虫歯

虫歯で頭痛が起こることってある?

虫歯で頭痛が起こることってある?

虫歯は、お口の中の虫歯菌の出す酸で歯の表面が溶かされて穴があく病気です。虫歯が神経の近くに達すると強い痛みを感じるようになり、痛みを歯だけでなく頭痛として感じることもあります。虫歯と頭痛についてご説明します。

虫歯で頭痛が起こることってある?

虫歯の痛みと頭痛は、一見関係ないように思いますが、実は歯痛と頭痛には関係があります。

歯の痛みは三叉神経という神経を通って伝わります。三叉神経とは末梢神経のひとつで、額、頬、顎の3つの領域に分布しており、顔の感覚を脳に伝える働きをしています。

三叉神経の3本の枝は、脳に入る手前で1本になり、脳幹で中枢神経に入ります。そして大脳に接続され、そこで痛い、熱い、気持ちよいなどの感覚として感じられます。

この三叉神経により、虫歯で強い痛みが起こった時に、虫歯と同じ側の側頭部に痛みを感じることがあります。しかし、虫歯以外の別の病気で頭痛が起こっている場合もありますので、注意が必要です。

虫歯の進行と痛みの感じ方

虫歯の痛みを感じている時に、同時に頭痛を感じることがあります。虫歯の痛みは、虫歯の進行がどの程度かによって異なります。虫歯の進行はC0、C1、C2、C3、C4に分類されます。

虫歯の進行

1.C0の虫歯

エナメル質表面が脱灰している状態
痛みはない

2.C1の虫歯

エナメル質内部まで溶けた状態
痛みはない

3.C2の虫歯

象牙質に達した状態
冷たいものがしみる

4.C3の虫歯

歯の神経(歯髄)まで達した状態
ズキズキ強く痛む。稀に痛みを感じないこともある

5.C4の虫歯

歯が溶けたり割れたりして根だけが残った状態
腫れて強い痛みが出る
神経が死んでしまうと痛みはなくなる

虫歯で頭痛が起こる時の虫歯の進行度は?

虫歯で頭痛が起こる場合、虫歯は既にC3~C4に達しており、エナメル質や象牙質を溶かして神経にまで到達していると予想されます。

既に歯の根にまで虫歯が及んで頭痛を起こしている場合と、頬の内側の上顎洞という大きな空間で虫歯菌が炎症が生じて上顎洞炎を起こしている場合があります。

C3~C4の虫歯の治療はどうやるの?

C3~C4の虫歯は、既に虫歯菌が歯の神経に到達しているため、まず神経を取る抜髄と呼ばれる歯の根の治療(根管を消毒して根管内の細菌を減らす治療)を行う必要があります。

神経が死んでしまって、もう痛みを感じなくなっている場合も、歯の根の治療は必要です。

根管治療

根管治療

歯の神経を取る治療は抜髄、根管治療などと呼ばれ、それだけでも数回の通院が必要です。

根管治療の手順

  1. 虫歯を削って神経の入っている根管と呼ばれる穴が見える状態にする。
  2. 専用の器具を使って歯の神経を削り取る。
  3. 根管内を洗って消毒する。
  4. 神経の穴に薬を詰めて蓋をする。
  5. 被せ物をかぶせるための土台を入れる。
  6. 型取りをして被せ物を作製し、装着する。

根管は大変小さな管で、根管治療は大変緻密な治療となります。前歯の根は1本ですが、奥歯は根が1~4本あるため、奥歯の根管治療には時間がかかります。

虫歯で頭痛が起こる場合に関するQ&A

虫歯で頭痛が起こることはありますか?

はい、虫歯による頭痛は起こり得ます。虫歯の痛みは三叉神経を通じて伝わり、虫歯の強い痛みが同じ側の側頭部に頭痛を引き起こすことがあります。

虫歯の進行と頭痛の関係はありますか?

虫歯の進行度によって痛みの感じ方が異なります。C3~C4の虫歯で頭痛が起こることがあります。この段階では虫歯菌が神経に到達し、痛みや炎症を引き起こす可能性があります。

虫歯による頭痛の原因は何ですか?

虫歯による頭痛は、虫歯菌の感染が進み神経に影響を及ぼすことに起因します。また、頬の内側の上顎洞で虫歯菌による炎症が生じ、上顎洞炎による頭痛が起こる場合もあります。

まとめ

歯のキャラクター

虫歯のために頭痛が起こる場合、虫歯はかなり進行していますので、根管治療が必要になります。早めに治療すれば被せ物をかぶせられますが、そのまま長く放置すると、抜歯しなければならなくなりますので、虫歯の痛みを感じたら、直ぐに治療を受けられるようおすすめします。

この記事の監修者
医療法人真摯会 梅田クローバー歯科クリニック
院長 久野 喬

2014年 松本歯科大学卒業卒業。日本障害者歯科学会 認定医。ACLS講習終了。日本口腔インプラント学会。日本小児歯科学会。日本接触嚥下リハビリテーション学会。

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梅田クローバー歯科クリニック

大阪矯正歯科グループ大阪インプラント総合クリニック