審美歯科

前歯が大きいので削りたいのですが

前歯が大きいことを気にしておられる方は、削って小さくすればいいと思っておられるかもしれません。しかし、もしかしたら実際に前歯が大きいのではなく、他の問題によるものかもしれません。前歯を削ることのメリットとデメリット、そして他の治療法についてご説明します。

前歯が大きいと感じる理由とは?

前歯が大きいと感じることには、いくつかの理由が考えられます。まず、顔全体のバランスに対して前歯が目立つ場合や、他の歯に比べて前歯が特に大きく感じることがあります。さらに、噛み合わせの問題や、唇の形状によっても前歯の大きさが強調されることがあります。

顔全体のバランス

前歯が大きいと、笑ったときや話したときに特に目立つことがあり、他のパーツとのバランスが崩れていると感じることがあります。

他の歯との比較

周囲の歯に比べて前歯が大きい場合、特に前歯の大きさが際立って見えることがあります。

噛み合わせや唇の形

噛み合わせが正しくない場合や唇が前歯に覆いかぶさる形状の場合、前歯が大きく見えることがあります。

前歯を削る治療

前歯が大きいと感じる方にとって、前歯を削ることは一つの選択肢となります。この治療は、審美歯科の分野で行われることが多く、歯のエナメル質を少し削ることで、見た目を整えることが目的です。削る範囲や形状は、患者さんのニーズに応じて調整されます。

削る範囲

通常、エナメル質の一部を削ることで、歯の大きさや形を微調整します。歯を削る量はエナメル質の厚さの範囲内で、削り過ぎると知覚過敏が起こる可能性があるため、この治療は慎重に行われる必要があります。

治療時間

比較的短時間で済むことが多く、1回の通院で完了することもあります。

治療後のケア

歯を削った後は、歯の表面が敏感になることがあるため、知覚過敏専用の歯磨き粉やフッ素を含む製品を使用することが推奨されます。

前歯を削る際のリスクと注意点

前歯を削る治療には、いくつかのリスクが伴います。特にエナメル質を削ることで、歯の健康に影響を与える可能性があります。そのため、慎重に判断することが重要です。

エナメル質の減少

エナメル質が削られて薄くなってしまうことで、歯の保護機能が低下する可能性があります。これにより、知覚過敏や虫歯のリスクが高まることがあります。

歯の弱体化

大きく削ると、歯が脆くなり、割れやすくなる可能性があります。

審美面の効果

削ることで見た目が改善される反面、削りすぎると逆に不自然な形になることがあります。エナメル質を削った部分はやり直しがききませんので、細心の注意が必要です。

前歯を削る以外にどんな方法がありますか?

前歯を削る以外にも、歯の見た目を改善するための方法があります。これらの方法は、歯の健康を保ちながら、見た目を整えることが可能です。

歯のホワイトニング

歯を白くすることで、歯の大きさの違いやデコボコが目立たなくなり、全体的にバランスが良く見える場合があります。

矯正治療

歯並びを整えることで、前歯の大きさが目立たなくなることがあります。特に中心から2番目の前歯が1番目の前歯の舌側に重なっている場合は、相対的に1番目の前歯が大きく見えてしまいます。この重なりを矯正治療で治すと、前歯を削らなくても、大きさが気にならなくなります。

ラミネートべニア

前歯の表面に薄いセラミックのチップを貼り付けることで、形や色を整える方法です。歯の表面を少し削らねばならず、削った部分は元に戻りません。数年ごとにべニアをやり替えなければならないので、メリットとデメリットをよく比較してお決めいただきたいと思います。

前歯の見た目を改善するための矯正治療

前歯が大きいと感じる場合、必ずしも削ることが唯一の選択肢ではありません。歯医者と相談し、他の治療法を検討することも大切です。

歯列矯正

歯列矯正は歯に矯正装置を付けて、歯の位置を動かしていって歯並びを整えます。装置はワイヤー矯正、裏側矯正、マウスピース矯正の3種類から選ぶことが出来ます。前歯だけを動かす場合は、歯全体を動かすよりも治療期間、費用が安く済みます。

セラミック矯正

前歯を削ってセラミックの被せ物を被せます。理想の形になるように被せ物を精密に作製すれば、単に前歯を削るよりも審美的に満足のいく仕上がりになる場合があります。

全体的な歯の形を変えることで、見た目を大幅に改善することができます。

前歯を削る治療を検討する際のポイント

前歯を削る治療を考える際には、以下のポイントを考慮することが重要です。これにより、より適切な判断を下すことができます。

長期的な影響

削った後の歯の健康状態を考慮し、長期的なリスクを理解することが重要です。

専門家の意見を聞く

信頼できる歯科医師に相談し、削る必要性や他の選択肢についてアドバイスを受けることをお勧めします。

美的なバランス

ご自身の顔や口元全体のバランスを考慮し、削ることでどのような効果が得られるかを理解することが大切です。

前歯を削ってしまうとやり直しがきかないため、慎重に検討すべきです。リスクとメリットをよく理解し、ご自身に最適な方法を選択してください。

まとめ

前歯が大きいと感じる場合、削ることは一つの選択肢ですが、慎重な判断が求められます。前歯が大きいと感じる理由は、実際に前歯が大きいわけではなく、隣の歯が小さい、または後ろに引っ込んでいるために相対的に大きく見えてしまう場合があるからです。

前歯が大きく見えるのを改善するにはいくつかの方法があります。どの方法が一番患者さんに合っているかは、歯科医師に診断してもらいましょう。見た目を改善するための治療は審美歯科になりますので、保険がきかず、費用が高額になります。担当医にしっかりと相談して、歯が大きいという問題をより良い方法で解決しましょう。

この記事の監修者
医療法人真摯会 梅田クローバー歯科クリニック
院長 久野 喬

2014年 松本歯科大学卒業卒業。日本障害者歯科学会 認定医。ACLS講習終了。日本口腔インプラント学会。日本小児歯科学会。日本接触嚥下リハビリテーション学会。

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梅田クローバー歯科クリニック

大阪矯正歯科グループ大阪インプラント総合クリニック