正などがあります。外科矯正は骨格性の出っ歯や受け口に適しており、抜歯矯正では小臼歯の抜歯によるスペース確保が行われます。非抜歯矯正ではエナメル質の削りを通じてスペースを作ります。
まとめ
理想的な横顔はeライン上か、または少し内側に唇がある状態をいいます。口元が少し出ていてeラインを整えたいと思っておられる方は、まず横顔の写真とレントゲンで、矯正治療でeラインの改善が可能かどうかを調べます。
さらに、非抜歯矯正、抜歯矯正、外科手術のどの治療方法が適用になるかを検討し、実際にeラインを整えるための矯正治療を開始します。