予防歯科・定期健診

歯の定期健診は必要?通う頻度・内容・受けないリスクを解説

歯の定期健診は必要?通う頻度・内容・受けないリスクを解説

梅田クローバー歯科クリニック 歯科医師 久野 喬

歯の定期健診は必要ですか?

歯の定期健診は、痛みや違和感がなくても受けることをおすすめします。虫歯や歯周病は、初期の段階では目立った症状が出ないことがあります。痛みや腫れが現れてから歯科医院を受診すると、すでに病気が進行し、治療範囲が大きくなっているケースも少なくありません。

定期健診の目的は、歯石を取ってお口をきれいにすることだけではありません。虫歯や歯周病、被せ物・詰め物の不具合、噛み合わせ、口腔粘膜などを確認し、前回の受診時から変化がないか調べることも大切な目的です。

歯の定期健診は、症状が出る前にお口の変化を見つけ、歯を長く守るために必要です。

ただし、すべての方が一律に3~4か月ごとに受診しなければならないわけではありません。虫歯・歯周病のなりやすさ、治療歴、歯磨きの状態、年齢、全身状態などを踏まえ、一人ひとりに合った間隔を決めます。

この記事を読むとわかること

  1. 歯の定期健診が必要な理由
  2. 痛みがなくても歯医者へ通う意味
  3. 定期健診で行う検査や処置
  4. 定期健診とクリーニングの違い
  5. 定期健診を受ける頻度の目安
  6. 定期的な管理が特に必要な人
  7. 定期健診を受けない場合のリスク
  8. 定期健診の費用や所要時間
  9. 受診前に知っておきたい注意点

歯科医院で行う定期健診と、ご自宅で行う歯磨きは、どちらか一方だけでよいものではありません。毎日のセルフケアと、歯科医院での専門的な確認を組み合わせることで、お口の健康を維持しやすくなります。

 

目次

歯の定期健診は本当に必要ですか?

歯の定期健診は本当に必要ですか?の図解

歯の定期健診は、虫歯や歯周病などの問題を早期に発見し、必要な予防や治療につなげるために必要です。

毎日きちんと歯磨きをしている方でも、歯と歯の間、奥歯の溝、歯ぐきとの境目などには磨き残しが生じることがあります。また、被せ物や詰め物の内側にできた虫歯、歯ぐきの中で進行する歯周病などは、ご自身で確認することが困難です。

定期健診には、自分では見つけられないお口の変化を専門的に確認する役割があります。

日本歯科医師会では、歯科健診で虫歯や歯ぐき、歯垢の付着状態などを確認し、一人ひとりに合った歯磨き方法の指導を受けることを案内しています。厚生労働省が案内する歯周病健診では、虫歯や被せ物、歯ぐきからの出血、歯周ポケット、歯石の付着状況に加え、歯並び・噛み合わせ、顎関節、口腔粘膜、口腔衛生状態なども確認項目に含まれています。

定期健診が必要な主な理由は、次のとおりです。

  1. 虫歯を早期に発見しやすくなるため
    → 初期の虫歯は痛みがないことが多く、見た目だけでは分からない場合もあります。早い段階で発見できれば、経過観察や比較的小さな処置で対応できる可能性があります。
  2. 歯周病の進行に気づきやすくなるため
    → 歯周病は、歯ぐきの腫れや出血があっても、強い痛みを伴わずに進行することがあります。歯周ポケットや出血、歯の揺れなどを調べることが重要です。
  3. 治療した歯の状態を確認するため
    → 被せ物や詰め物をした歯も、将来にわたって問題が起こらないとは限りません。境目から虫歯ができたり、材料が欠けたり、噛み合わせが変化したりすることがあります。
  4. 歯石や磨き残しを確認するため
    → 歯垢が唾液中の成分によって石灰化すると、硬い歯石になります。歯石は歯ブラシでは取り除けないため、歯科医院での処置が必要です。
  5. 口腔粘膜などの異常を確認するため
    → 定期健診では歯だけでなく、舌、頬の内側、歯ぐきなども確認します。治りにくい口内炎や粘膜の変化がある場合は、詳しい検査が必要になることがあります。

定期健診を受ければ、将来の虫歯や歯周病を完全に防げるわけではありません。しかし、定期的に前回との変化を比較することで、異常に早く気づける可能性が高まります。

定期健診で確認できる主な項目を、次の表にまとめました。歯石取りだけではなく、お口全体を確認することが定期健診の特徴です。

確認する項目 主な確認内容
虫歯 新しい虫歯、歯と歯の間の虫歯、治療済みの歯の変化
歯ぐき 腫れ、出血、歯周ポケット、歯石の付着、歯の揺れ
被せ物・詰め物 欠け、外れ、すき間、段差、周囲の虫歯
噛み合わせ 特定の歯への負担、歯ぎしり・食いしばりの兆候
口腔粘膜 舌、頬の内側、歯ぐきなどの色や形の変化
セルフケア 磨き残し、歯ブラシ・フロス・歯間ブラシの使い方

歯科医院で確認する項目は、患者さんのお口の状態によって変わります。前回の記録が残っていれば、歯周ポケットや歯磨きの状態などを比較し、改善している点と注意が必要な点を把握しやすくなります。

症状がなくても歯医者へ行く必要はありますか?

痛みや違和感がなくても、歯科医院で定期健診を受ける意味はあります。虫歯や歯周病は、症状の強さと病気の進行度が必ずしも一致しません。痛みがないからといって、お口の中に問題がないとは限らないためです。

「痛くないこと」と「病気がないこと」は同じではありません。

例えば、次のような問題は、痛みがないまま進行することがあります。

初期の虫歯

歯の表面にできた初期の虫歯では、冷たいものがしみる、ズキズキするといった症状が出ないことがあります。

歯と歯の間や被せ物の周囲にできた虫歯は、ご自身で鏡を見ても確認しにくい場所です。症状が出たときには、虫歯が歯の内部まで進んでいることもあります。

歯周病

歯周病は、歯ぐきの出血や腫れがあっても、初期から中等度の段階では強い痛みを感じない場合があります。

そのまま進行すると、歯を支える顎の骨が減り、歯が揺れたり、噛みにくくなったりします。失われた顎の骨や歯周組織は、歯石を取るだけで完全に元へ戻るとは限りません。

被せ物や詰め物の不具合

被せ物や詰め物は、長年の使用によって欠けたり、歯との間にすき間ができたりすることがあります。

わずかな段差やすき間は、舌で触っても分からないことがあります。その部分に汚れがたまり、内側で虫歯が進行しても、神経を取った歯では痛みが出にくい場合があります。

歯ぎしりや食いしばりによる負担

歯ぎしりや食いしばりは、寝ている間など無意識に起こるため、ご本人が気づいていないことがあります。

歯のすり減り、ひび、被せ物の欠け、特定の歯への負担などを定期的に確認することで、必要に応じて対策を検討できます。

痛みが出てから受診する方法では、治療の選択肢が限られることがあります。症状のない時期に定期健診を受けることは、病気を探すためだけではなく、現在の健康な状態を確認するためにも大切です。

歯の定期健診では何をしますか?

歯の定期健診では、問診、虫歯や歯周病の確認、被せ物・詰め物の確認、必要に応じたクリーニングや歯磨き指導などを行います。

毎回すべての検査を行うとは限りません。前回の受診からの期間、お口の状態、治療歴、症状などに合わせて、必要な内容を選びます。

定期健診では、お口全体の変化を調べたうえで、必要な予防処置や指導を行います。

一般的な流れは、次のとおりです。

1.体調やお口の変化を確認する

  • 前回の受診後に、痛み、しみる症状、出血、口内炎などがなかったか確認します。
  • 持病、服用している薬、妊娠、入院歴などに変化がある場合は、歯科治療にも関係することがあるため、歯科医師や歯科衛生士へ伝えましょう。

2.虫歯の有無を確認する

  • 歯の表面だけでなく、奥歯の溝、歯と歯の間、歯ぐきに近い部分、被せ物・詰め物の周囲などを確認します。
  • 見た目だけでは判断しにくい場合は、必要に応じてレントゲン撮影を行うことがあります。

3.歯ぐきの状態を確認する

  • 歯ぐきの色や腫れ、出血、歯周ポケット、歯石、歯の揺れなどを調べます。
  • 厚生労働省の歯周病検診でも、歯の状態、歯ぐきからの出血、歯周ポケット、歯石の付着、噛み合わせ、顎関節、口腔粘膜、口腔衛生状態などが確認項目とされています。

4.被せ物・詰め物を確認する

  • 被せ物や詰め物が欠けていないか、歯との間に段差やすき間がないか、噛んだときに負担が集中していないかなどを確認します。
  • 治療した歯は「もう虫歯にならない歯」ではありません。材料と歯との境目には汚れがたまりやすいため、継続的な確認が必要です。

5.歯垢や歯石、着色汚れを確認する

  • 磨き残しや歯石の付着状況を確認し、必要に応じて歯石除去や歯面清掃を行います。
  • 歯垢は歯ブラシやフロスで除去できますが、石灰化して歯石になると、自宅の歯磨きだけでは取り除けません。

6.歯磨き方法を確認する

  • 磨き残しが起こりやすい部分をお伝えし、歯ブラシの当て方やフロス、歯間ブラシの使い方を確認します。
  • 歯並び、歯ぐきの状態、被せ物、インプラントなどによって、適した清掃方法は異なります。全員が同じ磨き方をすればよいわけではありません。

7.次回の受診時期を決める

  • 今回の健診結果をもとに、次回の定期健診までの間隔を決めます。
  • 虫歯や歯周病のリスクが高い場合は短めに、お口の状態が安定している場合は間隔を延ばすなど、患者さんごとに調整します。

定期健診は、毎回同じ処置を繰り返すだけの通院ではありません。前回と今回の状態を比較し、次の受診までに何を意識すればよいか確認する機会です。

定期健診と歯のクリーニングは何が違いますか?

定期健診とクリーニングは、目的が異なります。

定期健診は、虫歯や歯周病などの病気、被せ物・詰め物、噛み合わせ、口腔粘膜などを調べることが中心です。クリーニングは、歯垢、歯石、着色汚れなどを取り除く処置を指します。

実際の診療では、健診の結果に応じて、同じ日にクリーニングを行う場合もあります。定期健診でクリーニングもしてもらえるかどうかは、歯科医院によって違いますので、事前に問い合わせると安心です。

定期健診は「お口の状態を調べること」、クリーニングは「汚れを除去すること」が中心です。

「クリーニングを受けているから、健診は必要ない」と考える方もおられます。しかし、歯の表面をきれいにするだけでは、歯と歯の間の虫歯、被せ物の内側の問題、噛み合わせの変化などを十分に確認できないことがあります。

定期健診とクリーニングの主な違いをまとめました。

比較項目 定期健診 クリーニング
主な目的 病気や前回からの変化を確認する 歯垢・歯石・着色汚れなどを取り除く
主な内容 虫歯、歯周病、被せ物、噛み合わせなどの確認 歯石除去、歯面清掃など
レントゲン撮影 必要に応じて行う クリーニングだけを目的に撮影するものではない
歯磨き指導 必要に応じて行う あわせて行う場合がある
異常が見つかった場合 精密検査や治療を提案する 歯科医師の診察が必要になる場合がある

定期健診とクリーニングは、どちらが優れているという関係ではありません。まずお口の状態を確認し、その結果に応じて必要な清掃や処置を行うことが大切です。

歯の定期健診は何か月に1回受ければいいですか?

歯の定期健診は、3~6か月に1回がひとつの目安です。ただし、適切な受診間隔は患者さんによって異なります。虫歯や歯周病のリスク、過去の治療歴、歯石の付きやすさ、歯磨きの状態などをもとに、歯科医師や歯科衛生士が受診間隔を提案します。

「全員が3か月ごと」ではなく、お口の状態に応じて定期健診の頻度を決めます。

当院では、お口の状態を確認したうえで、患者さんごとに次回の受診時期をご案内します。

1~3か月ごとが提案される場合

次のような方は、短い間隔での管理が必要になることがあります。

  • 歯周病の治療を受けた直後
  • 歯周ポケットが深い
  • 歯ぐきから出血しやすい
  • 短期間で歯石が多く付く
  • 歯磨きが難しい
  • 重度の歯周病歴がある
  • インプラント周囲に炎症のリスクがある

短い間隔で通う目的は、毎回同じクリーニングを受けることではありません。歯ぐきの状態が安定しているか、セルフケアが改善しているか、病気が再発していないかを確認します。

3~6か月ごとが目安になる場合

虫歯や歯周病の治療が終わり、お口の状態がある程度安定している方では、3~6か月ごとの定期健診が提案されることがあります。

この期間にも個人差があります。歯石が付きやすい方と付きにくい方、被せ物が多い方と天然歯が多い方では、必要な管理が異なるためです。

6か月以上の間隔になる場合

虫歯や歯周病のリスクが低く、歯磨きの状態も安定している場合は、歯科医師の判断で受診間隔を長くすることがあります。

ただし、ご自身の判断で受診時期を延ばすのではなく、定期健診の結果をもとに相談しましょう。

次の表は、受診間隔を考える際の一般的な目安です。病気の有無や治療内容によって異なるため、表の間隔がすべての方に当てはまるわけではありません。

お口の状態 受診間隔の考え方 主な確認内容
歯周病の治療後 1~3か月など短い間隔になることがある 歯周ポケット、出血、歯石、歯磨きの状態
虫歯になりやすい 3~4か月など早めの確認が提案されることがある 初期虫歯、食生活、フッ化物の活用
矯正治療中 矯正治療の通院とは別に管理が必要な場合がある 装置周囲の磨き残し、歯ぐきの状態
インプラント治療後 3~6か月など状態に合わせて決める 周囲の歯ぐき、清掃状態、噛み合わせ
お口の状態が安定している 3~6か月以上など個別に調整する 前回からの変化、セルフケアの維持

大切なのは、期間の数字そのものではなく、「なぜ次回はこの時期なのか」を理解することです。次の受診時期を提案されたら、ご自身のお口で注意が必要な点もあわせて確認しましょう。

定期健診の頻度を短くした方がよいのはどのような人ですか?

虫歯や歯周病のリスクが高い方、治療した歯や人工物が多い方、セルフケアが難しい方は、定期健診の間隔を短くした方がよい場合があります。受診頻度は、年齢だけで決まるものではありません。お口の状態や生活習慣、全身の健康状態などを総合して判断します。

病気が再発しやすい方や、ご自宅だけでは管理が難しい方ほど、短い間隔での確認が必要です。

特に定期的な管理を意識したい方には、次のような例があります。

歯周病の治療を受けた方

  • 周病は、歯石を除去して一度状態が改善しても、その後の管理が不十分であれば再び悪化する可能性があります。厚生労働省の歯周病に関する解説でも、治療後はメインテナンスを行い、安定した状態を維持することが大切とされています。
  • 歯周ポケットが深い部分や、歯ぐきの中に汚れが残りやすい部分を定期的に確認する必要があります。

虫歯になりやすい方

  • 虫歯のなりやすさは、歯磨きだけでなく、食事や間食の回数、唾液の量、フッ化物の使用、被せ物・詰め物の数などにも左右されます。
  • 虫歯を繰り返している場合は、「磨けているか」だけでなく、生活習慣を含めて原因を確認することが大切です。

被せ物や詰め物が多い方

  • 被せ物や詰め物と歯との境目には、汚れがたまりやすいことがあります。
  • 材料が欠けたり、接着部分が劣化したりしても、初期には症状が出ない場合があります。

インプラントが入っている方

  • インプラントは虫歯にはなりませんが、周囲の歯ぐきや顎の骨に炎症が起こることがあります。
  • インプラントを長期間使用するためには、ご自宅でのお手入れだけでなく、歯科医院での継続的な確認も必要です。日本歯科医師会も、インプラントを長く使用するためには、天然歯と同様に歯科医院での定期的なメインテナンスが必要と案内しています。

矯正治療中の方

  • ワイヤー矯正では、装置の周囲に歯垢がたまりやすくなります。マウスピース矯正でも、歯磨きが不十分なまま装置を装着すると、虫歯や歯ぐきの炎症につながる可能性があります。
  • 矯正装置の調整と、虫歯・歯周病を予防するための管理は、目的が異なります。

妊娠中の方

  • 妊娠中は、ホルモンバランスやつわり、食生活の変化などによって、歯ぐきの炎症や虫歯のリスクが高まることがあります。
  • 体調が安定している時期に歯科健診を受け、必要なケアについて相談しましょう。

糖尿病などの全身疾患がある方

  • 全身疾患や服用している薬によっては、歯周病や口腔乾燥などに影響する場合があります。
  • 持病や薬に変更があった場合は、定期健診の際に歯科医師へ伝えることが大切です。

定期健診の頻度を短くすることは、歯科医院へ何度も通わせることが目的ではありません。問題が起こりやすい期間に細かく確認し、状態が安定すれば受診間隔を見直すという考え方が基本です。

歯の定期健診に行かないとどうなりますか?

定期健診を受けなかったからといって、すぐに虫歯や歯周病になるわけではありません。大きな問題は、お口の中で変化が起きたときに、発見が遅れる可能性があることです。

定期健診へ行かないリスクは、病気になることだけでなく、病気に気づく時期が遅くなることです。

定期健診を長期間受けない場合、次のような問題が起こる可能性があります。

  1. 虫歯の発見が遅れる
    → 小さな虫歯の段階で発見できず、神経に近い部分まで進行すると、治療回数が増えることがあります。
  2. 歯周病が進行する
    → 歯ぐきからの出血や歯周ポケットの変化に気づかず、歯を支える顎の骨が減る可能性があります。
  3. 被せ物や詰め物の不具合を見逃す
    → 欠けやすき間を放置すると、内側で虫歯が進行する場合があります。
  4. 歯石が増える
    → 歯石の表面には歯垢が付着しやすく、歯ぐきの炎症を悪化させる一因になります。
  5. インプラント周囲の炎症に気づきにくい
    → インプラント周囲の炎症は、初期には目立った症状がない場合があります。
  6. 治療の負担が大きくなる可能性がある
    → 早期であれば小さな処置で対応できた問題が、進行によって神経の治療や抜歯などにつながることがあります。

定期健診を受けていても、虫歯や歯周病を完全に防げるわけではありません。しかし、問題が小さいうちに対応できれば、歯を削る量、通院回数、身体的・経済的な負担を抑えられる可能性があります。

歯の定期健診にはどのようなメリット・デメリットがありますか?

定期健診には、虫歯や歯周病を早期に発見しやすい、治療した歯を継続的に管理できる、ご自身に合ったセルフケアを確認できるといったメリットがあります。

一方で、通院時間や費用がかかり、検査の結果によっては追加の治療が必要になることがあります。

定期健診には一定の負担がありますが、問題が大きくなる前に対応しやすい点が主なメリットです。

定期健診のメリット

  1. 虫歯や歯周病を早期に発見しやすい
  2. 前回からの変化を比較できる
  3. 歯石や磨き残しを確認できる
  4. 被せ物・詰め物の状態を管理できる
  5. 歯磨きの癖を確認できる
  6. インプラントや入れ歯を継続的に管理できる
  7. 必要に応じて食生活や清掃器具について相談できる

これらのメリットは、定期健診を一度受けただけで得られるものではありません。記録を継続して残し、経過を比較することで、変化を捉えやすくなります。

定期健診のデメリット・負担

  1. 受診するための時間が必要
  2. 健診や処置の内容に応じて費用がかかる
  3. 歯石除去で一時的にしみることがある
  4. レントゲンなどの追加検査が必要になる場合がある
  5. 異常が見つかれば治療のために再度通院が必要
  6. 予約や通院を継続する必要がある

追加の検査や治療を勧められることは、患者さんにとって負担に感じられるかもしれません。ただし、問題を放置して治療範囲が大きくなるより、早めに状況を知り、治療するか経過を見るかを相談できることには意味があります。

定期健診のメリットと負担を比較すると、次のようになります。良い面だけでなく、時間や費用がかかる点も理解したうえで、無理なく続けることが大切です。

定期健診のメリット デメリット・負担
虫歯や歯周病を早く発見しやすい 通院する時間が必要
前回からの変化を比較できる 検査・処置に応じた費用がかかる
被せ物・詰め物の異常を確認できる 異常が見つかると追加の治療が必要になる
自分に合った歯磨き方法を確認できる 定期的に予約を取る必要がある
治療後の状態を長期的に管理できる 歯石除去などで一時的にしみる場合がある

定期健診は、問題を完全に防ぐ保証ではありません。それでも、「どこに注意すべきか」「前回から何が変わったか」を確認できることは、歯を守るうえで大きな利点です。

歯の定期健診を受ける際の注意点はありますか?

定期健診を受ける際は、気になる症状や体調の変化を遠慮なく伝えましょう。「定期健診だから、痛みの相談はできない」ということはありません。短期間だけ起こった症状でも、診断の手がかりになる場合があります。

普段と違うことや治療後に気になることは、小さな内容でも伝えることが大切です。

気になる症状を事前に整理する

次のような症状がある場合は、受診時に伝えましょう。

  • 冷たいものや温かいものがしみる
  • 噛むと違和感がある
  • 歯ぐきから出血する
  • 口臭が気になる
  • 被せ物・詰め物が引っかかる
  • 顎が痛い、口を開けにくい
  • 舌や頬に治りにくい傷がある
  • 入れ歯が合いにくくなった
  • インプラント周囲から出血する

症状が現在は治まっていても、「いつから」「どのくらい続いたか」「何をしたときに起こったか」を伝えると、確認すべき部分を絞りやすくなります。

服用中の薬や持病を伝える

薬の種類によっては、出血、口腔乾燥、顎の骨の治療などに関係することがあります。

新しい薬を飲み始めた場合、入院や手術を受けた場合、妊娠した場合などは、定期健診の際にも伝えてください。

レントゲンは毎回撮影するとは限らない

定期健診のたびに、必ずレントゲン撮影を行うわけではありません。

症状、虫歯や歯周病のリスク、過去の治療歴、前回の撮影時期などを踏まえて、必要性を判断します。患者さんごとの病気のリスクに合わせて管理内容を変えることが、個別化された歯科医療では重視されています。

健診だけで歯を守れるわけではない

歯科医院で過ごす時間は、日常生活のごく一部です。

定期健診で歯石を取っても、その後の歯磨きや食生活が乱れていると、再び歯垢がたまります。歯科医院での管理と、ご自宅でのセルフケアを両立することが必要です。

歯の定期健診の費用・時間・通院回数はどのくらいですか?

定期健診の費用や所要時間は、行う検査や処置の内容によって異なります。虫歯や歯周病の検査、レントゲン撮影、歯石除去などの必要性は患者さんごとに異なるため、全国一律の金額や時間を示すことはできません。

定期健診は30分前後が目安になることがありますが、検査やクリーニングの内容によって変わります。

定期健診にかかる時間

一般的には、30分程度を目安とする歯科医院が多いですが、次のような場合は時間が長くなることがあります。

  • 初めて受診する
  • 確認する歯が多い
  • 歯周病検査を詳しく行う
  • 歯石が多く付着している
  • レントゲン撮影が必要
  • 歯磨き方法を詳しく確認する
  • 治療について説明を受ける

歯石の量が多い場合や、歯ぐきの中まで歯石が付着している場合は、1回ですべてを除去せず、数回に分けて処置することがあります。

定期健診にかかる費用

費用は、保険診療として必要な検査・処置を行うのか、自由診療のクリーニングを希望するのかによって異なります。

保険診療では、症状や病気の状態を確認し、必要と判断された検査や処置に対して費用が計算されます。見た目をきれいにすることだけを目的とした処置は、自由診療になる場合があります。

予約時に確認したい場合は、次の点を歯科医院へ尋ねるとよいでしょう。

  1. 定期健診のおおよその所要時間
  2. 健診とクリーニングを同日に行うか
  3. レントゲン撮影の可能性
  4. 保険診療と自由診療の違い
  5. 歯石除去を複数回に分ける可能性
  6. 子どもや妊娠中の方への対応
  7. 通院回数

お口の状態に問題がなければ、定期健診は1回で終了し、次回の受診時期を決めます。

虫歯や歯周病、被せ物の不具合などが見つかった場合は、別日に治療が必要です。また、歯石が多い場合や歯周病の検査が必要な場合は、複数回の通院になることがあります。

定期健診は毎日の歯磨きの「答え合わせ」です

定期健診は、歯科医院へ通って歯を守ってもらうだけの時間ではありません。毎日の歯磨きがうまくできているか、どこに磨き残しがあるか、使っている歯ブラシやフロスが自分に合っているかを確認する「答え合わせ」の時間でもあります。

定期健診は、歯科医院に任せるためではなく、自分で歯を守る方法を調整する機会です。

歯科衛生士から歯磨き方法を教わっても、数か月たつと自己流へ戻ることがあります。また、年齢や治療によってお口の状態は変化します。

例えば、次のような変化が起こることがあります。

  • 歯ぐきが下がり、歯の根元が磨きにくくなった
  • 被せ物が入り、フロスの通し方が変わった
  • インプラントの周囲に歯間ブラシが必要になった
  • 矯正装置が付き、磨き残しが増えた
  • 手の動かしにくさから、歯磨きが不十分になった
  • 歯と歯のすき間が変わり、歯間ブラシのサイズが合わなくなった

一度教わった方法をずっと続けるのではなく、現在のお口に合っているかを定期的に見直すことが大切です。

なお、定期健診の日だけ念入りに歯磨きをして、普段の磨き残しを隠す必要はありません。いつもの状態を確認できた方が、患者さんに合った改善方法を提案しやすくなります。

治療が終わった歯にも定期健診は必要ですか?

虫歯や歯周病の治療が終わった後も、定期健診は必要です。治療が終わったことは、歯の管理が不要になったという意味ではありません。治療した歯を長く使うための新しい管理が始まると考えましょう。

治療が終わった歯ほど、再発や材料の不具合を早く見つけるための確認が重要です。

神経を取った歯

  • 神経を取った歯は、虫歯が進行しても痛みを感じにくいことがあります。
  • また、健康な歯と比べて欠けたり割れたりするリスクにも注意が必要です。
  • 大きな被せ物や詰め物が入った歯
  • 歯と材料の境目には段差やすき間ができることがあります。
  • 境目から再び虫歯になることもあるため、見た目に問題がなくても継続的な確認が必要です。

ブリッジ

  • ブリッジは、歯がない部分を両隣の歯で支える構造です。
  • 被せ物の下や橋渡しになっている部分に汚れがたまりやすいため、専用のフロスや歯間ブラシが必要になることがあります。

インプラント

  • インプラントそのものは虫歯になりませんが、周囲の歯ぐきや顎の骨に炎症が起こる可能性があります。
  • インプラント周囲の清掃状態や噛み合わせを確認し、必要なケアを続けることが大切です。

矯正治療後の歯

  • 矯正治療後は、歯並びの後戻りを防ぐために保定装置を使用します。
  • 定期健診では、虫歯や歯周病だけでなく、保定装置の状態や歯並びの変化も確認します。

治療の成功は、装置や被せ物を入れた時点だけで決まるものではありません。治療後の状態をどれだけ安定して維持できるかまで含めて考える必要があります。

まとめ

歯の定期健診は、痛みが出てから治療するためではなく、症状がない時期にお口の変化を確認するために受けるものです。

定期健診では、虫歯や歯周病だけでなく、被せ物・詰め物、噛み合わせ、口腔粘膜、歯磨きの状態なども確認します。必要に応じて歯石除去やクリーニング、レントゲン撮影、歯磨き方法の確認を行います。

受診頻度は、すべての方が一律に3~4か月ごとではありません。一般的には3~6か月に1回がひとつの目安ですが、歯周病の治療後、虫歯になりやすい方、インプラントが入っている方などは、より短い間隔が提案されることがあります。

定期健診を受ければ、虫歯や歯周病を完全に防げるわけではありません。しかし、前回からの変化を早く見つけることで、治療範囲や通院負担を抑えられる可能性があります。

定期健診は、歯科医院にお口の管理をすべて任せるためのものではありません。毎日の歯磨きが現在のお口に合っているかを確認する「答え合わせ」の機会です。

痛みがなくても定期的にお口の状態を確認し、ご自宅での歯磨きと歯科医院での専門的な管理を組み合わせながら、大切な歯を長く守っていきましょう。

関連ページ:梅田クローバー歯科の定期健診・クリーニング

この記事の監修者
医療法人真摯会 梅田クローバー歯科クリニック
院長 久野 喬

2014年 松本歯科大学卒業卒業。日本障害者歯科学会 認定医。ACLS講習終了。日本口腔インプラント学会。日本小児歯科学会。日本接触嚥下リハビリテーション学会。

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梅田クローバー歯科クリニック

大阪矯正歯科グループ大阪インプラント総合クリニック

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